goo blog サービス終了のお知らせ 

日々是雑記

新しい猫がきて、相変わらず猫三昧な日々です。

『ダニー・ザ・ドッグ』試写会いってきました~

2005-06-21 23:01:40 | 映画
いやー、思った以上にいい映画でした。
かっこいいアクションと、ちょっぴり笑いのあるヒューマニズムとで感動したい人向けです。
(あ、あれ?)
一言でいうと「音楽な映画」……それもまたおかしいかなぁ。
しかし、音楽は重要なキーポイントです。あえてテーマとはいわない。
盲目の調律師を演じるモーガン・フリーマンがすばらしく、その養女役のケリー・コンドンが可憐で、また、悪の世界の人々もそれぞれに強烈な個性で、バランスがいい。
そういう共演者に恵まれた中で、五歳で誘拐され、十歳以上の知能をもたないまま、ただ命令されて闘うだけの犬として飼われていた男ダニーを演じるジェット・リー。
これまで、アクション・スターとしてはとにかく、演技者としてあまり認められていなかったんじゃないかと思われるジェット・リーですが、存分に演技してくれます。
いやー、ほんと、いい映画でしたよ。
機会があれば、ぜひみにいってください、とお勧めしたくなる作品です。

『オペレッタ狸御殿』by鈴木清順

2005-06-09 04:19:58 | 映画
打ち切りになると困るねって感じで、あわててみてきました。
新宿まででないとみられないのですが、どうもこのまま、こちら方面まで出張してきそうにないぐらい、客のいりが悪そうで(^_^;)。
レディースデイでしたが、ほんと、客の入りはチラ、ホラ。う~ん、宣伝効果ない?
それとも、鈴木清順という監督の名前には、集客力がないんでしょうか。
たしかに、妙に玄人受けする名前だなぁという印象はあります。
85歳という御年はとにかくとして、こう世界の映画人にリスペクトされちゃうような。
つまり、玄人さんがみて「すごいっ」と思ってしまうような映画を作っちゃう。
それは素人な普通の映画ファンにとっては、「置いてかれてる」感じなのかな。

で、観た印象はまさしくそうでした。
私は鈴木清順作品をみるのははじめてです。
で、ぼんやりと「カリガリ博士」っぽい映画を作る人かなぁって思っていました。
これ、わりとあたっていたように思います。
なんか観客にいろいろと想像力とか要求するんだよね。
そして、どことなくストーリーがとっちらかっていて、結局、だから何なの?って感じがする。
とくに今回は、むかしの娯楽作品のリスペクトリメイク作品なのかなぁって印象を与えておいて、しかし、いわゆる娯楽映画の範疇にはあてはまらない。
いや、鈴木清順が、娯楽映画を撮りたかったかどうかは分からない。
娯楽要素をものすごーく詰め込んでいるのに、どっかで放り出される。
スコンと。
それはもう、鈴木清順のリズムというか、天性のクセというか、こういうふうにしか撮れないのか、撮りたくないのか、うん、だから鈴木清順なんだよねって納得してしまうような感じ。

それじゃあ楽しめないかというと、そんなことはなくて。
いや、会場内でもクスクス笑い声があがってました。
笑いこらえるのに必死なシーンもありましたよ。
なんだろう、要所要所はおかしいのに、全体として見終わった印象は「あぁ、面白かった」ではなく、「うはー、清順だなぁ」なんですね。

そして、ネタバレにならないように、役者の紹介なぞを。
主役狸姫はチャン・ツィイー。チャン・イーモウ作品『初恋のきた道』でデビュー。『HERO』で名だたる香港映画人に伍して、その存在をアピール、『グリーン・デスティニィ』にも出演。なんでこんな人が主演かというと清順マジック、としか言いようがない。
もし、チャン・ツィイーでなく日本人の女優でこの狸姫をやるとしたら、一体誰が適任かというと、かなり首を傾げる(藤原紀香ちゃんなんか、どうでしょうねぇ)ぐらいの嵌まり役。いやー、狸顔(^_^;)。
セリフのほとんどは中国語。一部日本語はご愛嬌つか、どうしてちゃんぽんにさせたのか分かりませんが、あまり気にしなくていいんでしょう、きっと。
演技力に関しては心配してなかったのですが、いやー、堂々の主役っぷりでしたよ。ブラボー。
というか、HEROのチャン・ツィイーはあまり好きじゃないんだけど、こっちは好きだな。

そしてヒロイン若侍(爆笑)のオダギリ・ジョー。たぶん、この、運命に翻弄されて「あーれー」という役柄はけっこう大変だったんじゃないかと推測。自分から運命を切り開くという役じゃないんです、この若侍。しかも父親にその美貌を嫉妬される(ぷぷ)というほどの美男でなくちゃいけません。いや大変。
それにしてもアレですね、プロフィールに『仮面ライダー・クウガ』がはいってないのは、なぜでしょうね。本人、いやなのかな? クウガ役者として名前が知れたと思うんだけど。

主役二人を支える脇役陣の豪華絢爛さは、なんというか目がまわるぐらい。この脇役のために見に行ったといっても過言じゃない。そのうえ、期待を上回る満足度を与えてくれる。ハラショー。
まずは、若侍の父親で、自分が一番美貌じゃないといけない安土桃山(このネーミングすげーよ)に平幹二郎。『じぱんぐ』の怪演技でこの人の実力のほどは、ずずんと腹の底まで染みわたっていたけれど、正直、それを上回る見事さで、唖然呆然、すばらしすぎる。やっぱ『じぱんぐ』はいろいろと詰めの甘い作品だったんだなぁとしみじみ。いや、それはさておき。
日本にはこういう役者がいるんだぞ、と世界に通用する、まさにそういう俳優です。脱帽。
それなのに、美貌が売り物(ぷぷ)。いやはや。

次に安土桃山の腰巾着な予言者(?)びるぜん婆の由紀さおり。
わたくし、この人の演技というものを観たことがなかったのでございます。正直に言います。見損なってました、ごめんなさい。素直に謝ります。とんでもねーよ、この人は。
ある意味、平幹二郎があそこまでやれるのは、誰もがわかっていて、納得できるのだけど、それでもこの人の演技がないと、平幹二郎があそこまでたたなかったんじゃないかと思わせるほどの熱演。
「びるぜん婆のマイウェイ」では、完全に主役でした。まぁ、歌唱力はいまさら言うまでもないけどね。

由紀さおりとともに出色と言われたのが、狸姫の乳母、お萩の局の薬師丸ひろ子。
えぇ、わたし、この人好きです。この人でてるから見に行きたいと思いました。満足です。
助演としてこれだけの演技力があるんだなぁとしみじみ。
笑顔の狸姫に対して、終始、眉を落としたいかめしい表情で、ある意味、女優さんとしてはすごく損な立場なのにものともせず。
要所要所で、この人の存在が作品を締めてると思わせるところがあって、感無量です。
ほんと、好きな役者が存分に使われていると、「嬉しい」って感じですね。

そして、待ってましたのうっかり八兵衛、家老狸の高橋元太郎。
まさかこの人が歌手の出身だとは知りませんでした、ごめんなさい。もうびっくりするほどの声量、若々しい歌声、いや、こういうコメディアンな演技は十分にできると信じて疑っていなかったけれど、まさか歌えるとは……いや、単純に「歌える」なんてもんじゃないんです。
今回、一番の拾い物はこの人。

で、狸姫の腰元四人衆に、一人、どこからどうみても太めな方がいて。
これはコメディ担当かなと思ったら、四人組で歌ったときの声量が……ハンパじゃない。
あれ? と思ったら、浦嶋りんこさんでした。納得。
この方は、ドリカムの吉田美和さんと組んで「恋の花咲かせましょう」を歌いまくった、日本人離れした声量の持ち主で、歌唱力に関しては、もしかするとこの出演者全員の中でもピカ一かも。
えぇ、腰元四人衆以外にも歌を発揮するシーンがあって、すごく嬉しかったですよ。無駄遣いしてないところが(^_^;)。

ほかにも脇役にいろいろといらっしゃるようですが、まぁ、こんな感じかな。
ネタバレなストーリー紹介とか、ネタバレな感想とかは、「香港巡礼協会」ブログのほうにあげるつもりです。

打ち切り前に、もう一回みにいこうかなー。

期待の映画いろいろ

2005-03-21 17:39:51 | 映画
ジェット・リーが来日して宣伝したという『ダニー・ザ・ドッグ』こいつは期待大。
フランス映画で、リュック・ベッソン監修ってあたりからして、かなりのイロモノです。
えぇ、ジェット・リーが精神年齢10歳で(^_^;)。
ファイターとして育てられて人間として成長していなくて。
首輪をつけられているんですね。
それがある日、首輪を解き放たれて(逃げ出したのかな?)ある家に逃げ込みます。
親子……じゃないよね。モーガン・フリーマンと、フランス人の娘のいる家。
フリーマンは盲目のピアニストで、その奏でる音で、ダニー(ジェット・リー)は目覚めていく、といった感じ……かな?
いかにもフランス映画らしい映像と音楽の使い方が期待させてくれるトレーラーでした。

それから、『真夜中の弥次さん喜多さん』、「くどかん」映画でございます。
つーか、長瀬が見たい!
いや、なんで長瀬って言われると困りますが、妙にヅラがにあっているのですよ。
七之助よりにあっているのはなぜ? つーか、七之助、受け受けしすぎるぅ(爆)。
ま、そーゆー話ではございますが。
弥次喜多道中記がバイクでってのも、面白いですなぁ。
原作は知りませんが、こいつはちょっと楽しみです。

あとはやっぱり『ナルニア』でしょうかねぇ。これっていつごろできあがるのかしら。
いま、お風呂で原作読んでます。
特撮が指輪のWETAだっていうし、期待していいですよね。

カンフーハッスル見てきました~

2005-02-01 18:46:42 | 映画
ものすごく、懐かしいテイストの映画でした。
たぶん、監督が狙っているのも「郷愁」なんじゃないか、などと邪推してしまうほど。
香港人に大受けなのもすごく分かります。
で、日本人、受けてますか?
すごく知りたい。

カンフー映画も武侠映画も、けっこうな数を見てしまっているので、「あー、あれあれ」「うん、そうそう」「そうなのよ~、そうそう」みたいな見方をしてしまう。
感覚的に、香港人に近いのかもしれない、と思うので、この映画が日本人にどのぐらい受けるか、想像がつかないのでございます。

まぁ、ブルース・リー映画の好きな人はオッケーかな?
少林サッカーが面白いと思った人は、どのぐらいいけるんだろう。

かなりマニアックな作りだと思います。
もー、昔懐かしい警察の作りとか、歓楽街の作りとかで、まずうっとり。
警察内部の木材の使い方とか、冷房なくて半ズボン姿の警官とか、そうそう警部は「探長」なんだよ~とか。
うるうるしながら見てしまう。冒頭からやられてます。

豚小屋砦は、たとえば『月夜の願い』にでてきた長屋アパートなんかと同じように、香港人にとってふるさとのような猥雑さがあります。
仕立屋や、粥麵屋があって、人足やってる若者がいて。
水は共同で、住民がパジャマやネグリジェで闊歩する。
風采のあがらない家主の夫、キター。
元華さん、おひさしぶりですが、いい感じに鼻の下伸びてて笑えます。

そして、頭にパーマのまきまきをつけたまま、家主の奥さん登場。
私はまだスクリーン上でみたことのない、元秋(ユンチウ)さん。なんとスクリーンには28年ぶりの復帰とか。
すごい迫力。
煙草を銜えたままなのに、見事な発声。
貫祿をつけるために、わざわざ15キロ増やしたという体重を駆使して、住民どもを張り倒す張り倒す……こいつ悪役なのか、と思いきや。

正義の味方への夢は費えて、どうせでっかいことやるなら悪だぜ、と黒社會に入りたがっているチンピラのシン登場。お仲間は、少林サッカーの太っちょ君。いや、彼が痩せててかっこよかった時の映画も見ているの、わたし。ほんと期待してたのにいきなり消えて、突然の復活。いい味出してるわねぇ。

シンが入りたがっている斧頭会のボス、踊る組長チャン・クォックワン、いいですねー。少林サッカーのゴールキーパーだった彼です。出世出世。
冒頭しかでてこないけど、副組長クラスが林雪(ラム・シュッ)。『ミッション』の渋い役柄で目をつけていましたが今回はちょっぴりコメディ・タッチ。売れっ子なんだろうけど、出番が少なくて残念。
その後釜は、ティン・カイマンが埋めてます。

チンピラ・シンのおっちょこちょいから、斧頭会に目をつけられてしまった豚小屋砦には、実はカンフーの達人が何人も住んでいて、斧頭会の殴り込みをあっさりと撃退してしまうのだけど、家主の奥さんはカンカンになります。
「あんたたち、そんなにカンフーできるなら、外いって稼いでくれ」
あまりに情がないと住民たちまで怒るけれど、態度を翻さない奥さん、その読み通り、斧頭会は怖るべき殺し屋を送り込んでくるのです。

琴を演じて殺す二人組の殺し屋に、仕立屋、粥麵屋、人足の三人はあえなくやられてしまうのですが、土壇場家主夫婦が飛び出して、殺し屋を撃退、実は家主夫婦も伝説のカンフー・マスターだったのです。

大金積んだ殺し屋を撃退された斧頭会の組長は、チンピラのシンに命じて、No.1の殺し屋を引っ張りだしてくるのですが……。
さぁ、ブルース・リャン、くるぞーっっっ。
便所の草履履いてる、さえないおっちゃん姿で、かつてのヒーロー登場。
あまりのギャップがすさまじく、奏でられる音楽は懐かしく、挙げ句に来ますか蝦蟇拳法。
家主夫婦もやられまくるのですが。
なぜかここで、チンピラのシンが覚醒してしまう……このナンセンスさこそが香港のカンフー映画の神髄。

そう、カンフー・マスターの拳を受けて脈に通じてしまうと、いきなり能力が覚醒してしまうのですよ。
ほほほほほ。
努力なんかしないでも、カンフー・マスターになっちゃうんだな。
(いや、チンピラのシンはかつてカンフー・マスターになるべく、きっちり型を勉強していたらしいんですが)

いやはや、どうでもいいけれど、ほんとーに恋愛シーンは苦手なのね、シンチャイ。
あー、面白かった。

『ネバーランド』みました~

2005-01-19 18:16:21 | 映画
いやー、思いっきり、やられたわ(^o^;)。

なにがって、そりゃもう、泣かされましたのですよ。えぇ、こっそりと。

こういう感動ものって、実はけっこう苦手なんですが、なにしろジョニー・デップですから、覚悟を決めていってきましたが、そりゃもういい映画でした。
なんだろう。
いろいろ考えることがいっぱいあるんですが、いろんな人に、「あぁ、あれは」って思えるような作りになっているっていうのかな。
それが、エンターテインメントなんだと思いますが。

今世紀初頭のロンドン。英語が美しい。
それはもう、やりとりが優雅で、動きも素敵。
ダスティン・ホフマンでていると思ったのに、誰だかわかりませんでしたよ(爆)。そっか、アメリカ人の興行主だったのかー。いや、髭に騙されたかもな、はっはっは(^_^;)。

ジョニー・デップは、海賊から観始めたので、秘密窓の次で三本目ってことで、全然まったく七変化まで観てはいない勘定なんですが、大変に繊細な演技のうまい人で、しみじみと、ジョニデ観に行った~という感じです。悪い意味ではなく、とてもよい意味で。
ケイト・ウィンスレットもよかったけど、奥さんとか、子供たちの祖母役とか、最初と最後にでてくるミス・スワンとか、もう、どうしてあんなにいいんでしょうってぐらい、いい感じです。
えっとね、抑制された演技の美しさというのかな。
劇中劇と現実が交錯するシーンとか、あーゆーもんなのかなぁという感想になってしまって、逆に勿体なかったかな。
でも、犬役の役者さん、当時は役者の身分が大変に低かったんだろうなぁと思われるのですが、ほんと仲間からも激励受けててよかったね。子供たちにとても受けていたのも(^_^;)。

子役がすごくよかったですねぇ。というか、子役がよくなかったら、どうしようもない作品になってしまっただろうけど。こういう子役の選定に関しては、本当に目がたしかだなぁ。安心してみられるなぁ。

英語の脚本、欲しいですね。あの言い回し、セリフのひとつひとつ、見直してみたい。どこかにあるのかな?

『スカイキャプテン』を見てきた

2004-12-01 23:17:51 | 映画
ネタは、香港巡礼教会に書いたのだけど、いま、メンテ中だわね。

色男の冒険野郎と、突撃どっかんトラブルメイカー娘の、ウィットにあふれる会話を楽しむだけでも、十分に面白いと思うのに。
わたくし好みのセピアでメタルな世界観と、血湧き肉躍ると言うよりほかにない音楽、そのうえ、アンジェリーナ・ジョリーさまのアイパッチ姿と言うことございません。

つーか、みんな見てね。

うちの旦那が「みんなが見るならまた見てもいい」と言うほどいい(←こんなこたぁ滅多にないよ)ので(爆)。

香港映画について

2004-11-20 18:39:43 | 映画
う~ん、別だてにしたほうがいいかなぁ。
普通の映画はあまりみないから(爆)、カテゴリをわけなくてもいいのかなぁ。悩む(爆)。

中途半端にみたものも含めると、香港映画、100本ぐらいはみてるんじゃないかなぁと思う。
うちにある板(VCDのとこです)だけで、100本じゃくだらない気もする。
いちど、ちゃんとリストアップしようかと思っているんだけど。
そうなると、別のブログが欲しいぐらいかも(爆)。

一番好きな映画って、一つ、選ぶのは大変なんだけど、やっぱり『月黒風高』かなぁ。マイナーすぎて誰にも勧められません。だって、日本で公開されたことないし、出演者もすごくマイナーだし。なのに、とてもいい映画なんだよ。困ったなぁ。

『東邪西毒(楽園の瑕)』も好きなんだけど、なんつーか、『大英雄』とセットでみてほしい映画なんだけど、これはけっこう、相手を選ぶしなぁ。
そのてん、『月黒風高』って、誰がみてもけっこう面白い映画だと思うんですがね。
いかんせん、字幕がないのが……(以下略)。
いや、字幕翻訳集は作ろうかと思っているのよ。みたい人がいれば(爆)。
でも、手元にあるVCD、どうも焼きも悪いみたいで、画質もあんまりよくないし……なぁ(-_-;)。

手当たり次第に集めてきた板のうち、かなりの数を古装(こそう)と呼ばれる作品が占めています。
古装、すなわち時代劇。チャンバラとは限らないけど、あちらの作品にはカンフーが当たり前のようにでてきて、ワイヤーアクションが華やかなので、ワイヤーアクションカンフー時代劇だと思っていただければ間違いありません。
これらの中で最高傑作だと思うのは、『ワンス・アポンナ・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアン・モンキー(鉄馬[馬留])』ですな。
ワンチャイ・シリーズの中でも、こいつはいいぞ、と思っております。いや、もちろん、ワンチャイもいいんですが、ジェット・リーで古装だと、むしろ『笑倣江湖II(スウォーズマン2、東方不敗ってやつ)』のほうが好きなのね。

それからかなりの数を占める警察アクションもの。これはいわずとしれたダニー・リー作品を中心に集めているわけですが。
香港警察ものを書こうと思ったら、これははずせないよね(って、なんのこっちゃい)。
これらのおかげで、私は映画に血が流れても平気になりました。こないだ『シークレット・ウィンドウ』みても大丈夫だったもんね。
萌えは苦手も克服するのです(えっへん)。

黒社會ものはあまり多くないのです。マフィアもヤクザもあまり得意じゃないんで。でも多少はあるね、どうしてもそのネタというやつがひっかかってくるから。警察ものでも潜入捜査となれば黒社會ものになるわけだし。その究極が『インファナル・アフェア(無間道)』だろうと思う。

実はブルース・リーとジャッキー・チェンのカンフーもの、ホイ兄弟のミスター・ブー・シリーズあたりは全くありません。このへんが香港映画の王道だと思うんで、最初っからはずれているなぁ。

ホイ兄弟のMr.BOOシリーズというのは、実は画期的な作品で、(だから、見直そうという気はある)はじめて広東語で作られた(というと、少し語弊があるのかな)香港映画なのだ。
それまでの香港映画は、広東語ではなく北京語(普通語、と香港では言われる)で作られていたのね。
まぁ当時、香港映画を大々的に作っていたショウ・ブラザーズのメインとなる三人の監督、キン・フー、リー・ハンシャン、チェン・ツェの三人が三人とも北京語文化圏から来た人で、たぶん、広東語は知らなかったんじゃないかと思われ。
でもって、香港人向けには、広東語の吹き替えをつけて上映していたのです。だから、北京語圏にも簡単に輸出できるよね。
逆もまた真なり、というわけで、広東語全盛になった香港映画にも北京語の吹き替えがついて、盛大に大陸に輸出されています。
だから、香港でVCD買ってくると、九割は、広東語と北京語、両方はいっている。(左右の音声に別々にはいっているのよ)
それと、香港の映画界では俳優をアフレコまで拘束できないので、(というわけでもないけど、ギャラの関係とかもあって)ある時期までは、声は別の、それこそ声優と呼ばれる人たちがあてているケースが多い。

話はそれちゃったけど、そんなわけで、映画を作る上で、広東語か北京語かっていうのは、意外と気にならなかったようです。それで、台湾の美人女優が次々に輸入されてきて彩りをそえているわけだ。(香港生粋の美人女優って、実はあまりいないのだよ、ある時期までは)
でも、それって、香港という固有の文化の中においては、大陸北京語文化に支配されている感じは否めないわけで。
香港人監督による、香港人俳優による、広東語の映画ってものが希求されていて、それにホイ兄弟の長男マイケル・ホイ(この人は香港大学でている文化人だったりする)が答えたわけだ。

で、このホイ兄弟の下の弟に、グループ・サウンズやってるサミュエル・ホイという若者がいて、これが『笑倣江湖(スウォーズマン)』の1のほうの主役(2でジェット・リーがやっているのと同じ役なのだな)もやってたりするんだけど(余談だが、サミュエル・ホイはあまりヅラは似合わない。ので、古装は少ない)、彼は「歌神」と呼ばれていて(いまなら、ジャッキー・チュン張學友の呼び名だけど、もとは許冠傑(サム・ホイ)のものなのです)たしか引退したと思ったけど、ついこないだ復活だか最後だかのコンサートをやって、絶大な人気を見せつけた……なんてニュースもありましたね。

ブルース・リーとか、ジャッキー・チェンとか、そのあたりのカンフー映画の盛り上がりと、ショウ・ブラザーズに対するゴールデン・ハーヴェストの台頭、あるいは武道派と京劇派の話とか、いろいろ面白いネタは多々あるんだけど、それはまた別に。
(つーか、やっぱり、香港映画だけで、別にしたほうがいいかな?)

『シークレット・ウィンドウ』

2004-11-17 22:55:59 | 映画
面白い映画だったけど、ネタばれせずに説明するのは、むずかしいなぁ。できれば、まだ見てなくて、これからみたい人は、読まないほうがいいと思うのです。

私自身、ほとんど先入観なく見に行ったせいで、(それと、このタイプの映画をほとんど見ていなかったせいもあるけど)思わぬ展開に、おお~っと思ったけど、ある程度予備知識があると、そのどんでん返しの面白さが半減してしまうかもしれない、と思うのです。

それにしても、いい、いい、と言われてはいたけれど、ジョニー・デップ、本当にいいですねぇ。
私はこの役者に、あまりミーハー心は感じていないのですが、途中で郵便局員が、デップを見送りながら「可愛い~(はぁと)」といったのには、思わず頷いてしまいました。
とにかく、「可愛い」と思わせる何かがあります。
で、この何かというのは、たぶん、「母性本能」というやつをくすぐるんでしょう(^_^;)。

そして、デップ演じる作家を「盗作しただろ」と追い詰める、ジョン・タトゥーロという役者、ミシシッピ訛りなのか何訛りなのかわからないけれど、とにかくすごい訛りで(あれはけっこう、大変だったのでは?)なんでこの人が小説書くのかわかんない、という感じにわかんないキャラを演じていましたが、そこがポイントのひとつなんですな。

自分的には、この手のサイコ・ミステリーはかなり苦手なんですが、全体に抑えられた演出で、わりと安心してみていられました(というか、もともと血が流れるのも苦手なのですが、このぐらいなら、なんとか)。

それにしても、みなさん、途中でオチがわかるとかおっしゃっているんですが、わたしゃ、本人が三人にわかれて押し問答はじめても、まだ分かってなかったクチです。え? そりゃただニブイだけだって? ごもっとも……(^_^;)。

で、ようやくあっそーか、とわかったのは、奥さんがやってくる直前でしたよ。
コトが終わってあとの、さわやかなデップが、見事でした……うはー。