花立毛鈎工房

テンカラを中心とした『お外遊び』のブログです。

「関東炊き」を食べて考えた

2008年09月30日 | Weblog
 「関東炊き」、懐かしい響きだ。関西出身の祖母がよくこの言葉を使っていた。納会で久しぶりにこの言葉を聞いた。
 大阪からYさんが納会にお見えになった。大阪の料理人の方で、お会いするのは2度目だが仲間として迎えてくださった。「俳優です」と言われても納得してしまう容姿に加え、当然かもしれないが、料理の腕前がすごい。今回、関東炊きや松茸ご飯を振る舞っていただいたが、「ほっぺたが落ちるくらい」(最近とみに聞かなくなった表現で申し訳ない)美味いのだ。「こんなもん、普通に材料入れて、普通に炊いただけですがな」的に関西弁で謙遜されたが、プロの腕前はやはりすごい。どうしてこの味が出せるの、と驚いてしまう。
 Yさん曰く、練り物が多く入ったものが関東炊き、たこなど素材をそのまま煮込んだものが多く入るのがおでんと呼ばれ、関西では二通りの呼び分けがされているのだとか・・・・。
 テンカラをしていてうれしいのは同業者以外の仲間とふれあえること。相手にとっては当たり前のことかもしれないが、酒を酌み交わしながら話をしているだけで勉強になったり、刺激を受けたりする。人生の財産が増えていく気がする。

「●」立毛鉤工房

2008年09月29日 | Weblog
 納会で久しぶりにムッシュ大先輩とお会いした。ムッシュさんとの思い出では、昨年私が大井川水系で惨敗した日のことが記憶に深く残っている。厳しい冷え込みで魚が全く動かず、手も足も出なかったのだが、そんな日でもムッシュさんは夕まずめに爆釣。それだけでもかっこいいが、その釣りの腕を称賛すると、「腕じゃないよ。あの場所に入ればだれでも釣れたよ。」と謙遜する。かっこいい、かっこよすぎる。ちなみに、私はあのパンチパーマ具合、黙っているときの目つきの鋭さ、漂うクールな雰囲気から、勝手に「テンカラ界の根津甚八」と、密かに呼んでいる。怖いからあくまでも密かにね。見た目が怖いんですよ。そういえば根津さんって、たしかフライマンだったなぁ。
 私がムッシュさんと初めて出会ったのは7年ほど前の、榊原師匠の重要なパーティーに参加したとき。パーティーが終わり、河原で飲み会が始まったのだが、そのときパンチパーマがグリングリンの、あきらかに「その筋」の人にしか見えないムッシュさんと目が合ってしまった。すると、怖い顔のまま、私を手招き。「こっちで飲もうか」。怖かった。心臓が凍るほど怖かった。でも行かないわけにはいかず、覚悟を決めてムッシュさんのもとに・・・・。その横にはアフロのカズ兄がいて、師匠の一門は「組関係」の人ばかりかと震え上がった。
 話してみると、ムッシュさんは物腰も柔らかく、笑ったときの優しい目にはかわいらしさすら感じてびっくりした。飲み会の終わりがけ、ムッシュさんが「せっかくテンカラやってるんだから、今度一緒に釣ろうか」とうれしい声をかけられ、そのまま師匠の一門にもぐり込んで今日を迎えた。ムッシュさんに「河原で拾われた弟子」である。ムッシュさんは、私以外にも、何人も河原で弟子を拾って来ているようだ。心優しい人である。後に人づてに聞いて知ったのだが、知人も少ない私が飲み会で寂しい思いをしていないかと心配して声をかけてくれたらしい。本当に心優しい人である。(見た目は、本当に怖そうなのだが・・・・)。
 そんなムッシュさんの意外な一面。それは冗談好きだということ。だじゃれ好きな師匠の、その一番弟子に相応しい。今回も私に出会うため、特別なジョークを用意して来てくれた。
 「山ちゃん(一門の中で、私はそう呼ばれている)、ブログ、いつも見てるよ。『朝立ち』毛鉤工房だったっけ?」
 ムッシュさんは喧嘩もめちゃくちゃ強そうだが、しもネタにも強いらしい。

季節の終わり

2008年09月28日 | Weblog
 今シーズンの最後を飾る、榊原一門の納会。仕事を早々に片付けホームグランドに直行するも、上流の工事のため濁りが入り、テンカラでは釣りにならない。仕方がないので、夕方4時の到着すると早速缶ビールをプシュッと。そこから飲む、飲む、飲む・・・・。
 次々釣りを諦めた人たちが山小屋に集まってくる。しかし、カバ兄が帰ってこない。基本的に釣りに関する煩悩には負けない(その他の煩悩には負けてしまうかもしれないが・・・・)、釣果に執着のない達観した人なのに、どうしたのだろうか。川沿いに車があったという情報は入ってくるのだが、川で姿を見かけていないというのだ。まさかあの水量では川に流されたというような心配はない。落石のある場所でもない。何かあったのだろうか。そんなはずはないが・・・・。
 日もとっぷりと暮れた頃、カバ兄が小屋にやってきた。満足そうな表情から、びっくりするような釣果だったのかと聞くと、「大漁!」とのこと。何が取れた(釣れた)かと尋ねると、うれしそうに熟したアケビを見せてくれた。禁漁という季節を感じさせ、秋の香りのするお土産だった。
 カバ兄は釣りもそこそこに、あけび取りに奔走していたようだ。やはり達人は凡人とはひと味もふた味も違う。川が濁っているからといって酒を飲むことしか頭に浮かばなかった自分と比べ、「やられた」っていう感じだった。

ジュラシックパーク

2008年09月26日 | Weblog
 イワナは「渓流の宝石」などと呼ばれることがある。テンカラを始めるまでイワナと聞くと、何となくまばゆいような高貴なイメージを受けた。実際、フライ雑誌などを見るとまさに「宝石」の扱いであり、多くのフライマンの憧れの存在のように感じる。
 ところが、私の周囲のテンカラ仲間では扱いが随分ぞんざいである。遠州のカズ兄はイワナなどかけようものなら「けっ、イワナけぇ。変なもの釣っちまった。」などと叫ぶ。フライマンが近くにいようものなら石を投げられるだろう。兄貴と出かけていた頃は、アマゴを釣ったら1点ずつ加算され、イワナを釣った瞬間に0点に戻されるという恐ろしい、坊主めくりのようなゲームすらあった。イワナ様を軽んずるにもほどがあろう。また、多くのテンカラの先輩諸氏は「イワナって顔が馬鹿っぽいよね」と毛嫌いする。「簡単に釣れるからおもしろくない」などと、崖から突き落としたくなるような言葉を発した先輩もいた。
 何となく、イワナって馬鹿っぽい顔かなぁ、という刷り込みがあり、私も下手くそながら、イワナを軽く見ていたけれど、水中写真で撮ってみると意外な発見があった。
 「なんか、恐竜っぽくてかっこいい!」そんな気がしませんか。アマゴのような繊細さはないものの、無骨な力強さを感じませんか。
 自画自賛ならぬ、自「画像」自賛ですみません。

尺を釣るには・・・・

2008年09月25日 | Weblog
 画像はS画伯の尺。画伯はテンカラで何度も尺をかけている。テンカラ歴はほぼ同じなのだが・・・・。
 S画伯に二人の違いは何か、と尋ねた。私が考えるに、キャスティングがあると思う。S画伯のピンポイントのキャスティングにはほれぼれとさせられる。でも画伯は違うという。アプローチか。でも画伯の夕まずめのアプローチは気がせいているのか、ずいぶん荒っぽい。ならば正解はなにか。
 画伯曰く、尺がいるポイントを知っているかどうかだ、とのこと。人の出、天候などの条件が合ったときに、尺のいるポイントにキャストしているかどうか、だと言う。確かに画伯は大物が潜むポイントを良くつかんでいる。人との出会いを通して情報をつかむことも大切なのだということである。

尺を釣る方法・・・・なんてあるの?

2008年09月24日 | Weblog
 アプローチが悪いのだと思う。実際、わずかな足音だったが大物が逃げるのを目にしたことがある。人生の中で最大は大井川水系での29㎝のアマゴ&山梨でかけた29㎝のイワナ。取り込み、サイズを測ったとたん、カズ兄が「たたけ、じゃなきゃ引っ張れ。そしたら尺になるかも・・・・」とつぶやいたことがまるで昨日のことのように鮮明に、また悔しさを伴って記憶に残っている。たった1㎝だが、その1㎝は途方もなく大きい。1㎝違うだけで顔つきや体高が全く違うように感じる。だからこそ「尺」には価値があるのだと思う。
 かつて、同じ年のテンカラ仲間「コーチャン」が(あっ、この人はアルフィーの坂崎幸之助に似てるんだけど、実際に名前がコーチャンなんです。)尺をかけた時、こうのたまわった。
 「魚のいるところへ毛鉤をふって、自然に流しただけ。簡単に釣れた。」
この話を聞いたときは軽い殺意を覚えた。言ってみたいな、この台詞。残念ながら、この台詞を使うのは来年2月以降(その後、どれくらい先かは見当がつかないけれど)に持ち越しです。
 そういえば美濃フィッシングエリアがかつてお客様サービスの一環で馬鹿でかいアマゴを入れていたシーズンがあり、そのとき40㎝近いアマゴをかけたっけ。あれはカウントされないよなぁ。しまった、あのとき「簡単に釣れた」とか言っておけばよかったかなぁ・・・・。

石徹白

2008年09月23日 | Weblog
 石徹白から帰ってきました。9/21に天竜川水系に行き、9/22、3時間睡眠でそのまま石徹白へ。疲れました。合計700㎞を越える走行距離、へろへろです。でも、心地よい疲労感。釣れました。
 土日と秋分の日の間で、巷は休みではないと思っていましたが、連休の方も多かったようで、車は何台もありました。
 早朝は峠川C&R区間へ。釣り開始時には貸し切りだったのに、次々に人が入り、イワナ2匹で終了。朝昼兼用の食事をとり、本流へ。「先行者多数あり」でも、白山中井神社から堰堤まででイワナ2匹、アマゴ2匹。3時になり、コーヒータイムでシャルロットタウンの駐車場に戻り、さんざん人が入って反応ないC&R区間で駄目もとで竿を出すと竿抜けがあったようで、25㎝のイワナがかかる。日陰では魚が動き始めていたので、これは夕まずめに期待がかかると思い、C&R区間の下の方入ると、暗くなり始めたあたりからライズの連発。10分ほどの間に3匹かけることができました。久々のライズ祭り。前後のフライマンは苦戦していたように見えたけれど、どうだったのでしょうか。#12の白っぽい毛鉤は良かったようです。
 今年はこれで納竿かなぁ。

南信濃村の蕎麦屋

2008年09月23日 | Weblog
 S画伯から興奮気味の声で電話が入る。なんと、尺を1日に2本もかけたと言うではないか。詳細は、画伯が尺2本をかけた記念にようやく重い腰をあげ、満を持して作成したブログ「鬼の釣」(http://gorkytenkarafisher.blogspot.com/)をご覧下さい。
 その一方を聞くと居ても立ってもいられず、9/21、睡眠時間2時間半で天竜川水系の川にかけつけました。もともと9/22に石徹白に行く予定でいたので、午前中だけのテンカラ。前日画伯が釣ったコースを辿る。幸いなことに先行者なし。大物の期待がふくらむ。しかし、・・・・。釣れるのは20㎝まで。わずかな時間に5本かけたので喜ぶべき所だが、頭の中で尺をかけている自分を妄想していたのが災いし、十分に喜ぶことができなかった。なんて馬鹿な私。
 帰りに、ずっと気になっていた蕎麦屋に立ち寄る。在来渓魚を増やす会の草田さんが蕎麦屋を始められたという話は聞いていたが、釣りの帰りに立ち寄ろうと思っても、いつも真っ暗になるまで釣りをしていて、通りかかるころには店が閉まっていることが多かった。この日は昼前にあがったので、チャンスとばかりに出かけてみた。
 お店の名前は「丸西屋」さん。1枚1枚ていねいにお客さんに提供するためずいぶん待たされるが、待った甲斐があった。うまい。店内も昭和レトロなテイストになっており、和める。わざわざそばを食べるために来店していた豊橋や静岡のナンバーの車もあった。「てんから」という冷酒も置いてあり、テンカラ大王のレベルライン帽子、K教授の剥製以上に本物らしく見えるアマゴの彫刻、そして榊原師匠のアマゴの写真も飾ってあり、テンカラフリークには立ち寄る価値ありです。

アルカイダ

2008年09月19日 | Weblog
 S画伯の画像が内輪で小さな話題になっている。yo-zoさんも早速コメントでつっこんでくれた。ひげがこわい。とにかくこわい。
 二人で川を遡行していて、わたしたちの頭をはねた釣り人に追いついたりすると、S画伯はあの髭面でギロッと一瞥する。たいがいの釣り人は今人気のクールポコよろしく「やっちまったなぁ」という顔つきになる。
 たぶん友達でなかったら、私も声をかけづらいだろうなぁと思う。あの風貌で雪駄履きの画伯が深夜コンビニに入ると、店員の中にはビクッとする人もいたりする。(本人は意外と気づいていないのだが・・・・。)
 でもご安心を。アルカイダの指名手配写真に写っていそうなS画伯だが、近くで見るとけっこういい男である。S画伯を見かけた方は、試しに髭がない顔を想像して欲しい。けっこうイケメンである。(本人は意外と気づいていないのだが・・・・。)
 しかも、かなり優しい。曲がったことは嫌いだが、人情味にあふれる好人物である。もうずいぶん長いつきあいになるが、わがままな私にも、本当にやさしく接してくれる。画伯、これからもよろしくね!

最近はこれです

2008年09月19日 | Weblog
 台風が接近。その被害を心配すべきだが、このところ水量の少なかったホームグラウンドの川の水かさが増えれば、魚の活性も上がるのでは・・・とわくわくしてしまっています。残り約1週間。yo-zoさんは今シーズンは納竿のようですが、私はまだ諦めきれない。今年はどこに入っても先行者あり、ってことが多く、「オッ!」と叫ぶような機会には恵まれなかった。あと1回、できればあと2回、チャンスが欲しい!
 今シーズンは、テンカラ大王とアマゴンスキーのDVDを見て以来、色は黒系、サイズは#12と呪文のように唱えながら毛針を巻いてきましたが、ここに来て変化が・・・・。
 まずフックを変えました。イワイさんの鉤は弱い気がします。サイズもドライフライにしてよく浮かせるため、やや小ぶり。そこでガマカツにしています。さすがに丈夫。木に引っかけても、岩にとられても平気。・・・・で、キャスティングがかなりおおざっぱになった気もしますが・・・・。とにかく、同じ#10でもアピール度が違います。
 色もジンジャーとか白っぽく、視認性のよいものにしています。しかも、これでもかっ、というくらい密に巻きます。浜松のお年寄りの方たちは「がんこ、巻く」といいます。それくらい巻きます。そのうえボディーに透明中空のボディーレースを巻くので多少鉤が重くてもよく浮きます。
 瀬の中に入れて、ゆっくり流れる筋をトレースすると、ガバッと出ます。魚の反応があると、(かけれなくても・・・・)ほっとします。
 注意深く見ていると、黒い毛鉤でよく見えていなかったときに比べて、実は見逃していたけど魚が出ていたということもわかります。「だめだ。今日は何の反応もねぇや」というときも、結構釣り人が見逃していることもあったんだなぁ、と反省します。
 さぁ、残り約1週間。土日が2回。#10なんてけちくさいことをいわず、S画伯のように#4、#6で挑戦しようかな。川によっては、そろそろ大物がさしてくる頃です。みなさん、よい釣りを!