夏に似合わない服を着て歩く人たち。 頬に冷たく当たる風に、身震いさえするほどだ。 猫が寄り添って寝ているが、その気持ちがよく分かる。
日が長くなったせいか、街のネオンが明るいせいか、夜を忘却してしまいそうだ。鳥や猫や僕もそれに悩む。
ちょっと失礼。 うちの猫の足にコンセントが絡まり、テレビと壁の間から出れなくなっている。 自業自得。 しかも、何故、自分がそこから出れないのか?という顔をしているので、尚更、可笑しい。
猫は夜行性。 夜を忘却してしまうのも無理はないか・・・。
さて、今回は小説を紹介する。 古本屋で見つけて、タイトルにのみ惹かれて買った小説だったが、これがなかなか面白い。
タイトル「笑わない数学者」 著者・森博嗣
ジャンルは推理小説で、タイトルの通り理系の要素が入っているが、哲学的な一面も見せるので、僕には打って付けの本になっている。
語り手は、大学助教授。 その助教授とタッグを組んでいる教え子が、ある場所で起こった殺人事件の謎を解いていく。 と、ここまでは普通の推理小説。 だが、この小説は、事件の真相とは別のストーリーで謎を残したまま終わる。 珍しくはないかもしれないが、僕にとっては新鮮だった。
犯人も捕まり、事件も解決と思いきや、ある人物についての謎が残る。 その人物こそ「笑わない数学者」となっているのだ。
そして哲学的な部分では、最後の「笑わない数学者」が公園で遊ぶ子供に出した問題にある。文章は異なるが、ここで紹介したいと思う。
自分を中心に半径1mの円があるとする。 では問題。 その円周の線をまたがずに、また踏まずに外側にいくことは可能であるか? 答えは・・・可能である。
これは「定義」の問題である。 円の中を外側と定義してしまえばいいのだ。 そう、普通は内側である。 普通の人はそう答えるであろう。 ただし、円がどんどん大きくなっていった時のことを考えてみよう。 今居る自分の円をもっと広く考えてみるのだ。 果ては地球の裏側まで、するとどうだろう? 自分の居る範囲の大きな円は外側で、裏側にある小さな円が内側になるだろう。
そう、だからどんなに小さな円であろうと、そう定義してしまえば、内側にも外側にもなるのだ。
人間の先入観や常識は、しばしば視野を狭くしてしまう。 社会通念、一般常識などがそれにあたる。 勿論、道徳や倫理観などはまた別の問題である。
物事を定義せず、常識に囚われず、多角的視点をもつことで、物事の本質を見抜くことも出来るのだ、と僕はこの本から学んだ。
最後に、「笑わない数学者」より、数学の問題があったので引用する。
第一問、10が2つ、4が2つある。 この4つの数を四則計算(加減乗除)して、答えが24になる式は?
第二問、7が2つ、3が2つある。 この4つの数を四則計算(加減乗除)して、答えが24になる式は?
最近、流行の脳トレとして、どうぞ・・・。
日が長くなったせいか、街のネオンが明るいせいか、夜を忘却してしまいそうだ。鳥や猫や僕もそれに悩む。
ちょっと失礼。 うちの猫の足にコンセントが絡まり、テレビと壁の間から出れなくなっている。 自業自得。 しかも、何故、自分がそこから出れないのか?という顔をしているので、尚更、可笑しい。
猫は夜行性。 夜を忘却してしまうのも無理はないか・・・。
さて、今回は小説を紹介する。 古本屋で見つけて、タイトルにのみ惹かれて買った小説だったが、これがなかなか面白い。
タイトル「笑わない数学者」 著者・森博嗣
ジャンルは推理小説で、タイトルの通り理系の要素が入っているが、哲学的な一面も見せるので、僕には打って付けの本になっている。
語り手は、大学助教授。 その助教授とタッグを組んでいる教え子が、ある場所で起こった殺人事件の謎を解いていく。 と、ここまでは普通の推理小説。 だが、この小説は、事件の真相とは別のストーリーで謎を残したまま終わる。 珍しくはないかもしれないが、僕にとっては新鮮だった。
犯人も捕まり、事件も解決と思いきや、ある人物についての謎が残る。 その人物こそ「笑わない数学者」となっているのだ。
そして哲学的な部分では、最後の「笑わない数学者」が公園で遊ぶ子供に出した問題にある。文章は異なるが、ここで紹介したいと思う。
自分を中心に半径1mの円があるとする。 では問題。 その円周の線をまたがずに、また踏まずに外側にいくことは可能であるか? 答えは・・・可能である。
これは「定義」の問題である。 円の中を外側と定義してしまえばいいのだ。 そう、普通は内側である。 普通の人はそう答えるであろう。 ただし、円がどんどん大きくなっていった時のことを考えてみよう。 今居る自分の円をもっと広く考えてみるのだ。 果ては地球の裏側まで、するとどうだろう? 自分の居る範囲の大きな円は外側で、裏側にある小さな円が内側になるだろう。
そう、だからどんなに小さな円であろうと、そう定義してしまえば、内側にも外側にもなるのだ。
人間の先入観や常識は、しばしば視野を狭くしてしまう。 社会通念、一般常識などがそれにあたる。 勿論、道徳や倫理観などはまた別の問題である。
物事を定義せず、常識に囚われず、多角的視点をもつことで、物事の本質を見抜くことも出来るのだ、と僕はこの本から学んだ。
最後に、「笑わない数学者」より、数学の問題があったので引用する。
第一問、10が2つ、4が2つある。 この4つの数を四則計算(加減乗除)して、答えが24になる式は?
第二問、7が2つ、3が2つある。 この4つの数を四則計算(加減乗除)して、答えが24になる式は?
最近、流行の脳トレとして、どうぞ・・・。