カウンセリング「エデン」のふんわりエッセイ

心理カウンセラーの目で世の中を鋭くとらえながら、ものごとの真実を探ります。

カンボジア発 平和への願い

2016年11月01日 | ボランティア
皆さん、1975年~1979年のカンボジアで、起こった出来事をご存知ですか。日本では、東京オリンピック後の高度成長期に突入したころのことです。私も当時は中学生でした。
 
戦争を知らない世代は、この事実を聞くととてもショッキングです。共産主義という思想のもとに、ポルポト派の政権が国の仕組みをすべて原始的な生産労働社会に変えてしまいました。学校制度、貨幣制度は廃止。そして、政治家・医者・教師など、知識階級の人々を中心に当時の国民100万人~300万人もの人々が虐殺されました。これにより、カンボジアは、近代国家への発展の道を閉ざされてしまうことになります。
 
それから40年あまりが経ちました。しかし、今もなお、その負の遺産が残されています。
 
それは、当時、学校の教師がほとんど粛清されたため、現在の親に当たる世代が十分な教育を受けて育っていないことです。
 
各国からの支援を受けて、学校はたくさん建設されました。しかし、現在の若者世代も、学びの場を十分与えられなかったため、教師のなり手がいない、あるいはいても教師の質が低いことが問題点とされています。
 
今、公益財団法人CIESFでは、2009年から国境なき教師団を日本からカンボジアに派遣するプロジェクトを継続しています。
 
私も、このプロジェクトに参加しておりまして、11月21日~28日まで、カンボジアの現地校に視察に行ってまいります。この間、カウンセリングの対応はできませんが、貴重な体験をまたご報告できるものと信じています。

さて、私は、カンボジア人のある素晴らしい女性を知っています。お名前を、久郷ポンナレットさんと言います。彼女は、70年代のポルポト政権下で奇跡的にも生き抜きました。
 
先日、このポンナレットさんの講演会に参加してきました。彼女は、この政権下の当時に家族8人のうち、父母を含み6人を亡くされています。その深い悲しみを心に秘めながらも、ポンナレットさんは笑顔で参加者に語りかけます。「憎しみからは、何も生まれない」と。悲しみも憎しみも乗り越え、祖国を想いながら平和の尊さを訴え続けるポンナレットさんの講演活動を私も大いに支援しています。

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ポンナレットさんは、著書「虹色の空」「19歳の小学生」でも、ご自身の体験について詳しく書かれています。皆さんにとっても、真の平和について考えるきっかけになることと思います。永六輔さんや尾木ママも推薦しているこの2冊、ぜひ多くの方にも読んでいただきたいです。万人に自信をもってお勧めできます。
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なお、今回の講演会では、ポンナレットさんの娘さんの「祝福の舞い」をご披露いただきました。この舞いは、カンボジアの伝統舞踊でユネスコの世界無形文化遺産にも登録されていて、アンコールワットの壁画にもレリーフとして多く残されています。きらびやかな衣装を身にまといながら、しなやかに指先を動かして敬虔な心を表現しています。素敵な舞をありがとうございました。
 
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