カウンセリング「エデン」のふんわりエッセイ

心理カウンセラーの目で世の中を鋭くとらえながら、ものごとの真実を探ります。

スポーツ指導者養成講座「指導実習」について

2013年01月14日 | 空手

指導実習について

1 基本の重要性、対象に応じた指導内容と指導技術

  入門したての子どもは、たいてい「強くなりたい」という意志を持って道場に入ってくる。多くが黒帯をとることが目的である。そのような子どたちに、基本の必要性を感じさせることは大切である。なぜなら、空手の上達を考えた場合、一番重要でおろそかにしてはいけないのが基本だからである。しかし、子どもが一番つまらないと感じるのも基本である。だから、基本を教えながら、「なぜ、それが大切であるかを言葉で教える。」ことも大切である。基本をやりながら、基本の大切さや空手道に対する構えをも指導するのである。正しい動作や動きを身につけたものは上達も早いものである。

 初級者への指導

(1)    まず礼法から教える。(立礼、座礼)

(2)    立ち方を教える。(結び、サンチン、平行、前屈、後屈、四股、猫足、閉そく等)

(3)    立ち方の移動と変化を行う。(同じ立ち方での移動、立ち方の変化)

(4)    受け、突き、蹴りを順に指導する。

(5)    (一通りできるようになったところで)基本形の運足のみ行う。

(6)    受け突きを入れた動作の順番を区切っておぼえさせる。

(7)    通しで行う。なお、この時には、以下のようなことを加味して行う。

・技の意味を理解させる。

 順序をおぼえたら、どんな技に対してその動作を行っているのか、つまり形の中で使われている技の意味を理解しなければならない。形技能は、基本的に1人で行うものであるが、相手をおいて、実際の技の攻防をさせながら指導すると技の意味の理解がしやすい。

・やり方に変化をつける。

 形を習熟させるためには、繰り返して練習することが求められる。しかし、単に繰り返すだけでは苦しく、鍛練的要素が強くなりすぎる。また、精神的にもやらされている状態になってしまう。

①  部分を取り出して行う。

②  立ちの方位を変え、形の演武をする。

③  普段行っている形を、逆方向から演武する。→左右のバランスを鍛える。

④  形の演武を目をつむったまま平行立ちで行う。→集中力を養う。

 2 空手道の安全対策

 生涯体育の観点からも、けがすることなく競技を続けるように指導をする。練習前後のストレッチは確実に行う。練習内容によっては、過度な疲労や障害にまでつながることもあるので、指導者の立場でそれらをきちんと予見できるようにする。とりわけ、対人練習において、打撲や骨折が起こりやすい。きちんと技をコントロールできる技術と精神力を身につけた上で競技させることが重要である。また、打撃の部位によっては、命に関わるので稽古の中でそれをきちんと指導しておく必要がある。また、近年AEDが設置してある場所も増えてはいるが、私の道場にはまだおいていないので、早く設置するように働きかけたい。

 本年度、水泳指導のために消防署主催の救急救命処置方講座を受講した。そこで、心肺蘇生法やAEDの使用法を実践で学んだ。これを、空手道においても生かせるようにしたい。また、必要な知識として、応急処置時に必要なRICEも大切である。RICE処置を損傷直後に適切に行うことで、治癒を早めることができる。

 

Rest(安静)-スポーツ活動の停止
受傷直後から体内で痛めた部位の修復作業が始まる。しかし、患部を安静させずに運動を続けることでその作業の開始が遅れる。その遅れが結果的に完治を遅らせリハビリテーションに費やす時間を長引かせることになるので、受傷後は安静にすることが大切である。

Ice(アイシング)-患部の冷却
冷やすことで痛みを減少させることができ、また血管を収縮されることによって腫れや炎症をコントロールすることができる。

Compression(圧迫)-患部の圧迫
適度な圧迫を患部に与えることで腫れや炎症をコントロールすることができる。

Elevation(挙上)-患部の挙上
心臓より高い位置に挙上をすることで重力を利用し腫れや炎症をコントロールすることができる。


スポーツ指導者養成講座「実技」について

2013年01月14日 | 空手

実技について

 常に正しい姿勢で、安定した動き方をするためには、正しい立ち方が必要である。どの立ち方も、体軸をまっすぐに保ち、重心をやや低くする。また、余分な箇所には力を入れないことも大切である。指導者が、順序よく一緒にやってあげることが大切である。身につくまで繰り返し指導する。

 1 立ち方

①  閉足立ち

  左右のつま先と踵を合わせてまっすぐに立った状態。

②  結び立ち

  閉足立ちからつま先を外側に45度ずつ開いた形で、気をつけの姿勢である。

③  平行立ち

  結び立ちのつま先を基点として両踵を外側90度に開き、つま先をそのままにして踵を絞りながら内側に戻し、45度戻して、両足が平行になったところで絞めを止める。

④  八字立ち

   平行立ちからつま先だけを外側に45度ずつ開いた立ち方。

⑤  ナイファンチ立ち

 両足を左右、横、一直線に開き、両足のつま先をやや内側に向ける。両膝はやや屈して内股を閉め、さらに両膝を軽く張る。

⑥  四股立ち

  四股立ちは、内八字立ちの踵を基点に両つま先を外側に開き、踵から90度ずつ開くようにする。足幅が決まったら腰を深くおろし、両膝を曲げて外側に張るようにする。臀部は後方へ突き出し、背筋をまっすぐ伸ばす。

⑦  三戦立ち

   せまい立ち方で、前後左右に安定のよい立ち方である。平行立ちから、左または右足を1足分前に出す。つま先が開かないように内側を向く。両膝が内側を向くような感じである。

⑧  基立ち

 両足を前後に開き、後ろ足は外に開き、前膝は柔らかく曲げ、後ろ膝も軽く曲げる。組手で多く使われる立ち方。

⑨  前屈立ち

 平行立ちから一方の足を大きく前方に内側を通って踏み出し、前膝を十分屈した立ち方である。後ろ足は腰からまっすぐ後方に伸ばし、つま先はできるだけ前方に向かせる。前に屈する事から“前屈立ち”と呼ばれるが、前足の踵と右膝とは垂直になるのが望ましい。

⑩  後屈立ち

  前屈立ちの立ち方から腰を後方にひねった形で、目を後方に向けると、その姿勢を正面から見て後屈立ちとなる。前屈立ちの前足が直角に屈しているのに対して後屈立ちは、前足がまっすぐ伸びており、首は肩越しに相手方向を見ることになる。前足のつま先も、相手側に向けないで、踵を出すようにする。

⑪  猫足立ち

  レの字立ちの足の位置から体重を落とした立ち方で、重心を前後3対7の割合で保っている。後ろ足に7の体重がかかるので、前足は踵を床につけないでつま先で軽く立つようにする。

⑫  半身後屈立ち

 前足のつま先は正面に向け、後ろ足の足刀部分を正面に対して90度に構える。後ろ足の膝は深く曲げ、前足は軽く曲げる。前足のつま先と後ろ足のつま先は一直線上に置く。

⑬  騎馬立ち

 両足を肩幅より足1足分ほど大きく開き、つま先はやや内側を向ける。両膝を曲げて、外に開く。ちょうど馬にまたがるように立つ。

⑭  横セイシャン立ち・縦セイシャン立ち

 前足のつま先は約20度内側に向け、後ろ足つま先は、真正面かやや内側に向ける。膝は軽く曲げて立つ。前足のかかとと後ろ足のつま先が一直線になるようにする。これを体を正面に向けたまま縦に置き換えたものが縦セイシャン立ちである。

2 手業の使用部位と正拳

 手業の使用部位には、掌底、貫手、拳槌、裏拳、手刀、背刀、背手、外腕、内腕、背腕、肘等がある。

 正拳は、親指以外の指を伸ばし、第一と第二関節を曲げる。深く握りしめて、最後に親指を人差し指と中指の中節骨をしっかり押さえる。この時に、親指と小指に力を入れるように指導する。特に初心者には、小指と薬指では小指の方が力が入りやすいなど、具体的にわかりやすく説明する。正拳突きは手首を曲げずに、人差し指と中指の拳頭の部分で突くことを指導する。

3 空突き

 肘が脇をするようにして、拳を小指側にひねり出しながら相手の水月部を狙って突く。ひねり出しのタイミングは、肘が体から離れた瞬間に始まり、決めの瞬間に完了する。この時同時に反対側の手は、肘の高さで引き手を取る。なお、おろそかになりやすいが、引き手を素早く引く意識を持たせると、突きのスピードが上がる。

4 順突き、逆突き

 足を1足分前に出し、その足に重心が乗った瞬間に突きが決まるようにする。気合いを入れる。腰のひねりを意識することで突きに威力が加わる。逆突きの場合には、大腿部の内側を絞るようにして腰をひねる。ちょうど帯が内股に挟まるような感じである。

5 蹴り

 正面蹴りは、太ももの引き上げを意識する。これが早いほど、蹴りのスピードも増す。特に、後ろ足がぺろっとはがれるような感覚ではなくて、一気に床から離れる感覚を体感させると良い。後ろ足の膝の引き上げによって生まれた前へのエネルギーを上足底を伸ばした瞬間に一気に前に持って行く感じを繰り返し行ってつかませる。

6 受け

 「上段揚げ受け、中段(外、内)受け、下段受け、手刀受け」どの受けも受ける部位だけではなく、肘の動きに意識を持っていくようにする。肘の小さな素早い回す動きが大きなスピードと力を生み出す。技を起こりの瞬間に、受けができるように繰り返しの鍛錬が必要である。

7 運足

 「歩み足、寄り足、継ぎ足」この3つを基本に、繰り返し行う。柔らかい膝の使い方がスムーズでスピーディな運足につながる。前膝をやや曲げて、いつでもすっと力が抜けるような状態を作っておく。後ろ足の寄せも前足がで着地すると同時に行うように連動動作として意識させる。

8 組手の中での応用

①  後の先を取る

 相手の攻撃を小さく素早く裁き、その反動で攻撃を仕掛ける。相手の攻撃を制することができるように、技の見切りを早くする。上段攻撃は主刀で前拳を垂直に立て、腰をひねる感じで前腕を動かし、その戻りを利用して反撃する。

②  先の先を取る

 相手の技の起こりを見切り、先に攻撃を仕掛ける。攻撃と同時に相手の拳を手刀で流す。

 体裁きで、突きをかわし同時に上段の順突きを出す。この時には、自分の中心線が相手に向かっていることが大切である。

9 形

 全空連では、各流派から、2つずつ計4つを第1第2指定型として、制定している。

流派

第1指定型

第2指定型

松涛流

ジオン、カンクウダイ

エンピ、カンクウショウ

糸東流

バッサイダイ、セイエンチン

マツムラローハイ、ニーパイポ

剛柔流

サイファ、セイパイ

セイサン、クルルンファ

和道流

セイシャン、チントー

ニーセイシー、クーシャンクー

 それぞれの形ごとに特徴はあるが、おおむね共通して以下のことが視点とされる。

★本来の意味での形の演武

★分解の理解度

★良いタイミング、リズム、スピード、バランス、極め

★極めに必要な正確で適切な呼吸

★着眼及び集中力

★適切な足の緊張を伴う正確な立ち方

★腹部の適度な緊張、又、腰の上下の動きがないこと

★演武する流派の基本

 

 今回、形の実習では、和道の「クーシャンク-」と剛柔の「サイファ」を行った。

 

「クーシャンクー」

一見単純な動きの中に、高度な技が含まれている。首里手の集大成的な型。軽妙な型といわれている。

 

「サイファ」

 短い形であるが、立ち方の種類が多くまた剛柔流の特徴のある技が多く含まれている。各立ち方の正確さと移動のスムーズさが求められ、手技とのバランスが大切である。

 

 形では、技の持つ意味をきちんと解釈し、それに準じた受け、突き、立ち方を行うことが肝心である。基本で行っていることがすべて形につながり、形を繰り返して行うことで身につけた動きは、組手にも生かされると考える。


スポーツ指導者養成講座「基礎理論」について

2013年01月06日 | 空手

半日ばかりかけて、基礎理論について論文を書き上げました。

基礎理論について       

1 序論

 人は皆、病気とは無縁で健康な暮らしをしたいと願っている。そのためには運動と上手につきあっていくことが必要である。その出会いは、幼少期から始まる。だが、それを続けるためには必要な助言を与え、取り組む気持ちを温かく育んでいく環境が必要である。そのための指導者が今真に必要とされている。

 2 武道としての空手道

 世界には多くのスポーツがある。その中では、そのスポーツが発祥した国の人々の「ものの考え方」や「行動の仕方」が、そのスポーツの規則やマナーとして大切にされている。例えば、ラグビーでは試合終了をノーサイドと称し、試合が終われば敵も味方もないとする。これは、イギリス人の「ものの考え方」や「行動の仕方」の表れといえる。同様に、日本人の「ものの考え方」や「行動の仕方」が空手道にある。我々は、空手道の指導を単なるスポーツや競技としての枠組みでとらえるのではなく、人格形成をも含めた教育としての指導も含めて考えたい。

 

3 勝敗と礼 

 空手道では、組手の激しい攻防の後、まだ心理的に興奮が治まっていなくても、丁寧に礼を行わなければならない。自己を制御し、相手を尊重する態度を形に表すことが重要であり、それが人格の形成にとって重要な要素である。相手は、自分を高めてくれる尊い存在であり、その場の勝ち負けももちろんあるが、それ以上に自己内省をし、原因を分析し絶えず向上心を持って取り組み続けることが大切であろう。指導者として、根本的にこのような考えを持っていなければならない。いろんなスポーツで試合後にガッツポーズをする姿をよく見るが、空手道にどうしてもこれがそぐわない理由が、相手に対する礼を欠く行為であることと自分に対する傲りの表れになるからである。

 

4 空手道の歴史と社会体育

 空手道は、中国の「拳法」が沖縄に渡り、伝統的な武術と研究が加わり、日本固有の武術として発展した。空手道は、悪意を持った相手から身を護る自己防衛手段として発生している。(“空手に先手なし”という考え方がこれを示している。)そのルーツは、首里手、那覇手、泊手の三つの大きく分けられる。 現在は、大きく4つの流派に分けられる。

 

船越 義珍 (1868~1957) 首里手の先駆者、糸洲安垣(1832~1916)に師事。1922年沖縄より上京し、体育博覧会に空手を紹介。柔道の嘉納治五郎に講道館に招かれる。1939年 東京に道場「松濤館」を設立。

宮城 長順 (1888~1953) 那覇手の先駆者、東恩納寛量(1853~1915)に師事。1930年「剛柔流」を創設。 

摩文仁 賢和(1889~1952)14歳で首里手の先駆者、糸洲安垣(1832~1916)に師事、19歳で那覇手の先駆   者、東恩納寛量(1853~1915)に師事。両師の頭文字の「糸」「東」をとり「糸東流」と命名。1933年「糸東流」を創設。 

大塚 博紀 (1889~1982) 日本柔術と琉球空手を融和。神道楊心流柔術の免許皆伝、富名腰義珍に師事。1933年「和道流」を創設。 

このように各流派に分かれているものの、多くの関係者の継続的な努力によって、現在では世界に通用する競技として制定された。相手の動きを想定し基本的な動作と高度な技能で構成された「形」と、二人が相手の動きに応じて互いに自由に攻め合い、攻防の技能を競い合う「組手」がある。

 5 まとめ

 空手道は、性別・年齢を問わず個人の体力に応じて誰でも行うことができる。女性の間でも空手道を愛好する人々が急速に増え、競技人口が増加している。また、運動不足と精神面での弱さの補充から、空手道に親しむ人々もが多くなっている。さらに、一人でも、限られた狭い場所でも練習ができるため、多くの人にとって、生涯にわたって実践しやすい内容を持っていることも空手道の特性の一つとしてあげることができる。

 ただ、現在の少子高齢化社会においては、指導者も不足がちで、未来を担う子供たちの生涯体育の機会を著しく狭いものにしてしまう。そのためにも、指導に当たるものは文部大臣認定の「地域スポーツ指導者」の資格を取得し、真の空手道指導者としての認定を受けることは空手道競技発展のためにも、日本の生涯体育の推進のためにも大切なことだと思う。現在、中学校の体育授業で行われている武道教育が、空手道を取り入れ、青少年の人格形成に貢献できることを願っている。


空手道

2008年02月29日 | 空手
空手の審査会が3月下旬に行われます。前回12月の審査会では、移動後の足が決まらないという理由で保留になりました。うちの審査は比較的厳しく、かんたんに上がっていきません。昨年に6段の高段者審査を受験しま方がおりましたが、結果だめでした。

私は、今年度は、忙しいという理由だけで、大会にも出場していませんし、あまり昇段条件も良くありません。

昨年4月から続いていた左足くるぶしのひびの痛みもここのところおさまってきましたし、3月から本格的に走り込みを始めようと思います。

何せ、職場でもPCで週報やら、文書作成の仕事が多く、体を十分動かせません。体脂肪も、12%であったのが18%にまで上がっています。型の切れも取り戻すのに少し時間がかかりそうです。

週末は、毎度のようにけいこです。道場でも、新規の入門者がありそうで、忙しくなりそうです。道着も首の周りがほころんできたので新調しようと思います。





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