米の対日要求さらにエスカレート

2008年11月11日 | 政治 経済
米の対日要求さらにエスカレート
2008年11月11日10時00分

●09年版年次改革要望書のすごい中身

 オバマ大統領の誕生で対日圧力がますます強くなると予想される中、米国が毎年秋に日本に突きつけてくる「年次改革要望書」09年版の内容が明らかになった。

 この文書はいわば日本政府への“指令書”で、自民党政権は93年以降、その要求をほとんど丸のみしてきた経緯がある。小泉元首相の「郵政民営化」をはじめ、耐震偽装の元凶となった「建築基準法改正」、大量のワーキングプアを生んだ「労働者派遣法改正」も、もとはこの文書に書かれていた米国側の要望だ。

 米政府の狙いは日本市場の開放にある。先月15日に出された09年版の中身について、独協大教授で経済評論家の森永卓郎氏がこう言う。

「今回の要望書で、米国が日本の消費者を標的にしていることがハッキリしました。その象徴が確定拠出年金、つまり私的年金制度の拡大です。米国は日本の年金制度崩壊を見込んで、年金分野に参入しようとしています。また、個人の金融信用度を示す得点『クレジットスコア』を金融機関に導入させようとしていて、消費者金融への進出も考えているようです」

 米国のデタラメな対日要求はそれだけではない。

 国際政治学者の浜田和幸氏はこう指摘する。

「まずは医療業界の開放です。新薬承認や医療機器導入の規制を緩和し、米医薬メーカーが参入しやすくなるよう迫っています。さらに農業分野では、遺伝子組み換え食品を導入するための制度改定、残留農薬や食品添加物の検査の緩和を求めている。ほかにも、NTTやドコモを分割して通信の競争促進を迫ったり、民営化後の日本郵政にはさらなるリスクを取るよう要求している。経済の立て直しが急務のオバマ大統領が、圧力を強めてくるのは間違いありません」

 麻生首相は「新しい大統領と日米関係を維持する」とか言っていたが、結局、また米国にむしり取られることになる。

(日刊ゲンダイ2008年11月8日掲載)
http://news.livedoor.com/article/detail/3894981/




石原慎太郎エッセイ『日本よ』

「内政への干渉を排せ」

 最近、ある人に教えられ関岡英之氏の「拒否できない日本」なる著書を読んで、今日の日米関係の本質を改めて認識し愕然(がくぜん)とさせられた。国政を離れて久しいせいで、あの後ことがここまで進んでいることは知らずにいた。知っているのは政府当事者だけで、彼等もそれを良しとはしないのだろうからことは表面では巧みに隠されているが、実態はあの後はるかに深刻なものとなっている。

 あの後とは、私が議員時代自民党が金丸信なる悪しき実力者の君臨の下経世会に支配され、その後体よく自民党を割って飛び出し新党を作って転々し今は民主党のフィクサーとして在る小沢一郎がその配下として幹事長を務めていた頃、日本はアメリカから構造協議なるものを持ちかけられ内需の拡大という美名の下に貿易を抑制し国内で無駄な支出を重ねることで国力を衰弱させよという圧力に屈した後々のことだ。大体、「構造協議」などという二国間協議のもっともらしい名称は国民の目を憚(はばか)るために日本の役人たちが改竄(かいざん)したもので、相手側の原文はストラクチュラル・インペディメンツ・イニシャティブ(構造障壁積極構想)、その「積極性」を持つ者は当初からアメリカということだ。それを当時の政府は国民への体裁を考慮し敢えての改訳を行った。そもそもこうした経済会議はOECDとかWTOといった汎世界的な協議機関で論じられるべきなのだが、他の先進国たちも相手が日本なら放っておけということでアメリカの非を唱えはしなかった。

 その場でアメリカが持ち出した要求は二百数十項目にも及ぶ内容で、中には日本の実情を無視した荒唐無稽(むけい)なものも数多くあった。それに対して私たち有志の勉強会「黎明の会」は日本としての対案を百四十項目作って相手にぶつけさせようとしたが、その提案を申し込んだ自民党の最高議決機関の総務会を小沢幹事長は会期末に意図的に三度続けて開かずに封殺した。仕方なしに他に場所をもうけ、外国人記者クラブでもその案を発表したが、当時の日経連会長の鈴木永二さんにこんな良い案の発表が遅すぎると叱(しか)られたものだった。

 しかしその後金丸、小沢体制下の自民党政府はさらに、向こう八年間に四百兆の公共事業を行って内需を刺激せよというアメリカからの強い要請を丸呑みして、結果としてそれを上回るなんと四百三十兆の公共事業を行ってのけたのだった。その結果夜は鹿か熊しか通らぬ高速道路があちこちの田舎に出来上がった。

 その因習がそのまま今も続いているということを関岡氏の著書で初めて知らされた。それはこの日本に毎年アメリカから「年次改革要望書」なるものが送られてき、日本はそれを極めて忠実に履行してきているという事実だ。そしてそれに対して、かつて私たちが行ったように日本側から相手に対する要求が実行されているということは殆どない。

 間もなくこの十一月に定例の要望書は日本に突きつけられる。その内容は従来アメリカ大使館のホームページに日本語で記載されている。こうしたアメリカ側からの要求に対して、日本の政党なりの一部たりとも国会議員が反論したり、日本側からの要望を対抗案として行ったという話を聞いたこともない。これは国会の卑屈、政治家の無知怠慢としかいいようない。

 BSEの牛肉問題に限らず、アメリカからの強硬なもろもろの要求に対する日本からの反論は当然あるべきだろうが、その具体的事例を耳にしたことはほとんど無い。そうした状況の内に驚くほど多くの事例がアメリカ側の利益を満たすために一方的に講じられてきた。早い話、一時期の流行言葉だったビッグバンとかいう金融開放が、歴代財政にとても明るいとはいえぬ派閥の領袖なり代表としての大蔵大臣の口から唱えられ実現され、結果として日本の金融財政はアメリカの金融資本禿鷹(はげたか)ファンドにかき回され蹂躙(じゅうりん)されるにいたっている。

 私が議員でいた頃から、アメリカの財務省は日本の大蔵省を、国防総省は防衛庁を彼等の日本支局と口にして憚らなかったが、それを如実に裏づけるものが毎年一方的に送りつけられてくる「年次改革要望書」の履行に他ならない。

 日本側にも国際的に見て不合理なしきたりや規制もあろうが、その改正合理化を求めるのはアメリカ一国ではなしに既存の国際機関であるべきに違いない。しかるにあくまでバイラテラルに行われている改革要望なるものは、結局かつて行われた構造協議という虚名の下の重圧と本質的にどう変わりもしない。

 ちなみに「年次改革要望書」の優先分野は通信、金融、医療機関、医薬品、エネルギー、住宅、裁判制度にまで及び二〇〇一年以降は住宅が消されている。つまり国産の材木を見殺しにしてアメリカ産の木材の多量輸入のために日本の政府は建築基準法を変え、「定期借家権制度」の導入、「住宅性能制度」の導入など一連の規制改革を行ってきた。こうした改革の因果関係については、国会に限らず日本のメディアは不思議なほど沈黙し続けている。

 靖国に関する中国や韓国からの非難も日本国の芯部に関する内政干渉だが、アメリカのこうした執拗(しつよう)な一方的改革要望も内政干渉以外の何ものでもあるまい。せめて国会はこの事実について国益を踏まえての議論を持つべきに違いない。

2005年11月7日発売の産経新聞より転載 
http://www.sensenfukoku.net/mailmagazine/no41.html

郵政民営化の先にある恐怖のシナリオ
ドイツ郵政民営化の破綻

http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/11/post_87.html








平和条約ないのは不自然=麻生首相がロシア紙とインタビュー

 【モスクワ21日時事】ロシア紙コメルサントは21日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)を前に麻生太郎首相とのインタビューを掲載した。この中で首相は、日ロの経済協力が順調に発展していることを高く評価する一方で「領土問題が未解決なために平和条約がないのは不自然」と強調、北方4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する考えを表明した。 
 首相は23日にペルーのリマでメドベージェフ・ロシア大統領と会談する予定で、「平和条約締結の問題を最終的に解決するために、メドベージェフ大統領と真剣に話し合う」と述べた。
 インタビューはゴロブニン・タス通信東京支局長が寄稿した。(了)
(2008/11/21-21:42)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008112100966
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