シャンプーは地獄の雨あられ

　掃除機がけの命令は遂行されました。　しかも、私の目の前で。これ見よがしに。
早朝からありがとうございました。
お礼方々、ワンコのシャンプーをしました。
もう　すさまじい　すさまじい。　ご覧の通りの抜け毛です。
むーちゃんはシャンプーが大嫌いで、前日から『明日はシャンプー』と、ちゃんと言っておかないと、直前に言うと、気が動転して自分でも何やらさっぱり分からなくなってしまうようです。いわゆる『狂ったようになる』有様です。
ですから、普段は前日にむーちゃんを呼びつけ『むーちゃん、いいかい　今から言っとくよ。明日はシャンプーです』
すると　頭と体を反対の方に振り回しながら、手当たり次第の物をくわえ、家中走り回っているのだか、転げまわっているのだか分からない状態になります。
すると、当日には『一晩寝ずに逃れる方法を考えましたが、家出するしかなさそうだし、家出するのもなんなので諦めました・・』とばかりに、比較的おとなしく連行されていきます。
お風呂に呼ぶと、耳を倒し、目をしょぼしょぼさせ、腰を落としてシッポを地面すれすれで振りながら、自分の居場所からお風呂場まで、何とか勇気を振り絞って歩いては来るのですが、やはり、途中で力尽きてソファの後ろあたりでばったり倒れてしまいます。
『むーちゃんがんばって！がんばって！』と、励ますと再びよろよろと立ち上がり、歩き始めます。気を失うんじゃないかと思ってしまいます。
それでも、さすがはラブのむーちゃん。
パタリとお風呂場の戸が閉められると、浴槽の縁に両手をついてすっくと立ち上がり、顎をツンと天に向かって突き出し、もうじたばた致しません。
ゴシゴシシャワシャワ洗い出すと、今度はもう嬉しくてたまりません。
腹をくくると、シャンプーは体をたくさん触ってもらえる、大好きなヒトトキなのです。
後はデッキで天日干し。・・・で、しばらくは入れてもらえません。
何故かというと　この写真の有様だからです。
このまだらに浮いた抜け毛が、デッキで風に吹かれて飛んでいくまで、家の中には入れません。
だって、せっかくだんなさんが早朝から掃除機かけてくれたばっかりだもんねー。