宝飾に悶える白石哲也の日常! 株式会社オフィスT・S・T

ええもんはええでええやないかい!
刺激のある時を過ごしてるかい?俺は気張ってるぜぇ~!

思わず感動です。・・・よね?

2005-10-10 00:54:00 | 仕事
イッパイの掛け蕎麦のように・・・感動した話です。人間、俺が!我が!だけでは感動も半減ですよ!

「サーカス」。。。という題名でした。

・・・私がまだ十代のころの事です。
サーカスの入場券を買う為に、父と私は長い列に並んで順番を待っていました。
ようやく私達の前にいるのはあと一家族だけとなりました。
その家族には子供が8人もいて、一番年上の子供でも12歳位にしか見えません。
あまり裕福そうでなく、着ている物も上等とはいえませんが、綺麗に洗濯されています。

子供達は行儀良く手をつないで2列に並んでいました。
期待に胸を弾ませた子供達はピエロの事、象の事、そして今から見る演技の事を嬉しそうに話していました。
どうやらサーカスを見るのは初めてのようです。

子供達の前には、両親がとても誇らしげに立っていました。
夫の手をしっかりと握った妻は「あなたは騎士よ」と言いたげに、見上げています。
夫も温かい微笑みを浮かべて「ああ、もちろんさ」と言わんばかりに、妻を見つめ返していました。
売り場の女性が入場券の枚数を尋ねました。
父親は胸を張って答えます。
「子供8枚と大人2枚を下さい。これで家族にサーカスを見せてやれますよ。」
入場券の合計金額が告げられました。
すると、妻は夫の手を離し、黙ってうつむいてしまいました。
夫の唇も震えています。
その父親にはそれだけのお金がなかったのです。
お金が足りない事を、後ろにいる8人の子供達にどうやって告げようというのでしょう・・・。

ことの成り行きを見ていた私の父は、ズボンのポケットに手を入れました。
そして20ドル札を取り出し、何気なく落としました。
父は腰をかがめてそのお札を拾い上げ、その男の方を軽くたたきました。

「失礼ですが、ポケットからこれが落ちましたよ。」

その男は、私の父が何をしようとしているのかすぐに察しました。
彼は施しを受けるような人ではありませんでした。
でも、その時は恥ずかしさと落胆から、途方にくれていたのでしょう。
その助けを心から感謝して受け取ったのです。
20ドル札を差し出す父の手を両手で固く握り締め、その目をじっと見つめました。
唇は振るえ、頬には涙が伝わり落ちています。

「ありがとう、ありがとうございます。これで助かります。」

父と私は車に戻ると、そのまま家に帰りました。
その晩、私達はサーカスを見る事はできませんでした。
でもそれでよかったのです。。。
大切なことを知り、大切なものを知ることができました。



→ 思わず、その情景を映像化してしまってる自分に気付きます。自分もそうでありたいと・・・!

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