カウンセリング「エデン」のふんわりエッセイ

心理カウンセラーの目で世の中を鋭くとらえながら、ものごとの真実を探ります。

氾濫する造語

2008年02月23日 | ニュース
雑誌やテレビに取り上げられている言葉で

「モンスターペアレント」

というものがあります。

学校・社会に無理難題を持ちかける親のことをさして言うのだそうです。

たとえば、
「うちの子どもが給食がまずいといっているので、給食費は支払いません。」
「隣の席の子どもとは馬が合わないので、クラスを変えてください。」
「学校に私物(携帯電話等禁止されているもの)を持ち込んで、教師がそれを預かると人のものを勝手に取り上げるとは何事だ。」
「体育の授業で、気をつけ、前へならえ」との号令に軍隊みたいだから止めてほしい。」

などなどです。

実際に、私にはこれまでに2つのこれに相応する事例がありました。
①父親の出張で県外から転入してきた子どもの親が、「クラスになじめないのは、おまえの指導が悪いからだ。」と夜に自宅に電話が入り、文句のありったけを言われたことがあります。学校では、明るくのびのびとして友達とも仲良く活動できていた子なのでびっくりしたのです。言いたいことが山ほどあるらしく、とにかく、相手の言うことを受け入れようと話を聞いていると、子どものことならずも、会社の仕事のこと、夫婦関係のことなど話が拡大していました。これは、保護者の仕事上の不安定さが子どもに影響し、その子は家では、いじめられているとか楽しくないとかと話をしていました。

②給食費が数年間未納だった他クラスの子どもの親へ学年主任として事務職と集金にいったときのこと。「また、今度払うから・・・」といって言い逃れをしている親に「そうはいっても金額が多くなっていますので・・・」と事務職がいうと、「だったら言わせてもらうけど、学校がそれだけのことをしてくれているのか?」と開き直って、帰り際にはお皿が飛んできました。後日、落ち着いてから、学校に呼び出して、話を聞くと、やはり、子どもの口から学校への不満が家庭で噴出していました。

子どもの少子化がすすみ、親も子育ての力を一所に集中しています。そうなると、子どもへの期待感は必然と高まります。それと共に特に母親には感情の共有性が生じてきます。子どもに起こったことを我がことのように感じ、客観的にものを見る目が失われている状態でしょうか。

子どもも、親の前ではいい子でいることを感覚的に学習していますので、そこに学校と家庭のずれが生じてきます。

もう一つあげますと、学校は子を育てる場所であるけど、望ましい集団の中で子を育てる場所であること、共生の場であることを保護者には理解していただきたいと思っています。自分だけが幸せになる場でなく、みんなで幸せになっていく方法を具体的に学ぶ場であることを理解していただきたいのです。

我が子がかわいくない親なんていません。そうなる要因が必ず存在するのだと思います。「モンスターペアレント」などという言葉だけで、マスコミ論調で家庭のみを攻撃してほしくないなと思います。






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