光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

ミヒャエル・ボレマンス:アドバンテージ展

2014年03月17日 | アート 西洋画

2月から3月にかけて行った美術展などを紹介。

2月16日(日)に「クインテット 五つ星の作家たち」展の3回目を見終え、

品川の原美術館で開催されている

「ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ」
2014年1月11日(土)~3月30日(日)
11:00~17:00(水~20:00、月休)
会場:原美術館
東京都品川区北品川4-7-25

へ行ってきました。

作品は、怪奇的な不思議さを出したもので、私としてはパスでした。

この美術館は、現代美術を中心にしており、面白かったのは、奈良美智の

アトリエ部屋をインスタレーション風に展示している部屋。

 

ほかにも面白い部屋がありましたが、撮影禁止のため、美術館近辺を撮影しました。  美術館の門

 

 

展示案内。  現代風の小さな文字、大きな余白。  美術館の公式Webサイトもこんな感じで、読みづらい。

 

 

前日の大雪の残りと、庭にも作品。

 

この美術館は以前は実業家の邸宅で、東京国立博物館本館を設計した渡辺仁が設計し、昭和13年に竣工したもの。

 

 

 

見終えて、この近辺に以前親戚が住んでいたところに行く途中、見た家。  ボレマンスの作品に出てきそうな雰囲気。

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福田美蘭展

2013年09月24日 | アート 西洋画

9月21日(土)東京国立博物館と東京都美術館「福田美蘭展」に行ってきました。

福田美蘭展、期待しないで行ったのですが、これが良かった。

父がグラフィックデザイナーやトリックアートで著名な福田繁男、祖父が童画家の林義雄という芸術の血筋をひいた方。

下のポスターの作品は福田美蘭の少女時代、東京芸大の門で撮った写真と芸大の徽章であるアカンサスの葉をプリントしたもので、作品は後ほど紹介しますが、不思議にインパクトがあります。

 

 

会場は、都美術館のB1,B2、B3階で、そのうち、B3のフロアは写真撮影OKということで、ここで撮った写真を中心に紹介します。

中世の著名な絵画をベースに、美蘭なりのテーマを持ってアプローチをした作品。

 

 

西洋画を題材にした左の作品や、トーハク所蔵の中国画の名画「紅白芙蓉図」 、宗達の風神雷神図にチャレンジしたものなど、洋の東西を問わず、美蘭流に切り込んでいます。

 

 

 風神雷神図のアップ。  アクリル絵具のタッチもダイナミック。  展示作品のわかりやすいキャプションも特徴です。  このキャプションはブレました。 てすみません。

 

 

 

山水画とボーイング787、祖父林義雄の死を弔う涅槃図

 

 

涅槃図をアップで。   そういえば、小さい頃、見た記憶がある動物達だ。

 

 

 

バルコニーに都美術館の設計者 前川國男のパネル。   このパネルで、フロアの展示に奥行きと時間感覚の広がりが出てきたように感じます。

 

 

 

ポスターになった作品「アカンサス」。   写真とプリントと絵画が組み合わさって、不思議な感覚になります。  少女時代の美蘭の表情も効いていますね。

 

 

 

東北大震災をうけての作品が並びます。

 

 

狩野芳崖の「悲母観音」にインスピレーションを受けて描いた作品。  母性をストレートに描いた力強さが素晴らしい。 

 

 

 フロアの天井は高く、B2階の展示作品も上部が見えます。

 

 

広重も。

 

 

 

プリント作品もありました。

 

 

 鏡のなかに写る自分を撮ってみました。  こうして見るのが作者の意図なのかな。

 

 

 土曜日だったのですが、鑑賞にはちょうど良いくらい人出でした。  出口で、ルーブル美術館展の入場待ちの人混みをみて、ゾッとしました。

 

B1、B2階も、驚く作品、楽しい作品にあふれていますが、一つ印象に残った作品をWebから。

「安井曾太郎と孫」と題された作品。   曾太郎と孫の表情がいい。

 

 

ほとんどの作品がアクリル絵具で仕上げられていました。  油絵具の西洋画作品ばかり見てきた私にとっては、少し違和感があったのも事実。

色鮮やかなアクリル絵具なのですが、なんだろう・・・深味が足りないような   素人なので見当違いかもしれませんが。

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国立西洋美術館  19・20世紀の絵画

2013年07月27日 | アート 西洋画

2階から見た1階の展示光景。

絵も見やすく展示されています。

 

 

ミレーの作品なんですね。  農村風景の作品イメージが強いせいで、へーとなります。

  

 

 

ドレは初めて聞く名前でした。  挿絵画家としても有名だったとか。

ラ・シエスタはスペイン語で昼寝の意味とか。  大きな絵で、絵の人物は等身大の感じ。

一見、印象に残るのですが、それぞれの人物の描きかたがバラバラで、未完成の絵のような感じもします。

 

 

 これもルノワール?  まー確かにルノアールのタッチですが、 題材をこなし切れていないもどかしさを感じます。

 

 

 

マネ晩年の作品で、一気に描いたタッチがうかがえます。  色彩がしっとりとしていて、いい絵です。

 

 

 

橋の上の光景、写真でいえばスナップ写真ですが、ボナールの色彩の扱い、線描タッチの繊細さとダイナミックさが合わさって、気持ちの良い絵です。

  

 

 

という具合で、アートを堪能して出口に。    庭に「カレーの市民」の彫刻とムクゲが咲いているのが写っています。

 

このシリーズ冒頭の「カレーの市民」を再掲して、シリーズを終わりにします。

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国立西洋美術館 中世の絵画、ピカソの動物挿絵

2013年07月26日 | アート 西洋画

15世紀の絵画で素晴らしいと思ったウェイデン(派)の肖像画。

表情のリアルさ、毛皮の緻密な描写。  肖像画の美学を感じます。

 

 

 

 宮廷の貴婦人を神話の世界に漂わせて描く肖像画。  グリーン系の色の美しさが際立っていました。

 

 

 

ピカソの描いた動物たちの版画。  経緯や時代背景は、解説に詳しいので省略します。

絵の素晴らしさを堪能しました。

 

 

 

なんと躍動感のあるタッチなんだろう。 

 

 

 

猫の表情がうまい!鋭い!

 

 

仔馬かな?と思ったら鹿でした。  今度はメルヘンタッチです。

 

 

おんどり。   オンドリャーと河内訛りで威嚇しているかのよう。

 

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西洋美術館 17世紀の絵画

2013年07月25日 | アート 西洋画

2階の窓から撮った美術館の中庭。

ル・コルビュジエル設計の美術館ということで、世界遺産に登録する運動がありますが、ちょっと無理があるように思います。

 

1階の展示室の作品です。

花婿の家に向かう花嫁の姿と祝う村人たち。  16世紀末頃から、黒や暗い色のウェディングドレスが流行したようで、この絵の中に純白のドレスの女性はいない。 
( 純白のウェディングドレスが流行りだすのは18世紀中頃から)

 

 新約聖書の中の聖家族(ヨセフとマリアとキリスト)のエジプトへの逃避行にちなんだタイトルが付けられていますが、風景絵画ですね。

 

 

農村での氷上の遊びが描かれている絵・・・・ですが、右の大木横の鳥罠と、画面左下の氷の穴は、命はあてにならないことを示す寓意が込められている。

 

 

リアリティを追求して、質感など丁寧に描いていますが、逆にきれいすぎてリアルさを感じられないところがあります。

 

 風景画で遠くに羊の放牧が見えます。  中央部の崖と、小さな滝、大きな木がバランスの良さと奥行きを感じさせます。

 

 

今でいえば送迎バスの出発を待つ宿泊者でしょうか。  当時の風俗がよくわかります。

 

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西洋美術館 14-16世紀の絵画

2013年07月21日 | アート 西洋画

常設展の紹介です。  2階の展示光景です。

 

中世イタリアの祭壇画の鮮やかな色彩に驚きました。

 

マリオット・ディ・ナルド(活動記録1394年 - 1424年)

「聖ステパノ伝」を表した祭壇画 プレデッラ3点    1408年制作  テンペラ、板

一番上の絵が、横に並んだ絵の左端になります。

 

 

次の「聖ミカエルと龍」の作者は確定していないようです。   強烈な色彩が印象に残ります。

 

 

 

「聖ヒエロニムス」の顔貌が若く見えて、印象に残る作品です。   この絵の、左に本来残り1/3の絵があったようです。

 

下の祭壇画も透明感があってきれいな色彩です。  保存状態が良いですね。

ヨース・ファン・クレーヴ(1485年頃 - 1540/41年)  三連祭壇画:キリスト磔刑   油彩/板

 

どこが結婚?  と思う絵ですが、宗教的な背景を解説で読むと、それぞれに意味があることがわかります。

た結婚を記念して描かれた。(解説の続き)

 

サロメと洗礼者ヨハネの首は、よくモチーフになります。  この絵を見たとき、絵のうまさに驚き、そのうち首の気味悪さに、眼をそむけたくなりました。

この絵には後日譚があって、かつてのイギリス国王チャールズ1世のコレクションになりますが、清教徒革命でチャールズ1世は斬首されるという因縁があります。

 

 

次も首を持つ絵ですが、趣が変わって、気味悪さはない。  青く暗い空が美しい。

 

 

この絵には、うなります。   フェルメールと似たような経緯で再発見された画家ラ・トゥール。  こうした絵が埋もれていたことが不思議です。

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プーシキン美術館展を観て

2013年07月07日 | アート 西洋画

7月6日(土)プーシキン美術館展に行ってきました。

夜間特別観覧会というブロガー向けの観覧会に応募し、抽選で招待していただいたものです。

夜のみなとみらい、横浜美術館も初めてでした。

ランドマークタワーの手前が横浜美術館です。  PUSHKIN美術館展という垂れ幕が小さく写っています。

 

パンフレットです。

 

 

夜間特別観覧会のため、特別に撮影許可がおりました。  ただし、作品の1点撮りは出来ないとのことで、会場風景的な紹介となります。

さっそく、第1章 17-18世紀―古典主義、ロココを 

 

入口にあるニコラ・ブッサンの「アモリびとを打ち破るヨシュア」

 

左端はロラン 「アポロとマルシュアスのいる風景」

 

左端はシモン・ヴーエの「恋人たち」

 

鑑賞者が見つめるのは、ジャン=パティスト・サンテールの「蝋燭の前の少女」

 

 

 

続いて 

◆ 第2章 19世紀前半―新古典主義、ロマン主義、自然主義

アングルの「聖杯の前の聖母」

 

アングルの影響が感じられるアレクシ=ジョゼフ・ペリニョンの「エリザヴェータ・バリャチンスカヤ公爵夫人の肖像」

 

 

左端はウジェーヌ・フロマンタンの「ナイルの渡し船を待ちながら」

 

中央のジャン=レオン・ジェロームの「カンダウレス王」を見る鑑賞者

 

ミレーの「薪を集める女たち」  小品ながら迫力があります。

 

 

そしてメインの

◆ 第3章 19世紀後半―印象主義、ポスト印象主義

クロード・モネの「陽だまりのライラック」

 

 

ルノアールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」    確かにいい絵です。

  

 

 

 

 

隣は同じくルノアールの「セーヌの水浴」

 

 

 

左はルイジ・ロワールの「夜明けのパリ」、 右はドガの「バレエの稽古」 

 

 

 

 

セザンヌの「パイプをくわえた男」(左)と「水浴」(右)

 

 

ゴッホ「医師レーの肖像」

 

 

ゴーギャン「彼女の名はヴァイルマティといった」(右)   同じくゴーギャンの「エイアハ・オヒバ(働くなかれ)」(左)

 

モーリス・ドニの「緑の浜辺、ペロス=ギレック」

 

 

◆ 第4章 20世紀―フォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリ  は、なぜか撮影禁止。

そのため、特に気に入ったピカソの「扇子を持つ女」をWebサイトから引用します。  ピカソの圧倒的な構成力・強さに感動しますが、この作品では緑色の美しさに溜息。

実物を観ないとわからないと思いますが。

以上、開催に至るまでの経緯や、プーシキン美術館の経緯、コレクターの人々の話など聞けて面白かったのですが、長くなりますのでここまでにします。

次回は、プーシキン美術館展の前にみた横浜美術館のコレクション展を紹介します。 こちらは撮影OKでした。  優れた作品も多く堪能できました。

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国立近代美術館 本館(2013.3.23) 洋画

2013年04月25日 | アート 西洋画

国立近代美術館 本館の洋画を紹介します。

 満谷国四郎が、渡欧したときの作品。  柔らかな色彩に安らぎを感じます。 

 

 

 明治40年に文部省美術展(文展)が開かれ、その頃から洋画、日本画の区分が明確化されたようです。

この、山本森之助の作品に対する、美術館Webサイトの解説では、洋画ではあるが、日本画の伝統的な俯瞰図に接近しているとあります。  

あまり分析的に見なくても、この絵の海の色、山の描き方は好きです。

 

 

 ルノアールを勉強しようとして描いたのでしょうか。  当時の洋画家は、ポスト印象派のゴッホ、ルノアール、セザンヌに熱狂していたという。

 

 

これっといった特色はないのですが、見て違和感のない絵でした。 

 

 

 中村 彜は、セザンヌの影響・・・・というような分析的な見方をやめ、素直にみると、背景の山、民家は鷹揚とした感じでいいのですが、手前の風にあおられる木と枝葉でしょうか、暗く鬱積した怒りがあるように感じます。

 

 

村山槐他のバラと少女は以前にも採りあげました。   22才でなくなった異才の画家。

 

 

今回、顔の部分など細かく見てみました。 しっかりとしたデッサン力です。  少女の容貌は部分部分は、普通に描かれているのですが、少し異様な雰囲気を感じる。   後ろ髪あたりの描き方、全体の色の使い方がそんなイメージを与えるように思います。

 

 岸田劉生のこの絵も、以前採りあげていますが、実在感を感じる作品。

 

 

 リアルな印象を強く受けます。

 

 

 この、一見、モナリザを意識した作品・・・最初はさして興味もひかず、写真は撮らないで通り過ぎたのですが、何かひっかかるところがあり、戻ってきて撮影しました。

調べてみると、モデルの女性は、河野通勢の妻(光子)の妹。  妻と結婚するまでは、妹の好子に惚れていて、光子・好子姉妹の姉夫婦の主人(通勢の友人)に結婚の

希望を打ち明けると、姉の光子をすすめられたとのこと。  当時、妹から先に結婚するのは道徳的に受け入れづらかったようだ。  通勢は後に、光子と結婚するが、

この絵は、姉妹に初めて会ったころの肖像画で、通勢の恋心にあふれた絵であるわけだ。  なお、通勢や姉妹はキリスト正教徒で、絵もそれをうかがわせる。

 

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東京国立近代美術館(2012.11.23) 洋画、戦争画

2012年12月08日 | アート 西洋画

東京国立近代美術館の洋画です。

展示室2は「はじめの一歩」と題されたコーナで、アーティストのスタートとなる作品が展示されています。

日本画で紹介した土田麦僊の「湯女」もここで展示されています。

さて、松本竣介の「建物」    以前、東京国立近代美術館で見た青の系統の「Y市の橋」の印象が強く残っていましたが、この茶系統の絵も雰囲気がいい。

13歳のときに病いのため聴力を失ったのち、画家を志すようになった松本は、1929年には上京し、舟越保武や麻生三郎ら同時代の芸術家たちと交流を重ね、ともに新時代の絵画、芸術、社会を求めて制作に励みました。1935(昭和10)年の秋には、第22回二科展で《建物》が初入選を果たし、画家としての地歩を固めます。  松本竣介のはじめの一歩です。

 

そして「戦争の世紀 」の展示室から 

 

 日華事変での激戦地だった娘子関、ここを行軍する兵馬と休息する兵士を描いた小磯良平。 

軍国主義に加担する気持ちは毛頭ありませんが、絵としての良さは感じます。

 

 この絵は、少年時代の漫画雑誌などで見たような気がします。 子供時代は悲惨さよりも、格好良さなどに目がいっていた。

 

この絵も有名なものです。 写真をもとに描いたとのこと、そして演出。  なるほど

 

梅原龍三郎の「北京秋天」は戦争の世紀2の展示室にありました。

有名ですが、私はいまひとつ迫力を感じません。

 

 「海外作品とMOMAT」の展示室から、ココシュカ・オスカーの絵。

会場でなぜか気になる絵でした。    ピカソやクレーなどの絵もありましたが、既に紹介しているためパス。

 

 版画のマックス・ペヒシュタインも面白い。  12作品ほどあったのですが半分をご覧ください。  

日本の谷中安規と似た雰囲気を感じます。 線描のタッチは異なりますが。

 

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美術展散歩 「ドビュッシー、音楽と美術」

2012年09月04日 | アート 西洋画

 ブリヂストン美術館は初めて訪れました。

 「ドビュッシー、音楽と美術」・・・ドビュッシーと当時の文化人、とりわけ画家達との交流を中心にした、絵や手紙や写真などが展示されています。

ドビュッシー生誕150年記念の一環のようです。


 

 作者不詳「ショーソンとルロールのそばでピアノを弾くクロード・ドビュッシー、セーヌ=エ=マルニにて」(水彩)
当時の文化人のサロンでしょうか。

 

モーリス・ドニ「ミューズたち」
この絵の配色は渋い。

 

ルノワール「ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロール」
展示会のポスターになった絵です。

 

 ガレ「たまり水」
アル・ヌーヴォが台頭してきた時期でした。

 

 アドルフ・メイヤー「ニジンスキーと踊り子」
名曲「牧神の午後への前奏曲」のインスピレーションになった。

 

 

 マネ 《浜辺にて》

代表作の交響詩「海」と絵画の繋がりを強調するためでしょうか、マネの絵が飾られていました。

ドビュッシーは、当時パリで人気のあった日本の浮世絵など東洋の芸術にも関心があり、交響詩「海」のスコアの表紙には北斎の浮世絵の一部が使われています。

 

当時のドビュッシーの芸術的な交流環境のなかから、絵画と音楽の垣根を越えて時代を象徴する芸術作品が生まれてくるのですが、

どんな芸術家もそれは同じで、ことさらに、これが証拠ですというような手紙や関連作品の展示には、私は興味が湧きませんでした。

しかし、次の常設展示は素晴らしく、見入ってしまいました。

ワシリー・カンディンスキー

《二本の線》

1940年, 60.0×70.0cm, ミクストメディア・カードボード
心を癒してくれる絵です。

 

 

ポール・ゴーガン

《乾草》

1889年, 55.4×46.2cm, 油彩・カンヴァス
この独特の色使い、タッチ。 

 

 

ポール・ゴーガン

《馬の頭部のある静物》

1886年, 49.0×38.5cm, 油彩・カンヴァス
東洋芸術が流行っていて、ゴーガンも影響されたのですね。

 

 

アンリ・マティス

《画室の裸婦》

1899年, 66.3×50.5cm, 油彩
この絵も強烈です。

 

 

ポール・セザンヌ

《帽子をかぶった自画像》

1890-94年頃, 61.2×50.1cm, 油彩・カンヴァス
さすが。  色使いのセンス、画面構成の単純さと力強さ。

 

 常設展は楽しめました。

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レーピン展に行って

2012年08月18日 | アート 西洋画

8月18日(土)レーピン展に行ってきました。
正直、名前は知らなかったのですが新聞の美術展紹介が動機です。
リーフレットには彼の妻を描いた絵がのっています。
リーフレットでは分かりづらいのですが、リアルさ、落ち着いた色が醸し出す暖かい雰囲気は素晴らしい。

 

イリヤ・レーピンはロシア・リアリズムの画家で、展示会の解説にもありましたが、レンブラントの影響があります。
Ilya Repin (ウクライナ生まれ ロシア, 1844-1930)

写真撮影は禁止でしたので、リーフレットからスキャニングしたものなどで紹介しますが、素晴らしさが伝わらないのが残念です。

今回、彼の代表作である「ヴォルガの船曳」の習作など、多くの作品がでていました。 また、完成作に至るまでのスケッチなど多くの作品群が展示されていました。
そのなかで、鉛筆によるスケッチにはうならされました。   遠くの山の木々など、丁寧にかつ素早く、描かれており、技量はさすがです。

《浅瀬を渡る船曳き》(《ヴォルガの船曳き》の習作)
1872年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

 

《皇女ソフィア》
原題:ノヴォデヴィチ修道院に幽閉されて1年後の皇女ソフィア・アレクセエヴナ、1698年に銃兵隊が処刑され、彼女の使用人が拷問されたとき
1879年 油彩、キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

この作品の紹介が新聞に載ってあり、興味を惹かれたのですが、残念ながらアートとしての価値は低い。  想像で描かれた週刊誌が喜ぶような絵で、リアルなようでいてリアルさがありません。

 

会場には多くの肖像画があり、秀作が多いのですが、このムソルグスキーは凄いですね。
当時、ムソルグスキーはアルコール依存症で入院中で、レーピンが病院に出向き、描いたもの。
描いたあと、10日ほどでムソルグスキーは亡くなる。

《作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像》1881年  油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

 

 私がレーピン展でみた作品で最も印象深かったのは、彼の家族を描いた作品です。
展覧会のパンフレットにも載った奥さんヴェーラを、 もう一度小さいサイズで。

《休息―妻ヴェーラ・レーピナの肖像》 1882年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵 


実物の絵の、質感表現はため息ものです。

彼の息子、ユーリーを描いたもの。 妻の絵もそうですが、エンジ色の色彩が決まっています。

《少年ユーリー・レーピンの肖像》

 

レーピンは3年ほどパリに留学しますが、当時台頭していた、印象派の影響を受けます。

典型的な作品が次です。

《あぜ道にて―畝を歩くヴェーラ・レーピナと子どもたち》
1879年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵 

03azemichi.jpg

そして今回の展示で、一番ほしいと思った作品

《日向で―娘ナジェージダ・レーピナの肖像》
1900年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

レーピンの円熟期の作品です。  彼の娘を描いたものですが、印象派の技法とかそんな議論はどうでもよくて、絵の訴求力の強さを絶賛します。
この作品の解説に、娘は後年、精神の病を得て、実家で過ごすことが記されていました。  レーピンの絵筆は娘の心の奥底の不安を描き出しているように思います。

 

ルール違反ですが、本展示会には出品されていない絵で彼の娘を描いた、素晴らしい作品があります。

《秋の花束》1892  111 x 65 cm  トレチャコフ美術館

レーピンの絵は、家族を描いたものに素晴らしい芸術性を感じました。

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東京国立近代美術館(2012.6.3)  西洋画 

2012年07月13日 | アート 西洋画

東京国立近代美術館(2012.6.3)の記事で6月15日に「昭和戦前期の美術  都市のなかの芸術家」を紹介しましたが、その続きとなるものです。

銀座のコーヒー店で有名なカフェ・パウリスタ。  ここのブラジル産コーヒーを飲むため、銀座をうろつくのを「銀ブラ」というらしい。

 

小磯良平の個性を感じる絵です。

 

児玉 善三郎は知らなかったのですが、この絵はなんともいえぬエロスを感じます。  もちろん裸婦というのもありますが、色彩にも要素がありそう。

 

キュビズムの典型。 グリスはピカソとブラックのアトリエ近くに住み、その影響を受けた。

 

つづいて

 

気味悪そうで、そうでもない。

 

国吉 康雄のこの作品は以前も紹介しましたが、独特の雰囲気があって好きな絵です。

 

 

 

 

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東京国立近代美術館(2012.6.9)  近代日本の水彩

2012年06月16日 | アート 西洋画

「近代日本の水彩」と題して特集が組まれていていましたので、紹介します。

 

 霧の漂う高原に、手前の鮮やかな花が浮かび上がります。

 

 展示ケースのガラスの反射で、見づらくなってすみません。  暮れなずむ景色を上手に捉えています。

 

 上高地の景色ですが、当時はこうした場所に行くのも大変だったと思います。  細かく描かれた木々と池に対して、粗いタッチの岩肌の描き方が対照的で、遠近感は感じました。

 

 夏の風景が切り取られています。  白砂と海に流れ込む川の表現がいい。

 

 迫力のある作品、ゴッホとゴーギャンを混ぜたようなタッチ感、色彩です。

 

  あえて版画のようなタッチにしたのだろうか?  

 

麗子?と一瞬思ったのですが、麗子ちゃんのお友達を描いたものです。   粗いタッチのようでいて、服の柄など細かく描いています。

 

 古賀 春江の作品は好きで、昨年も取り上げています。
センチメンタルな情調の象徴詩だと本人が語っているように、幻想的で可愛いムードが感じられる。

 

 今までの水彩画のイメージを破った、中西利雄の作品。  題材といい、配色といい素晴らしい。

 

 この作品も中西利雄で、色使いがマチスを思わせるところがあります。

 

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東京国立近代美術館(2012.6.9)  昭和戦前期の美術  都市のなかの芸術家

2012年06月15日 | アート 西洋画

東京国立近代美術館の作品紹介を

西洋画で印象に残った作品群で「昭和戦前期の美術  都市のなかの芸術家」のコーナから


渋い色合いや、裸婦の表情などに当時の時代を感じる。

 

少しシュールかな

 

東郷 青児の個性がでている。

 

この時代のポップアートだ。

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東京国立近代美術館(2012.3.3) 小出楢重、松本竣介、ピカソ、斎藤真一

2012年03月14日 | アート 西洋画

小出楢重の「裸女と白布」
裸婦のボリューム感とそれを惹きたてる白布が印象的です。



 松本竣介は東京生まれだが2歳のときに盛岡に移り、東北育ちの経歴を持つ。 旧制中学入学時に病気により聴力を失う。
近代美術館で以前見た作品も、青のくすんだ色調をベースに、クールだけどあたたかい味わいの作品だった。 この絵も同じ印象。 



 


 説明プレートを見る前に、なんて激しい絵を描く画家だ・・・と思ったら、ピカソの作。   納得ですが強烈さと好みは別で、欲しいとは思わないのですが、超一流の人の作品はやはり、超えたものがあります。



 


瞽女(ごぜ)を描いた作品の多い斎藤真一。 独特ではあるのですが、迫力はいまいちかな。


 

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