JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

転生したら飼い猫だった件 転生編 3

2022-12-22 02:47:27 | 日記

ーーミケ…三毛…。

ーー我は三毛猫であるのか?

ーー三毛猫…。

ーー三毛猫の雄といえば、人間の間ではレア的な存在ではないか…。

ーーそれで、この人間も我を虐めぬのか…。

ーーそもそも我らの毛皮の模様で待遇が変わるのには納得がいかぬが、それでもあのような虐待を受けなくて良いのなら…。

ーー三毛猫バンザイッ!

ーー我は有頂天であった。

ーーだが、その幸せは、長くは続かなかった…。

 

■ ■ ■

 

「三毛猫の雌ですね」

ーー最初に、我が意識を取り戻した病院、とやらで「先生」と呼ばれていた人間の言葉に我は打ちのめされた。

ーー三毛猫の雌…。

ーー我はこの間までは立派な雄猫であったのに…。

ーーなんで、雌?

ーー我は男の娘になっておったのか…。

ーーあぁ…。

ーーこの人間は我が雌だと解ったら、どういう反応をするのだろう。

ーー三毛猫の雌は、珍しい個体ではない。

ーーならば、我は、我は、また…。

ーー嫌だ、もう、あのような目に遭うのは…。

ーー苦痛と飢餓と絶え間ない恐怖…。

ーー我は…我は…。

「それじゃあ、怪我はそう酷くはないので、この間の薬を飲ませて、ご飯で栄養をつけてあげて下さい」

ーー先生の言葉を聞きながら、女が我をケージに戻した。

ーーこの間は箱だから、元気になった今なら脱走の望みもあったが、今は頑丈なケージ…。

ーーコレでは脱走することもままならん。

「はい、解りました。あとは避妊ですね」

ーーこれは、女の声。

「そうですね…」

ーー頭上で難しい言葉が飛び交っているが、どうでもよい。

ーーあぁ、我はこれからどうなるのか…。

ーーどうしてこんなことになったのか…。

 我は途方に暮れた。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿