「鞍馬口ん家」を覗くと以前と変わらぬ、満面に笑みをたたえた露木理恵さんが現れた。今、「楽町楽家」の企画により、『露木理恵(磁)・辻本恵子(陶)/鞍馬口ん家にならぶ小さな器展』が町家で開催されている。
露木理恵さんは以前より磁器にて蓋ものを中心とした作品を多く制作されているが、この度は蓋もの以外に花器や手のひらにおさまる小さな器たち…。町家の明かりの中で際立って見える青磁の色。その造形は、楽しげでタイムカプセル?はたまた海からのメッセージ?とも思えるようなものがあり、一点一点、手仕事の細やかさを感じるものである。
お二人とも「食」に大いなる好奇心を持ち、食いしん坊らしく、制作時においては、器の空間に何をどういう具合に入れるかを考えイメージしながら、磁土、陶土に向き合っている。器に入れられるものは、日本酒であったり、イチジクのコンポートであったり、様々な手作りお菓子…e.t.c.。
暫くすると露木理恵さんの小宇宙がお盆ではこばれて来た。水出しされた冷たい紅茶“アールレディ”が、小さな器に入れられ、それを口にした瞬間、「手から伝わる心地良さ」により私の体の細胞が喜んだ。
世知辛い世の中ではあるが、「一期一会」の心を忘れずにいたい…
《瑠素番虫》
『鞍馬口ん家にならぶ小さな器展』
辻 本 恵 子(陶) 露 木 理 恵(磁)
明日15日(日)まで (最終日17:00まで)
会場 「鞍馬口ん家」
京都市上京区上御霊中町456-4 地下鉄鞍馬口駅1番出口から南角を東へ徒歩20秒
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