ボブ・ディラン18枚組解説 ~ ディスク3(の途中まで)
どうもみなさんこんにちは、腰の重い辻口です。数年前に座骨神経痛を患ったのはそのせいでしょうか。さて、快調に進んでおります本ブログでのディラン18枚組『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション)全曲解説、今回はディスク3になります。
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『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション) SOLD OUT
[Disc 3](4曲、22トラック)
(1)~(4) If You Gotta Go, Go Now
(1)Take 1 (1/15/1965) Complete.
(2)Take 2 (1/15/1965) Complete.
(3)Take 3 (1/15/1965) Complete.
(4)Take 4 (1/15/1965)[5]
↑ 1/15/1965 『ブリンギング~』セッション
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↓ 6/15/1965 『追憶のハイウェイ61』セッション
(5)~(12) It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
(5)Take 1 (6/15/1965) Complete.
(6)Takes 2-3 (6/15/1965) Fragments.
(7)Take 4 (6/15/1965) Breakdown.
(8)Takes 5 (6/15/1965) False start.
(9)Takes 6 (6/15/1965) Breakdown.
(10)Take 7 (6/15/1965) Insert.
(11)Take 8 (6/15/1965) Complete.
(12)Take 9 (6/15/1965) [6]
(13)~(16) Sitting On A Barbed-Wire Fence
(13)Take 1 (6/15/1965) Rehearsal and breakdown.
(14)Take 2 (6/15/1965) Complete.
(15)Take 3 (6/15/1965)[5]
(16)Take 2 (6/15/1965) Edited version. Complete.
(17)It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
(17)Take 1 remake (6/15/1965)[5]
(18)(19) Sitting On A Barbed-Wire Fence
(18)Takes 4-5 (6/15/1965) False starts.
(19)Take 6 (6/15/1965) Complete.
(20)~(22) Like A Rolling Stone
(20)Takes 1-3 (6/15/1965) Rehearsal.
(21) Take 4 (6/15/1965) Rehearsal. Partially [5]
(22) Take 5 (6/15/1965) Breakdown.
既出曲・初出作品リスト
([1]- Released on Bringing It All Back Home, 1965.)
[2]- Released on Highway 61 Revisited, 1965.
([3]- Released on Blonde On Blonde, 1966.)
[4]- Released on Biograph, 1985.
[5]- Released on The Bootleg Series, Vol. 1-3, 1991.
[6]- Released on The Bootleg Series, Vol. 7, 2005.
なお、18枚組と6枚組の収録楽曲、その重複についてはこちらをご参照ください。
このディスク3は、冒頭の「If You Gotta Go, Go Now(邦題:出て行くのなら)」4トラック(1)~(4)が『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』セッションより(1965年1月15日録音、すべて完奏)。といってもこの曲は同作に収録されていないので、末尾の既出曲・初出作品リストで[1]は該当曲なしに。この4トラックに大きな違いはなさそうです。米国版ウィキペディアでの解説によれば、このトラックにオーヴァーダブを施したものがオランダでシングルとしてリリースされ(67年)、それが『ブートレッグ・シリーズ1~3集』に収録されて英米での初出に。それと今回のを一応聴き比べてみましたが、ミキシング(元は4ch?)/マスタリングが違い過ぎてよく分からん……。なんかもう完全に別の曲となっております。しかし、今回の方が抜群に良いことだけは確か!(ロケンロール的な意味合いで)。
そしてトラック(5)以降はいよいよ『追憶のハイウェイ61』セッション。記録によると、同セッションは6月の15・16日と、7月29日~8月4日にわたって行なわれました。本ボックスセットではこのディスク3からディスク8の途中までがそれに該当し、7/31と8/1の録音は収録されていないので、前回のVK石井原稿にある通りテープが失われてしまったのか、それともそもそもお休みだったのか(ちなみに土日)。
以下、各トラックの詳細です。のっけから順序は前後しますが、(17)を間にはさんでの(13)~(19)「Sitting On A Barbed-Wire Fence」に極端な差はありません。なので2枚組の『ザ・ベスト・オブ』や6枚組の『デラックス・エディション』に1テイクしか収められなかったのは納得(完奏は4トラック)。トータルではブルージーでヘヴィなロックンロール、でも演奏の合間にビートルズ曲のリフがひとつふたつ聞こえてきて(主にピアノ)、その辺が「これちょっとダメじゃね?」な理由だったのかと妄想。どうだろう?
そして「It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry(邦題:悲しみは果てしなく)」は、そもそもLPに収録された牧歌的のんびりヴァージョンとはまったく違い、ギターがうるさいロック感むんむんの演奏に熱くなります。基本形のシャッフル版の他、跳ねるのを止めてみたりピッチを変えてみたりブルース・テイストを際立たせてみたりと試行錯誤の記録がバッチリ(ただし完奏はこれも4トラック)。(12)(17)が既出であるものの、聴き応えありまくりです。ですがこの曲は、この後もさらに試行錯誤を繰り返す模様。詳しくはディスク5解説までお待ちを。
やはり集中して聴いていると、ついつい熱くなってしまいますな。今回は長くなり過ぎたので、最後の3トラックについては次回にまとめて。ではまた。
辻口稔之
ボブ・ディラン
6CDs『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966』(ブートレッグ・シリーズ第12集)(デラックス・エディション)【完全生産限定盤】
ボブ・ディラン
2CDs『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ 1965-1966』(ブートレッグ・シリーズ第12集)(通常盤)
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ボブ・ディラン ザ・カッティング・エッジ 1965-1966
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