祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらわす。 おごれる人も久しからず,唯春の夜の夢のごとし。 ・・・。
どんな繁栄もいずれは没する時がくるが如く,世の中,変わらないで居ることができない無常の姿であると仏教は諭す。 それ故に,どんなに辛いこともそれが続くこともない, 自分を取り巻く状況も必ず変わるものと知り,昨今話題の自殺増加に関して,今暫く思い止まる様にと僧侶がテレビで語りかけていた。 立ち止まって感じてほしい言葉である。
変わらず同じで居ることの難しさは,逆に,弛まぬ努力を続けねばならないと教える。 現状に甘え,成功体験に頼ると平家物語の主人公だ。 平家も悪くない。良い政治をしているが,自ら滅んでは仕方ない。 その後の源氏も滅びた。 やはり,人力の及ばない無常の世界からは誰も抜け出せないのか?
そんなことはなかろう。
企業の寿命は30年と言われる中,100年以上も存続する企業もある。 彼らはその時々の状況に順応して時代を生きた。 変わらぬ繁栄を自らが変わることで手に入れた。
だから無常と恒常は表裏一体,同時に存在することになる。 他力本願に頼り,自力本願で努力すれば無常は無情でなくなる。
祇園精舎の鐘の声,諸行恒常の響きあり。
虹のバク