ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ここがウィネトカなら、きみはジュディ

2018年06月30日 | 映画評じゃないけど篇
『商人と錬金術士の門』(テッド・チャン) 『あなたの人生の物語』アラビアン・ナイト版。たとえ決定論的未来が待っていたとしても、やはり人生に意味はあるのだ。 『限りなき夏』(プリースト) ♪時がいつか二人をまた 初めてあったあの日のように導くのなら♪何も言えなくて…夏。好きですこういうの、昭和生まれですから。 『彼らの生涯の最愛の時』(イアン・ワトソン+1) ベンジャミン・バトン風童貞喪失物語。 . . . 本文を読む

ノーストリリア

2018年06月24日 | 映画評じゃないけど篇
『スキャナーに生きがいはない』&『アルファラルファ通り』におさめられている短編の登場人物が大集合。たった1枚の切手を入手するため、地球をまるごと買い取ってしまったロッド青年の物語は、混じりっ気なしのスミス印作品だ。 読みながら気になることが。はたして本長編が先なのか、それとも『スキャナーに生きがいはない』&『アルファラルファ通り』におさめられた短編の後に本長編が書かれたのか。そんな疑問がふと . . . 本文を読む

ロスト・バケーション

2018年06月22日 | ネタバレなし批評篇
90分間まるごとライブリーのビキニ姿を拝めるシチュエーション・シャーク・スリラー。透き通るような海とブロンド美女、そして巨大人食いザメ、これさえあればもうお腹はいっぱいだ。 小さい頃、伊豆の海でワカメが足にからまって以来の海嫌い。幼児でも安全に遊べる浅瀬(原題「SHALLOWS」)でシュノーケリング中、筒の中に海水がちょこっと入っただけでパニックになり溺れかけた者?にとって、この映画はけっこ . . . 本文を読む

プランク・ダイヴ

2018年06月17日 | 映画評じゃないけど篇
クリスタルの夜 ファイトと呼ばれるAI 生命体をスパコンに管理育成させ、全能の力を得ようとしたダニエル。ファイトのシンギュラリティー化があまりにも速すぎて着いていけず、スパイを送り込むためその人事面接までやってしまうという、どこかブラックユーモラスなストーリーは、文字通り“ぶっ飛び”の結末を迎える。まさか“フェッセンデンの宇宙(未読)”がこんな型で登場するとは。 暗黒整数 正編『ルミナス』で . . . 本文を読む

万引き家族

2018年06月15日 | 映画館で見たばっかり篇
万引きによって生計をたてている家族の絆を描いた映画なのか。それとも、ダルデンヌ兄弟風の演出で貧困と再生を描こうとした映画なのか。ラスト、唯一法の裁きを受ける信代(安藤サクラ)の罪状に注目すると全く別の見方ができる1本である。 家族が暮らす隅田川沿いのあばら家をロケハウスに選んだ是枝は、美術のお姉さんに徹底的な“汚し”処理をするよう注文を出したという。そんなゴミ屋敷に集う家族が、周囲から隔絶し . . . 本文を読む

深夜食堂

2018年06月12日 | ネタバレなし批評篇
『クッキング・パパ』を筆頭に『味いちもんめ』や『孤独のグルメ』そして本作の原作など、長寿漫画にはなぜか食い物をテーマにした作品が多い。安倍夜郎の原作は中国や韓国でも人気があるらしく、リメイクドラマも制作されたという。 新宿の雑踏を避けながらいいちこCM風のテーマソングにのって、路地裏に佇む「めしや」の暖簾をくぐり抜けると気分はもう常連客。この食堂(映画)には一見客(観客)を微妙に区別するイヤ . . . 本文を読む

家族はつらいよ2

2018年06月03日 | ネタバレなし批評篇
蒼井優との対談番組で、あまりにも『東京家族』の撮影が山田にとって居心地がよすぎたため、シリーズを4作も撮ってしまったと語っていたが、本作はその3作目にあたる。 先頃、血のつながっていない家族を撮り続けていた是枝がカンヌ最高賞を受賞したが、山田がこだわる家族はあくまでも血族、それも3世代が同居する大家族だ。 平田家の家長である周造(橋爪功)の運転する車が最近傷だらけ。大事故を懸念した長男夫婦 . . . 本文を読む

犬ヶ島

2018年06月02日 | 映画館で見たばっかり篇
私はウェス・アンダーソンの映画が苦手だ。こんなことを書くと、ウェスの友人であり、本作で原案、ならびに小林市長の声も担当した野村訓市氏に怒られるかもしれないが、ウェスの作品にどうしても同時代性を感じることができないのである。 日本愛がこれでもかとつまった本作、ウェスが選んだ方法論がストップ・モーション・アニメと黒澤明へのオマージュである。ウェスのオハコともいえるSMAはともかく、今さら黒澤明はな . . . 本文を読む