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アーカイブ『市民派アート活動の軌跡』

「アートNPO推進ネットワーク通信」
小冊子「アート市民たち」

27号 アートNPO代表理事山下透が日経新聞に紹介される

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 2004年6月24日日経新聞夕刊に代表理事が市民派コレクターとして紹介されたが、アートNPO推進ネットワークの活動『コレクターの見る視点展』のことなども記事として掲載された。



26号 新潟絵屋との共催企画『冨長敦也石彫展』開催 

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 《アートNPO推進ネットワーク》は地方都市のアート活動との連携を活動の柱の一つとしているが、この6月大倉宏氏の「新潟絵屋」との共同企画展覧会が実現した。“日常生活のなかの心の豊かさ実現”を掲げるアートNPOと、既に新潟の地において同様の活動を進めている大倉宏氏とのコラボレーションは意義深い。今回の企画はアートNPOが推薦する彫刻家富長敦也の展覧会であったが、古い町家を改造した新潟絵屋の和風の雰囲気のなかに石彫が溶け込み素晴らしい展覧会となった。




25号 クリスマス・イン・ピース収益金の日本ユネスコ協会寄贈

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 昨年12月の≪アートNPO推進ネットワーク≫及び≪アイアムの会≫主催によるクリスマスインピース展が多くの成果を残して終了したことは、既にご報告した通りである。その後、実行委員会事務局の岡野啓子さん、原田俊一氏を中心に会計処理を進めてきたが滞りなく終了。6月1日には≪アイアムの会≫の岡野啓子さん、≪アートNPO推進ネットワーク≫代表理事山下透、常務理事の原田俊一及び廣川和徳の4名が(社)日本ユネスコ協会連盟を訪問し、代表理事から収益金二百数十万円全額の寄贈式がとり行われた。併せて事務局長の竹尾徳治氏から日本ユネスコ協会のさまざまな活動のお話を伺いながら今後の相互協力について意見交換した。



24号 アートNPO2004年度計画概要&新役員選任

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 アートNPOも発足から約2年“組織作りより活動優先”の方針のもとにいくつかののアート企画を進めて参りましたが、美術業界にも波紋を投げかけ一定の評価を得つつあります。3月14日の理事会・総会におきましては2003年度の活動・会計報告や新年度計画の質疑と承認が行われ、順次本格展開に入っていくことになりました。また、今後の組織の発展のためには後継者ともなり得る有能な若手人材が必要と考えておりましたが、おかげさまで新理事を選任することもできました。特に常務理事に選任した飯島研一氏はあいおい損保が支援する介護系NPOの事務局長であり、もともとアート業界での経験を持つ好青年です。私が兼務しておりました事務局長にも就任していただくことになりました。(山下)

≪基本方針≫
「クリスマスインピース」「ぼくらの・・・展」など一定の評価を得ているアート企画については継続的に取り組むが、活動の発展のためには財政面の充実は必須であり、今年度は財政面の充実或いは優秀な若い世代の人材登用、事務局体制整備などにも力を入れることとする。

≪主要事業≫
1、財政充実
●収益事業の検討・・・常務理事会
・「企業団体とのコラボレーション企画」及び「行政助成金事業企画」
・「アートオークション企画」
●会員紹介
・個人・法人会員紹介 ・・・理事・監事・相談役全員
・NPOメンバーズカード推進

2、組織全体管理 ・・・常務理事が役割分担
・組織日常運営、広報、会員管理、会報、会計、HP運用管理など

3、展覧会企画実
・「ぼくらの岸田淳平展」
・「コレクターの見る視点展」
・「新潟絵屋との共催・富永敦也展」
・「オークション展覧会」

4、アート街作りプロジェクト推進プロジェクト

5、美術館とのコラボレーション推進プロジェクト

6、その他・・NPO法人化やアート拠点作りの推進

≪新役員の選任≫
・理事 飯島研一氏・・・常務理事かつ事務局長
・理事 鈴木才子・・・NPOアート企画&ネットワーク作り
・理事 黒田裕一朗氏・・・NPOカードプロジェクト&会員管理など事務局担当

23号 アートNPO主催『ぼくらの渡邉早苗展』開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信

 アートNPO推進ネットワークは『ぼくらの・・・展』と題したコレクション展をシリーズで進めているが、森本秀樹、横田海に続く第3弾として若手有望作家渡邉早苗展を後藤眞理子さんとの共同企画により実現することができた。出品コレクターは中村文俊氏、小倉敬一氏、平井勝正氏、山本勝彦氏など16人で、 オープニングパーティーには作家の野田哲也氏、カビール氏も駆けつけ盛り上がった。 会期・会場 1月13日~1月17日 銀座ギャラリーゴトウ ( 企画 山下透・御子柴大三 ・ 協力 後藤眞理子 )

 『オープニング・パーティの酒で火照った顔を冷ますべく銀座の街をほっつき歩いているうちに、とあるビル一階にあったミニポスターに誘われて、そのビルの6階まで吸われるように上がってしまった。偶然といえば偶然だ。そこには今まで出あったこともない赤と紺の美しい絵があった。それが渡邉早苗(当時27歳)さんの絵との最初の出会い(1999年)である。

 ワインのように、よく熟成されたような彼女の赤からは女性ならではの包み込むような温かさが、そしてその紺色からは彼女の祈るような一途な思いが、まさに醸し出される様に伝わってきた。今般、「平和」だとか「祈り」だとか尤もらしいタイトルの絵に出合うことも多々あるが、そこからは何故か白々しい概念的な感覚しか伝わってこないのは如何した訳だろう。恐らく、その色彩に込める思いの丈が違うのである。彼女の絵には「祈り」と言わずも祈りが感じられたのである。「女性ならではの」色彩と比喩するのは些か平板すぎようかー母性の色彩とでも喩えてみたい。

この度、画廊主のご好意により渡邉早苗を讃える16名のコレクターがギャラリーゴトウに結集した。それぞれの彼女の絵との出会いや如何にー』(御子柴 大三)

21号 反響を呼んだクリスマスピース展 

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 ニューヨーク在住のアーティスト、マコトフジムラ氏のアイアムの会とアートNPO推進ネットワークの共催によるクリスマスイベントは予想を超えた反響を呼び好評のうちに終了した。佐藤美術館における11月25日~12月25日の平和へのメッセージ展にはアメリカ、イギリス、インド、中国、韓国など外国作家を含め、135人のアーティストからの作品が寄せられた。特にNHKテレビ新日曜美術館アートシーンでの紹介が話題を呼び、アーティスト、美術館、画廊、コレクターなど美術関係者だけでなく、建築関係者や一般の方々を含め約3500人の来場者があった。



 オークションについては公開方式による落札の結果素晴らしい作品が特別価格で大勢の方に渡ることになり、“日常生活のなかの心の豊かさ実現”を掲げて活動する者として嬉しいかぎりである。同時開催の銀座協会におけるマコトフジムラ氏と千住博氏の展覧会、高島屋におけるマコトフジムラ氏個展とアーティストトークも好評であった。なお、今回のイベントはアイアムの会とアートNPO会員や若手作家たちのボランティアによるもので、しかもオークション収益金はすべてアイアムの会を通じ日本ユネスコ協会に寄贈されることになっている。また落札しなかった作品については作家本人への返却を優先するとともに、堀田力氏代表のボランティア団体「さわやか福祉財団」に寄贈する方向で調整中である。 (山下)



20号 平和へのメッセージ展と『クリスマス・イン・ピース』計画

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 ≪アートNPO推進ネットワーク≫は常務理事原田俊一氏を中心にニューヨーク在住のアーティスト、マコトフジムラ氏の平和を考える芸術家団体「IAMの会」との共催によるイベントを計画して参りましたが、この11月末いよいよスタートします。

 これはアーティストとアートを愛するNPO団体とが連携、世界的に平和が脅かされるなかで、一人の人間として或いはアーティストとして何ができ、何を考えるべきなのかという問いかけのメッセージを発信しようというもので、①「平和へのメッセージ美術展」と②「クリスマスインピースコンサート」の二つの企画で構成されます。
 運営はマコトフジムラ氏を中心とした≪平和への願い実行委員会≫が行い、資生堂、日本キャンパスクルセードなどの協賛、日本ユネスコ協会、江戸開府400年推進協議会などの後援のもと開催されます。

 ≪アートNPO推進ネットワーク≫は主として「平和へのメッセージ展」を担当しますが、この展覧会は佐藤国際文化育英財団、特に学芸課長立島恵氏の全面協力により実現するものです。既に、趣旨に賛同された約130人のアーティストの方から日本画・洋画・版画作品などが寄せられています。

 ご提供いただいた作品は佐藤美術館に展示されますが、入札方式のオークションにて皆様にご提供、その収益金はすべて日本ユネスコ協会に寄付することになっております。参加作家は土屋禮一、毛利武彦をはじめ、平沢重信、武田州左、山本直彰、川嶋淳司、岡村桂三郎、森山知己、山中現、諏訪敦、北田克己、福井浩太郎、間島秀徳、小滝雅道などの人気作家、或いは集治千晶、呉亜沙、田端麻子などの若手作家、それに海外から参加のマコトフジムラ、千住博、その他よく知られた作家たちです。入札は第三者立会いのもと公平に取り扱われますので、どなたでも安心して参加できます。

銀座教会では、マコトフジムラ、千住博と音楽家MAMORUによる美術と音楽のパフォーマンスが行われますので、大勢の方のご来場をお待ちしております。

★平和へのメッセージ展
第一会場:佐藤美術館
8. 2003年11月25日(火)~12月25日(木)
9. AM10:00~PM5:00
10. 日曜日・祝祭日休館、金曜日PM7:00まで

第二会場:銀座教会1階
• 2003年12月2日(火)~12月7日(日)
• AM10:30~PM7:30
• 会期中無休、初日PM3:00~、最終日PM12:30~5:00

★ 記念イベント
「社会に向けて芸術家としての役割とは何か」
• ディスカッション・フリートーク・・(パネリスト)藤井浩一朗、諏訪敦、福井浩太郎、池田泰子
• 会場  佐藤美術館 5階会議室
• 日時  2003年12月6日(土) PM2:00~PM3:30
• *先着順50名程度
* なお、IAM東京の岡野啓子さんを中心に企画されたコンサートは、小坂忠などの人気ミュージシャンを招いて、12月23日所沢市民文化センターミューズにて開催されます

19号 ソウル『リ・ウーファン回顧展』鑑賞と韓国アート事情

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 10月2、3、4日と「李禹煥回顧展」鑑賞のためソウルに行って来た。今すぐということではないが、いずれアジアの国々とのネットワーク化も検討したいので参考までに情報提供します。参加者は美術評論家峯村敏明氏を中心に、シロタ画廊白田貞夫御夫妻、月刊ギャラリー編集長本多隆彦氏、なびすギャラリー真倉光子さん、鎌倉画廊中村路子さん、作家の藤岡冷子さんなどで、韓国美術界に詳しい峯村さんや白田さんのおかげで充実した旅となった。

 オープニングレセプシヨンには美術関係者や作家、愛好者達など大勢の招待客が参集、日本か らは神奈川県近代美術館館長の酒井忠康氏、美術評論家の中原祐介氏の姿も見え、盛大に行われた。作品展示はホアン美術館とロダン美術館の2ヶ所が使われたが、初期の石と鉄の立体から近年の照応Correspondenceに至る作品群が広々した空間で鑑賞することができた。李禹煥のこれだけの回顧展は韓国においてもはじめてのことである。しかし、日本においてアーティストとしての活躍がはじまった歴史や“もの派”の中心的存在であったことからすると、韓国より先に日本の国立美術館において回顧展があってもおかしくないと思うが、どうなっているのだろう。

 李禹煥さんを囲んでの昼食会が、私も長いお付き合いの珍画廊の柳珍さんの音頭で実現したが、 パリやドイツでの個展に使う石探しの苦労話や現代美術への思いなど伺いながら、韓国焼肉の味を楽しんだ。李さんは穏やかなお人柄である一方なかなかの理論家で、若い頃哲学を学んだその経歴通りアーティストである以上に哲学者を感じさせる。来年はイギリスでの展覧会が予定とのこと。

 韓国現代美術の第一人者である朴栖甫氏は李さんのいわば兄貴格の作家であるが、アトリエ訪 問や素晴らしい夜景の見えるご自宅で美味なワインをご馳走になりながら韓国現代美術の現状やここに至る歴史、トップアーティストとしての誇りや怨念など、他では聞くことができない興味深い話を伺うこととなった。LAでの発表予定の作品は、私が知っている黒やグレーなどモノトーンのものからカラフルなものに大きく変化しつつあり驚かされた。これらの作品は、“鉛筆による繰り返しの線引きという修身のごとき無心の作業に没頭するところから生まれる”という話も印象的であった。ソウル市立美術館館長河鍾甫氏との会食会も有意義であった。河さんは朴栖甫氏に次ぐ韓国現代美術の代表的作家で、日本においてもConjunctionなどの作品を発表しているが、実に温厚で人間的な深みを感じさせる。

韓国現代美術については、改めてそのエネルギーに驚かされた。宿泊したウェスティン朝鮮ホテルのロビーにはリチャード・セラ作品が何枚もさりげなく飾られ、現代美術が生活のなかに定着していることを感じさせる。作家も画廊もコレクターも現代美術への思い熱く、日本より一歩も二歩も先を行っているように見受けられた。なお、KIAF事務局長でもあるKeumsanギャラリーの黄達性氏にご案内いただいた画廊で目に止まった若手作家達は・・ParkHyunjoo、KimMyungsook、そして珍画廊のChaouhi・・などであった。 
*関連記事が月刊ギャラリー11月号に掲載


17号 第一回“コレクターの見る視点”展覧会開催される 

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 2003年8月1日より、≪アートNPO推進ネットワーク≫主催によるコレクション展が自由が丘の≪もみの木画廊≫にて開催された。原田俊一氏の企画によるこの展覧会は、コレクターが自分の眼で選び抜いた若手作家を紹介しようというもので、玉川奥沢会副会長でもある大塚まりこさんのご協力により実現した。お手伝いいただいた画廊スタッフの所由香さん、大島緑さん、石黒隆子さんにも感謝。以下はアート情報を発信しつづける御子柴大三氏の≪僕の注目展≫での紹介文章である。

≪僕の注目展(29)―コレクターの見る視点≫(御子柴 大三)
男のコレクター6人が揃いも揃って女性アーチストを指名するとは、いったい如何なる 訳か―皆フェミニストでもあるまいし。世のなか平和なのである。女性の発言権が増しているのである。眠っていた女性の感性が、今まさに「バクハツ」しようとしている。 原田俊一が呉亜沙を、山下透が渡邉早苗を、廣川和徳が柏田彩子を、小倉敬一が集治 千晶を、鈴木忠男が杉原民子を、まさに探究心旺盛なコレクター達が街中の画廊で探し てきた逸材達だ。私も金子佳代でこの目利きコレクター達の胸を借りる。我こそはもっと眼がいいぞと思われる方必見。全国画廊主必見。―あなたは誰の眼を信じるか。



16号 新潟絵屋大倉宏氏との共同企画推進の合意 

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 もう1年以上前のことになるが、美楽舎の例会で新潟のNPO型画廊を主宰されておられる大倉宏さんのお話を聞く機会があった。これはアートNPOの常務理事でもある御子柴大三氏の企画によるものであったが、私は新潟絵屋という単なる商業主義ではないアート活動を続ける画廊と、知的な雰囲気と行動力を感じさせる大倉さんのお人柄に惹かれ、アートNPO推進ネットワークへのご参画をお願いし快くお引き受けいただいたのである。そして、我々の活動もどうやら軌道にのりつつあるので、いよいよ新潟と東京でのコラボレーション企画に取り組みたいと思い、御子柴さんと二人で新潟絵屋さんを訪問した次第である。

 大倉宏さんは美術評論家・元新潟市美術館学芸員でもあり、さまざまな活動を続けておられるが、「きまぐれ美術館」の州之内徹氏ともご親交があり、今回も佐藤哲三などを育てた画廊主田部直枝さんの追悼集会を主催されるとのことで、この集会にも参加させていただくことになった。そこには生活の日常性のなかに根づいている文化があり、それを垣間見ることができたいい旅でもあった。



15号 特別会員マコトフジムラ氏、米ホワイトハウスの文化担当顧問に任命される

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 アートNPO推進ネットワークの特別会員であるマコトフジムラ氏がホワイトハウスの文化担当顧問に任命された。本年12月には、アートNPOと彼の主催する“アイアムの会”との共催によるイベント“クリスマス・イン・ピース”が計画中でもあり、嬉しいニュースである。以下はアーティストとしてのマコトフジムラを評価、展覧会企画を仕掛けてきた佐藤美術館学芸課長立島恵氏の照会文である。

「2月4日、ホワイト・ハウスはニューヨーク在住アーティスト、マコトフジムラを文化担当顧問に任命したと発表。同職は6年間にわたる任期で、過去にジョン・スタインベック、リチャード・ディーベンコーン、レオナルド・バーンスタインなど、アメリカの文化を代表する芸術家達が選ばれている。上院議員会の承認を経て、正式の任命となるが、マコトフジムラのニューヨークにおける実績、そして同時テロ事件の影響を受けた作家たちを励ますコラボレーション等がホワイト・ハウスに認められ、ブッシュ大統領より直々に任命されるに至った。
マコトフジムラ。1960年、ボストン生まれ。バックネル大学卒業後、文部省留学生として東京芸術大学日本画科で学ぶ。1989年、稗田一穂、加山又造研究室を主席で卒業。修了制作「二子多摩川園」は買い上げとなる。その後ニューヨークを拠点に多岐に渡り活躍中。香港のCNN/Time Warnerビル、東京現代美術館、セント・ルイス美術館などに代表作品が納められている。今年5月には、ニューヨークのクリスティン・フレデリックソンギャラリー、12月には日本橋高島屋で個展が予定されている。」


2002年松屋での個展会場にて・・・左から山下透、マコトフジムラ氏、原田俊一

14号 高齢者施設との共同企画コレクション展開催

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 アートNPOは、ごく普通の人々にもっと文化芸術に触れる機会を提供したいという趣旨の市民運動を展開しているが、2月から約1ヶ月、ニューライフ21開発機構理事長でもある鴻田益孝理事の企画により高齢者のためのコレクション展が実現した。展覧会は安心ライフ(株)大村弘道社長とのコラボレーションの形で大田区山王に新設となった高齢者施設「シャトーフレール山王」にて開催されたが、カタログも作家の小林まどかさんデザイン、制作費は大村社長ご援助により立派なものができあがった。作品出品も市民コレクター及び美術業界関係者が個人で参画するなど、今後のコレクターと美術関係者のコラボレーション型市民運動の一つのモデルケースとなったという意味でも成果があった。展示作品は多様な内容であったが、訪れる各層の人々や高齢者に好評であったと聞いており、嬉しい限りである。

出品者・・山下透、原田俊一、御子柴大三、澤登丈夫、廣川和徳、藤本治聖 伊藤厚美、北條和子、椿原弘也、鴻田益孝、楢崎卓茂、*山本勝彦(特別参加)

なお、山下透氏、山本勝彦氏から施設への作品寄贈の申し出あり、展覧会終了後の適当な時期を検討中。



13号 アートNPOと『ぼくらの○○○展』(御子柴大三)

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 昨年、山下透さんと私が企画の中心となり銀座の画廊にて「ぼくらの~展」をふたつ開催したことが、美術界に幾ばくかの波紋を投じましたことは企画側として望外の喜びでありました。そしてこのような方法が今後の日本の将来あるアーチストへのスポットのあて方として定着することを願うものです。もとよりこの企画をNPOとの関連なしで開催することも出来たことでありますが、それがひとつの社会的ムーブメントまで高まればという強い思いがNPOとの連携だと判断し、アートNPO主催とした経緯であります。しかしこのことによって1,2の疑問を生じさせているとすれば、それは企画者側の本意ではなく、改めてその目指すところを述べさせていただきたく思います。

(1) なぜ複数のコレクターにてひとりのアーチストを採り上げたか?

 作家を選定するのに「公平さ」ということはアートの世界ではありえないことだと思っています。(しかしこのことも遂次アーチストを採り上げる予定なので数のうえでは、自然と公平さへと導くこととなる)むしろ「公平さ」という基準でいうならば選定作家を一人で選ばなかったことにあります。森本秀樹展にしろ横田海展にしろ、それぞれ15名を超える、思いを一にするコレクターが参加して、その作家の今日までの仕事を世に問い、皆で作家のこれからを励ましたのである。ひとりのコレクターによるコレクション展も意義なしとしないが、どうじても単なる自己満足・自己顕示欲と見られかねないきらいがある。この「複数にて選定する」ことにNPOとしての意義があることだと思っている。 

(2)なぜ日本一画廊のある銀座の画廊で開催したか? 

 森本展にしろ横田展にしろ「ぼくらの~展」とソフトな名を冠しているが、これはむしろ第一に美術館の学芸員に対するコレクターからの厳しい批評を込めての開催である。村井正誠画伯は確か90歳前後で全国巡回展という遅さ、松田正平先生も90歳になろうとしているのに故郷の県立美術館以外でまだ開かれていない有るのだろうか。いつまでも入りを意識しての印象派展や難解かつ書生紛いのいわゆる「現代美術」をくり返していればこの国の美術は停滞をもたらすだろう。次代の日 本の美術を背負うアーチストは数多くいる。そういうアーチストをいち早く見出して世に知らしむことこそキュレーターの役目というものだろう。
 しかしそれがそうならないのは、恐らく入場者数、予算との兼ね合 いだと察するが、ならば街の画廊は展示そのものの場所であるからもっともっと身軽に開催しやすいという ものである。第二にアーチストの生活は自分の作品が多くの人に観られ、かつ購入されて成り立つものと考える。それが最も相応しい場所としては今も昔も画廊以外に想像もつかない。地方公民館や僻地での開催は本当に皆が見に来てくれるのだろうか。そしてそれが本来的にアーチストの経済的支援となるのだろうか。 疑問の余地が残るところだ。第三に、したがってアートNPOは販売が主目的ではないのでそれには携らな いが、採り上げられたアーチストが多くの人に観られ、その作品が購入されていくことを願うことは当然の ことである。森本も横田も画家としての志も人柄も誠実でありアートNPOが推奨するにたる画家と判断する。かかる画家を世に知らしむことで、アートを投資目的のみで購入するこの国の風土から決別したい。
 最後に、このようなことはひとりからでも始められようが、世には同じ思いの人たちがいるものである。このようないわば同志達との連帯を通じて、その理念と経験とアドバイスを参考にしながら、己も日本美術の 発展にささやかながら寄与していきたく思います。それが、私がアートNPOに参画している所以である

12号 第一回理事会・総会にて役員体制・規約など論議・承認 

2016年03月31日 | アートNPO推進ネットワーク通信
2003年1月26日、≪アートNPO推進ネットワーク≫の第1回理事会・総会が開催され、基本構想、役員体制 規約などの議題について論議、承認となった。≪アートNPO推進ネットワーク≫はNPO事業サポートセンター、(社)長寿社会文化協会などの理事でもある山下透氏が、2001年春に提唱した“アート”と“NPO”をキーワードにした芸術文化支援の市民運動構想であるが、趣旨に賛同するコレクターや美術業界関係者、NPO支援団体、企業関係者などが発起人となって、2002年4月に任意団体として発足した。ただ組織作りより活動優先という方針のもと、画廊とのコラボレーションによるコレクション展の開催などを推進した結果、一定の評価が得られたので組織の正式発足ということになり理事会・総会開催となったものである。代表理事、常務理事など承認された役員体制については11号に掲載。

1 活動経過報告
①画廊とのコラボレーション展覧会
主催『ぼくらのコレクション展』
・・・(企画実行)御子柴大三・山下透
・5月「ぼくらの森本秀樹展」(協力)Ksギャラリー
・10月「ぼくらの横田海展」(協力)ギャラリーしらみず美術
『牛波アートの全貌コレクション展』
  ・・・(企画実行)藤本治聖、(協力)すどう美術館
*資金面を含め企画実行は全て藤本氏が統括、アートNPOは実質後援程度の関わり。
後援『飛翔5展』及び『遊4展』
  ・・・(企画実行)原田俊一、(協力)もみの木画廊

②ホームページ制作
アートNPO活動の柱の一つは“コレクターによるアート情報の発信”にあり、ホームページは必須であるが制作運用資金がないため、≪壺中夢倶楽部サイト≫に特設ページの制作と運用を依頼、僅かな資金での簡易型ホームページ利用が可能となった

③会費収入など財政面
 会費収入は役員の一部から入金があった程度の資金状況にあり、山下代表理事の寄付金10万円によりホームページ制作・運用、パンフレット制作などの初期費用を賄いつつ運営中。
コレクション展は独立採算方式での運営を基本方針とし、結果的に森本秀樹展及び横田海展は僅かだが黒字となり、この残金はアートNPOへの雑収入として入金処理。
 作家森本秀樹氏から作品2点の寄贈があり、その取扱いは今後常務理事会にて論議の予定。

2 今後の基本方針
2003年1月~12月を第1初年度とし、前年入金会費もこの中に繰り入れることとする。
議決権ある役員は理事・監事とし、業務遂行のため常務理事を専任、常務理事会を置く。
理事・相談役などの役員は、率先して会員獲得・寄付・協賛金など財政活動に努める。