~Memory Of Melodies~

趣味の範囲で色々なことを書き殴るブログ

「噺の話」

2006年05月27日 | Weblog
更新日から一週間程経つが、天気の良い日は1日しかなかった。 晴天の霹靂という日もあったが、傘を持参していなかったので、散々な目にあった。 そう、散々な目と言えば、東京の金曜日は春雷と豪雨の日だった。 

私事で申し訳ないが、僕は非常に雷を苦手としている。 黒くて重たそうな雲の中に走る稲光、ゴロゴロとライオンが威嚇している時のような雷鳴、これらは僕にとって最悪極まりない事態の何ものでもない。 そして、この最悪極まりない事態が金曜日に訪れた。 

頬に打ちつける雨。 轟きを止めない刹那の雷光。 高揚する僕の心。。。

言い訳をする気は毛頭ないが、昔は大丈夫だったのだ。 全くもって怖くなかった。 やろうと思えば、雷鳴とどろく空の下、「ショーシャンクの空に」のジャケットのような姿で、写真も撮影できたのだ。 それが、あることをキッカケに・・・。

話の続きは、機会があれば、また続きを書くことにしよう。 今日は夜に急務があるので、これから用意しなければならない。 勿論、仕事である。 ちょっとだけ、先を急ぐことにする。 

今回は、画像の通りであるが、先週、浅草の三社祭に行ってきた。 威勢のいい男衆と女衆が、お互いを鼓舞しながら、浅草雷門の前を通過してくる。 しかし、違う目的で浅草に行ったことを思い出し、三社祭を直ぐ後にしたが、暫くぶりの祭りだったので、少々アドレナリンが出てしまった。

そう、訪れたかったのは「浅草演芸ホール」である。 僕が最近ハマっているのが落語。 ある時、友人が酔った勢いで居酒屋で落語をしてくれた。 それは、「猫の皿」という古典落語の代表的なものの一つであるが、非常に面白かったのだ。 

それで、一度、本物を見てみたいというわけで、浅草演芸ホールにやってきたのだ。

ホールでは、落語、漫才、三味線、マジック、曲芸・・・と、色々な催し物を見ることが出来る。 そして、主に落語がやっているので、思う存分堪能できるというわけである。

しかし、実際には少しだけ落胆してしまった。 というのも、僕の好きな古典落語ではなく、噺家は皆、私落語を展開していくからである。 

温故知新という言葉があるように、日本の伝統芸能であれ、日進月歩と進化していくことは必要不可欠かもしれない。 しかし、そこまでの落語というものを作ってきた礎を忘れてはならないし、もっと世に広めていくべきだと思った。

私落語も年輩者向けの落語で、決して若者向けのものではなかった。 まぁ、全てが全てつまらなかったというわけではなかったが、若者を集客したいのであれば、年配者向けの私落語よりも、素直に古典落語を見せて欲しかったと思う。 そうすれば、若い人にも受け入れられ、「また来てみようかな」などと思わせることも出来たのではないだろうか。 僕にはリピーターにはなれないような気がした。

しかし、今回は夜の部を訪れたので、もしかしたら朝の部の方が楽しめるかもしれない。 なんせ、落語では「こぶ平」こと林家正蔵、春風亭小朝、漫才では、あした順子・ひろしというビッグスターが軒並みを連ねている。 

狙うなら朝の部かもしれない。 それに、行くとしたら、6月以降がいいだろう。雨季の雷は、それこそ天敵だから。 浅草行く前に落ちたら終わってしまう・・・。 お後が宜しい様で。




「春の鼓動のように響く音楽」

2006年05月21日 | Weblog
降り続いていた雨が止み、青い空がどこまでも続いている。 近くの公園からは少年達の賑わいの声。 取れないボールを一生懸命取りに走る少年が、やっとの思いでボールを拾って、母親に向かって投げた。 すると、そのボールは母親の前で何回かバウンドを繰り返したあと、地面をコロコロと転がっていった。 母親は少年に向かって微笑みながら、両手を叩いて喜ぶ。

季節は春。 少年の投げたボールのように、幾度かバウンドを繰り返しながら、遠ざかっていく冬。 少年を見守る母親の微笑みは、春の新緑のように光り輝いている。 


以前から、インディーズの曲を紹介しようとしていたが、今回、ようやくそれが出来る。というのも、今月は僕の好きなアーティストのCDが3曲も出ている(内一つはこれから)。 ということで、今回はその一つ、OVER ARM THROWの「SOUNDRIP」を紹介しよう。

インディーズ好きの人なら、その名を聞かないはずはない大御所と言えば、Hi-STANDARDを思い浮かべる人がいるだろう。特に「MAKING THE ROAD」は珠玉の一枚だった。 今回紹介したいアーティストも、ハイスタ同様、メロコアのインディーズバンドである。

以前から知っていたにも関わらず、先送りに先送りを重ねていて、ようやく購入に踏み切ったアーティストである。 結果は、非常に良かった。 

バラードや落ち着いた音楽が好みの方には、ちょっと聞き辛い感があるかもしれない。 しかし、ハイスタ好きには、かなり好印象を持つのではないか、と思った。

中でも、2ndアルバムである「SOUNDRIP」では、1曲目の「shooting star」から始まり6曲目の「Chime」まで、全部が良いというのも珍しい。

またBUMP OF CHICKENの隠しトラックのように、この「SOUNDRIP」の中にも隠しトラックが入っていて、これはCDドラマのようになっている。 主人公のペガサスが巻き起こす、ちょっと可笑しい物語で、「前回のあらすじ」と言って始まる。 この「前回」を探しているが、今はまだ見つかっていない。

とりあえず、今回は、僕の中のインディーズシーンに衝撃を運んでくれたOVER ARM THROWの「SOUNDRIP」を紹介した。 ちなみに歌詞は、英歌詞で内容は「恋愛について綴った歌詞」である。

画像は、空を二つに分かつ雲。 神様の落書きとでもいおうか・・・。

「誰もがいつも見ている化け物」

2006年05月13日 | Weblog
ポツポツと、一日中降り続く雨・・・。 泣き止まない空に、ため息の風。 不思議と自分の心まで寂しくなっていく。 明日は、太陽が顔を見せてくれることを祈りながら、星のない空を見上げる。

実は、本は二つほど読み終わっている。 一つは例の如く、宮部みゆきの「R.P.G」という作品。

こちらの内容としては、ネット上で仮想の家族を作り楽しんでいた、その「お父さん」が殺されるという事件が起こる。 どうやらネット上にある家族の「娘」、「息子」、「お母さん」がその殺人に関与してるのではないか、ということで警察の任意同行を受けるが、事件は思わぬ展開を呼ぶ。

正直に言うと、説明小説といった感じで、冒頭の時点で読むかどうか迷ってしまった。 しかし、内容を深く読みとき、後半にいくに連れて、宮部みゆきの味が出てきたと思う。
内容的には先読みが出来てしまうという点で、ちょっとだけ物足りなさが少し感じた。

宮部みゆきに固執して読んでいたので、違うモノをブログに書きたいと、もう一冊の本を読んだのだが、こちらは、本当に圧巻だった。 読み終わった後に、拍手すら送りたくなった作品だ。

その一冊が、野沢尚 「砦なき者」である。

これはTVを題材にした小説で、語り手はTV局のプロデューサー。 構成は、三つの短編かと思いきや、全部の点で共通している。

第一章では、匿名の女性からの電話がTV局に。 その女性は、「私は今日、殺されます。犯人を捕まえて下さい」と言う。 プロデューサーが「殺されるということは、犯人を知っているのでしょう? それならば教えて下さい」というと、女性は「言えません」と答える。 そして、実際にその事件が起きてしまうが、TVという不特定多数に向けた電波を使い、犯人を追い詰める。

この話に、僕は正直、鳥肌を立てて読んでいた。 女性からの世迷いごとともとれる電話。 切迫する犯人とのやり取り。 僕はこの本に飲まれたようだった。

第二章、第三章は、共通した話なのだが、この小説からTVが恐ろしい存在であることを改めて知ることになった。 作為的な放送による視聴者への心理的刷り込み。 
僕は、「この世の中で、最も偉大な宗教とは、TVである」という言葉を思い出した。

TVにより、人は情報を得て、それを自分の知識とする。 これは人の先入観を作り上げることでもある。 TVで叫ばれる言葉が世の中に影響を及ぼす。 これを「アナウンスメント効果」というが、例えば、政治宣伝(選挙演説)などで、この心理的刷り込みや先入観づくりが使われることが多い。 この本の解説にも書いてあったので、出来れば書きたくないが、この本は、僕らにTVという驚異的な化け物に捕われるな、という警鐘を鳴らしているのではないか、と思う。

この本を読んだお陰か、ニュースを見るのが楽しくなった。 TVの裏側で繰り広げられることを様々な出来事を想像しながら、アナウンサーの一言一句や態度を読み取っていく。 すると、新たな道も見えてくるもの。 僕もこの小説に動かされている時点で、一つの影響を受け、先入観に捕われているのかもしれないが、この一冊だけは、オススメ出来ることを断言しよう。

次回は「インディーズの音楽」について、最近買った一枚を紹介することを約束をしたい。

「心の底にある言葉達」

2006年05月05日 | Weblog
GWの中日とでも言おうか、春らしい気候に恵まれ、風に揺れる新緑の葉に、心が洗われていくようである。 幾年月をかけて成長していく自然の趣。 日本ならでは風情を感じるのは僕だけだろうか・・。

今回は、僕の友人達の名言を紹介したいと思う。 自分を褒めるつもりは更々ないが、僕の友人達は、やはり僕と同じような事を考えている人が多い。 というのも、哲学的な解釈が出来る人たちとでも言うべきだろうか、とにかく僕は友人に恵まれていると思っている。 では、早速・・・。

「自分は昔から何も変わらないって? 変わることより、変わらないことの方が難しいん だから、それは凄いことだと思うよ」

友人が同じ様なミスを繰り返し、卑屈になっていた僕に言ってくれた言葉である。

確かに、この満干を繰り返す世間で、環境や状況に流され、流行に目を奪われる人は多いだろう。 その中で、自分は唯一無二の存在だと言えることは極めて難しい。
僕はこの言葉を受けて、自分に少しだけ自信を持ったことを記憶している。

「人の言葉の一つ一つを聞いて、そして人の仕草や態度を良く見てみな。 その人が伝え たいことが、自ずと解るから。」

当たり前のことを言われたと思ったが、自分がそのことを実行しているかと言えば、そうではない。 人の話を聞いていたら、自分が思いついたことを喋りたくなる欲求が出てくる。 それを抑止して、相手の話を聞くというのは、非常に難しいだろう。
先人の言葉を借りれば、「雄弁は銀、沈黙は金」ということになるのだと思うが、ちょっとした心理学にも通ずるものがある。 僕はこの教えを守っていて、随分と物事の見方が変わったし、色々な知識を身に付けることが出来たと思う。

「僕がもし結婚するなら、僕の隣に居て、それが自然で、当たり前であるような女性(ひ と)がいいなぁ・・・」

これに関しては、説明はいらないだろう。 読んだままが答えであり、僕もこの言葉をくれた友人と同意見である。 今までに付き合った女性の中には、この言葉通りの女性が居なかった僕は、この先、こんな出会いはあるのだろうか、と思ってしまう。 だが、この言葉は好きだ。

さぁ、今回は友人達の名言集と題して、3つほど紹介してきた。 少ないが、僕の中では印象ある言葉を選好したつもりである。 一応、名言を残した友人は、皆、同い年だが、これらの名言を残したのが、4・5年ほど前の話。 お酒が社会的に認可される歳の頃だったと思う。

画像は、宇宙猫の姿である。 五月病に早くも悩まされているところを、FRIDAYされてしまった。