JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

アリシア 2

2007-08-12 01:04:15 | プチ・原稿
 最初は嫌がらせだと思った。
 自身を蛇蝎のごとく忌み嫌う一輝から愛の告白をされれば氷河の全身は総毛立つ。
 だが、そこまでする意味が解らない。
 嫌がらせをするなら殺せばよい。
 どう考えても、一輝が自分に愛の告白などするわけがないのだから、気が狂ったとしか思えない。
 そう思う核心が、氷河にはある。
 人の精神を支配し、廃人に追い込むという「鳳凰幻魔拳」を氷河は一輝に弾き返した。
 氷河は幻魔拳を受け、精神に強大なダメージを被った。故に、殺生谷での闘いで一輝に敗れた。
 同じ幻魔拳を一輝は額に受けたのだ。
 精神を支配する拳を受けただけに、一輝の精神に何らかの異常が生じたのだとは理解できる。
 だが、そうなった場合…。
「氷河」
 背後からの声に、氷河はぎこちない動きで背後を振り返った。
「瞬、どうした?」
 瞬は、日本に帰りつき兄と再開することを心の支えに過酷な修業を耐え抜き聖闘士になった。
 だが、日本に帰り着き待っていたのは兄ではなく過酷なトーナメントであった。
 その過程で合間見えた兄も、かつての優しいく力強い兄ではなくなっていた。
 闘いの中、歩み寄れるかに思えた兄の精神が氷河が返した拳で妙な具合になったのでは、氷河は瞬に合わす顔がなくなる。

「続く」