今回は、冷え性に効く漢方薬のお話しの続きです。やせ気味で体力の低下した方で手足が冷えてしもやけになってしまうような場合に「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」というカラダを温める生薬がたくさん入った処方のご紹介をしましたが、虚弱体質というわけではなく、更年期周辺で顔はほてるのて手足は冷え症で悩んでおられる方みえませんか?
更年期周辺や月経周期に伴い、自律神経失調症状がよく起こりますが、この時の冷え性はこのように冷えのぼせといった血管運動障害により体温調節がうまくいかなくなっている状態のことが多いようです。漢方的には於血(おけつ)といって血液がうっ滞した状態と考えられてきました。
こういう方にはこの於血(おけつ)を改善するお薬で、桂枝茯苓丸、加味逍遥散や桃核承気湯といったものが冷え症にも効果がありますよ。これらの違いは体質やその他の症状に応じて処方は考えていきます。
冷え症もその原因によって生薬の内容を少しずつ変えることによりその人にあった治療ができるのが漢方の魅力の一つといえるのではないでしょうか。