花立毛鈎工房

テンカラを中心とした『お外遊び』のブログです。

スイス製のフィニッシャー

2009年04月05日 | implements
 加藤毛ばりさんのお勧めで、新しいフィニッシャーを購入。スイス製。マジックツールを出しているメーカーのもので、バネがあるため、小さい三角形でフィニッシュできるという優れもの。以前に勧められた、大きなフィニッシャーがあまりに都合がよかったため、今回もつい買ってしまった。まだ慣れていないため、その良さを十分に感じられていないが、とりあえず紹介!

シムスの靴

2009年03月30日 | implements
 シムスから新しいウェーディングシューズが出た。11,500円、シムスのエントリーモデルとして位置づけられている。悩んだ末、買ってしまった。
 印象は・・・・。見た目は、主観の問題かと思うが、かっこいい。値段もお買い得。ただ、使ってみてわかったが、やや重い。これまでリトルプレゼンツの安い靴を使っていたが、これはかなり軽かった。それとの比較になるので難しいが、しっかりと作られていて丈夫な分、重い。また、そこのフエルトが固め。まぁこんなものかなぁ、と思ったがいかがでしょう。

師匠の毛鈎、売ってます!

2009年03月26日 | fly
 最近、仲間内のみんなのブログで紹介されている、師匠の毛鈎。これはすごいです。以前に御一緒させていただいたときにいただいた1本、確かに釣れました。師匠の毛鈎に似せて作るのですが、魚の反応がまったく違う。たぶん、うちの師匠はアマゴの目(視線・視点)で見ているので、我々凡人が気づかない、何か大きな違いがあるのでしょう。
 日に何個も作れない代物ですから、これをライン付きで、しかも格安で販売しているので、興味ある方はこのブログの「ブックマーク」にある「テンカラの鬼のブログ」(略して「鬼ブロ」)をのぞいてみてください!
 うちの師匠、毛針を巻くのがおっくうになったようで、あまり数は巻けないと思うので、早い者勝ちになるかも・・・・。

 アジャリ君、ブログにあった画像、勝手に使わせてもらいました。ごめんなさい。

ようやく解禁

2009年03月23日 | Weblog
 3月20日、ようやく「禁」を解くことができました。仕事が依然立て込んでいるものの、半日の時間ができ、愛知県の名倉川へ。成魚放流の川、初夏からは鮎の川なのでどうなのかとも思ったけれど、自宅から1時間強の近距離であり、夜中に降った豪雨の影響で遠征しても濁っていて釣りにならないのでは・・・・と思い、近場での解禁となりました。
 前半は支流へ。本流と比べ濁りがないため、先行者あり、自分の後ろにも釣り人あり、という満員御礼状態。暖かい日差しのため、魚は出るものの、18㎝止まり。
 後半戦は本流へ。成魚放流の川らしく、しっかり定規で測ったようにすべて21㎝。それでもヒレはきれいだったので、まずまずの上機嫌。日が沈む少し前に、瀬の中で雉子毛鉤を止めていて、ふと同行の友人を見た瞬間、手元に違和感が。あわせると、根掛かりのような感触。あれっ、水面を引きずっていたはずなのに、よそ見した間に沈めていたのかと思い、回収するため2度強く引くと、突然下流に走り出す。瀬なので流れはあるものの、ダイワのTLで寄せられなかったことはないので、慌ててしまいました。必死で一緒に下っていったけれど、3分ほどでラインブレーク。一瞬、黒い大きな背中が見えただけで残念な結末になってしまいました。
 アマゴならあんな反応はしないはずです。入ったポイントの上流に特別釣り場が開設されており、虹鱒も入れているということを聞き、雨で流れた虹鱒だったのではないかと思いました。逃げた魚は大きいと言いますが、結構大きかったのかも知れません。それにしても、ドキドキを味わわせてもらいました。
 さぁ、遅ればせながら、今年もいよいよ開幕。今年はどんなドキドキを味わえるか、楽しみです。

テンカラの鬼のブログ

2009年03月21日 | Weblog
 いよいよ、待ちに待った榊原師匠のブログができあがった。もうすでに4つの記事がアップされており、この時点での紹介は遅きに失した感が否めないが、お許しいただきたい。
 「テンカラの鬼」の名で知られる師匠だが、他の名人と呼ばれる方たち以上の腕前・理論を兼ね備えてみえるが、メディアでの露出が少なかったように感じる。ご存じの方はNHKをはじめとする番組出演・「最強レベルライン」のビデオなどもご承知かと思うが、請われて表舞台に出られることはあっても、自ら前に出られる方ではない。その人柄も魅力なのだが・・・・。ある意味、テンカラの世界でその名を知る人は多いが、神秘のベールに包まれており、近寄りがたかったのかも知れない。
 そんな師匠が、周囲の声に応え重い腰を上げていただき、ようやくブログ開設の運びとなった。今回も、請われてのブログ開設。弟子だからいう訳ではないが、おそらく「勝負」をさせれば、相手のホームグラウンドであれ、どんな悪条件であれ、どの名人と戦ってもうちの師匠が最高の釣果をあげるだろう。ただ、榊原師匠は釣りで競い合うことに意味を感じない。師匠にとっての釣りは、名誉のためのものではなく、自然との対話であったり、自分への挑戦であったりするのではないかと想像する。そんな師匠だから、求められるまでブログ開設に二の足を踏んでみえたのかも知れない。あくまでも弟子の勝手な想像だが・・・・。
 何はともあれ、「テンカラの鬼」榊原正巳師匠の考えに直接触れることができる喜びは大きい。師匠のブログ「テンカラの鬼のブログ」のアドレスは以下に!

http://ameblo.jp/tenkarano-oni/

テンカラ・スタンダード

2009年03月18日 | Weblog
 S画伯のブログ「鬼の釣り」が久々に更新されたが、更新のない間に熟考したようで、深い内容だった。テンカラが広まらない理由、テンカラの未来について語っていた。まだご覧になっていない方は、ぜひご高覧いただきたい。
 テンカラにスタンダードを、という考え方はテンカラ・サミットからの帰路、車中で画伯が語っていたものである。そのスタンダードの本流に榊原正己師匠がいると、我々二人は考えている。
 うちの師匠のテンカラ・スクールの紹介が画伯のブログに載っている。興味ある方はぜひ師匠のところに御連絡を!

「動」の釣り <天野勝利さんに思う>

2009年03月06日 | Weblog
 今週末、いよいよホームの川に出かけ、「解禁」だと喜んでいたら、仕事が舞い込んできた。S画伯も職場の用事ができ、同じく「解禁」できず。なかなか「禁」を解けないで、もんもんとした日々を送っている。
 釣りに出かけなければネタもない・・・・というわけではなく、今日の記事もサミットネタだが、どうしても書き留めておきたかった話を載せてみた。
 ビデオでしか拝見したことがなかった天野勝利名人に、サミットの座談会でお話をいただき、その後のパーティーで直接お話をうかがえた。ビデオで見ただけでは整理できなかった天野さんの釣りの、その一端を自分なりの浅い経験・知識で解釈してみた。
 天野さんの目指すのは「動の釣り」ということになるのではないかと思う。誘いが大切だとの思いから使う毛鈎は必ず逆さ毛鈎。また、魚のリズムではなく、魚に自分のリズムに合わさせることをめざしてみえる。これには郡上の職業漁師の流れを感じた。自分のリズムで毛鈎を振込み、自分のリズムで誘い、魚をかけるということか。うちの師匠とはまた違った発想のようにも感じる(師匠の釣りが分かっているわけではないので間違っているかも知れない)。
 郡上の本流では遠いポイントに毛鈎を正確に振り込まなければならない状況が多いのか、遠くのポイントに届かせたい、強風と戦ってでも毛鈎を正確にキャストしたいという思いをもち、そのためには太く、重いラインを選ぶ。レベルラインよりも、より糸を好む理由はそれかと感じた。
 天野さんの釣りでは、長いラインを正確に操れるキャスティングも必要になる。誤差なく、一発でポイントに落とせる技術を大切にしてみえるようだ。
 天野さんのお話の中で最も印象に残った言葉は「川には水神様がいる」というものである。天野さんは釣りの前には必ず河原のごみを拾うそうだ。その結果、気持ちの良い釣りを「させてもらえる」ことにつながっていると話された。他の釣り人が語ったのとは違う重みが、名人の言葉に感じられた。やはりその道の先達は違うと感じた言葉である。

天然魚を守るために

2009年03月02日 | Weblog
 サミットが終わり、参加できなかった人のためにも、またテンカラ第3世代としての責任を果たすためにも、なんていう変な責任意識からブログを更新しまくったため、かなり多くの方が読んでいただいたようだ。先週の訪問者数465、閲覧数は1103、4桁は初めてだと思う。訳の分からない文章につきあわせてしまって申し訳ない。しかし、もう少しだけおつきあいを!
 講演会終了後、どうしても気になることがあったので、直接中村先生に質問してみたが、先生はていねいに答えてくださった。
 それは講演の中で先生が説明された、ダムや堰堤の建設で分断され、移動が不可能になった支流では同じ遺伝子の魚ばかりの交配が進み、奇形が出やすくなるということに対する質問だった。
 ゾーニング管理で天然魚保全ゾーンを設定しても、堰堤などで他と隔離された状況では結局奇形が多く出て、結果的に在来個体群が死滅してしまうのではないかと心配したのである。先生にお聞きすると、100年ほど分断された状態で、同じ遺伝子同士の自然交配しかできない場合、奇形が出る可能性はかなり高いそうだ。100年というとずいぶん時間があるようだが、日本の多くの河川では高度経済成長期にダムや堰堤が建設されており、奇形が出てしまうまでにあまり時間が残されていないことになる。訴求名対策が必要になる。
 これに対する先生なりのこと絵を紹介したい。同じ支流で、上流で枝分かれしている複数の沢ではそれぞれ遺伝的形質が若干違うことが分かっているそうだ。しかし、同じ系列であるため、堰堤建設までは下流で一つになっていたA沢とB沢の魚を人の手で定期的に移植し、遺伝的欠落を補完し合うことが可能ではないかとという説である。現在、中村先生を始めとする研究者が遺伝子の解析、実験に着手してみえるそうだ。その成果を待ちたい。
 しかし、考えてみれば、不要なダム、堰堤を壊してしまう方が手っ取り早い気がする。国土交通省は決して許可しないとは思うが・・・・。
 そういえば、フライフィッシャーの今月号に石徹白が紹介されており、魚道の砂を釣り人がボランティア作業で撤去した結果、大型のアマゴがC&Rエリアに遡上してきた、なんていう話が掲載されていた。「国土交通省が悪い」なんて他人のせいにするばかりでなく、自分も何か行動を起こさないと、偉そうなことは言えない気がした。
 画像は、わずかな休憩時間をさいて、ていねいに質問に答えてくださった中村先生。研究者らしい、誠実な方でした。詳しくは、先生の著書『イワナをもっと増やしたい』(フライの雑誌社)をご覧いただきたい。

渓流魚のゾーニング管理②

2009年02月28日 | Weblog
 ゾーニング管理の成功例として、いくつかの事例が報告されました。
①群馬県上野村漁協
 ここでは、河川をさまざまなゾーンに分け、釣り人に開放しているそうです。例えばキャッチ&リリース区間については、3種類に分けられているそうです。餌釣りも含むC&R区間、ルアー・フライ区間、テンカラ・フライ区間の3つです。釣りの種類ごとにゾーンが分けられ、それぞれに入漁料が異なっているそうです。ちなみにテンカラを含むゾーンが一番高額だったと記憶しています。釣り人の中には「高くても良いから思い通りの釣りがしたい」という声もあり、人気を博しているそうです。またこの漁協では入場区間予約制も実施しており、この場合、気持ちよく釣りをしていたら後から来た釣り人に「頭をはねられる」というようなことは起こらないわけです。
 なお、この入場区間予約制は漁業法に触れるため、法的な強制力はなく、あくまでも漁協側からのお願いという形で実施されているとの補足説明がありました。勉強不足で漁業法のどこに抵触するのかわかりませんが、多くの川で実施されるといいのにと思う反面、その予約にかかわるトラブル、例えばそのポイントは5年待ちです、というような馬鹿げたことにならないようにと感じました。
②長野県志賀高原漁協
 この漁協の取り組みは変わっています。放流をしないことで人気を高めているのです。無放流では魚がいなくなってしまうと考えがちですが、いくつもの支流を「種川」として禁漁区にし、魚の繁殖を助けています。無放流ですからすべてが天然魚であり、しかも魚影は濃いのだそうです。魚はウジャウジャ見えているのに、賢いのでなかなか釣れないという、釣り人の心をくすぐる川のようです。また、無放流ですので入漁料も安く、日釣りで300円という低料金なのだそうです。
 また、この川では訪れる釣り人自身がマナーを尊重し、禁漁区に立ち入る心ない釣り人がいれば他の釣り人が厳しく注意するムードまでできあがっているそうです。
③栃木県西大芦漁協
 この漁協では中村先生もかかわり、人工産卵床の造成に力を入れています。自然のままでは産卵床を作れる場所はかなり限られてしまうようで、前日にペアが産卵した場所を、翌日別のペアが掘り返してしまい、その上に産卵するようなケースも出てきているそうです。流された卵はふ化することができず、せっかくの資源をつぶしてしまうことになります。人工産卵床の造成により、人の手を加えてでも天然魚を守っていく必要を感じました。
④宮崎県北川漁協
 ここでは森林保護に力を入れているそうです。「森を守らなければ川は守れない」という発想に立ち、毎年苦しい予算の中から100万円を計上し、川に面した森を借り上げ、木を切らせない、林道を作らせないなどの活動を行っているそうです。この結果、間接的に魚が守られているわけです。
⑤岐阜県石徹白川!!!
 石垣先生、うちの榊原師匠をはじめ、おおくの釣り関係者(フライの佐藤さん、杉坂さんもおみえでした)がかかわり、石徹白川にキャッチ&リリース区間が設けられましたが、石徹白も成功例の一つとして紹介されました。石徹白ではフィッシャーマンズ・ホリデーという形でイベントが開催されますが、これが釣り人と地元住民との交流の機会になっている点が他にない特徴だそうです。この数年仕事の都合で出かけることができませんでしたが、今年は久しぶりに参加しようと思いました。今まではイベントを楽しむことだけ考えていましたが、今年は地元との交流を意識したいと思います。
 写真は石徹白C&R区間のイワナです。先行者が通過して30分後、日中の魚の動きが乏しい時間に釣れました。先行者はフライマンだったので「竿抜け」になっていたようです。魚影が濃い川でした。

渓流魚のゾーニング管理①

2009年02月28日 | Weblog
 今回のサミットでは、講演会も開かれました。水産総合研究所の中村智幸先生による「渓流釣り場のゾーニング管理」という演題の講演でした。中村先生は人工産卵床開発のオーソリティーで、ご自身もテンカラ釣りをされる方とのことでした。講演の主旨は、漁協側はどのような釣り場を望んでいるのか、法律上、釣り師の要求はどこまで実現するのか、というあたりに置かれていました。
 渓流魚(とくに岩魚)の実態として、生息数の減少だけでなく、ニッコウイワナとヤマトイワナの交配などにもより、純粋な「天然魚」(在来個体群)は絶滅の危機に瀕しているそうです。そのことにはダムや堰堤の建設も大きくかかわっています。(このことについては、また後日書きたいと思います。)
 今回の演題にもあるゾーニング管理とは、天然魚保全ゾーン、通常利用ゾーンなどに分け、その利用方法を分けて考えるべきだとのお考えでした。貴重な天然魚の生息するゾーンについては禁漁にして種を完全に守ったり、通常よりも厳しい漁獲制限などを設け、釣り師の要求にも応えつつ、天然魚を守っていったりする方法が考えられます。釣り人に開放するにしても、禁漁期間の延長、制限体長の引き上げ、尾数制限の徹底、キャッチ&リリース区間の設置などの条件を設ければ、釣り師が楽しみながら、魚を守っていくことは可能のようです。