多聞月記

シルクドゥソレイユのドラリオンをきっかけに中国雑技、サーカス好きになったおっちゃんの月記

杭州を代表する雑技団《杭州杂技总团》

2019-07-14 13:22:21 | 杂技の雑記
杭州として浙江省曲芸雑技総団ばかりを取り上げてきましたが,杭州にはまさにその名ととおり杭州の名をもつ雑技団が存在します.
というか,私が最近みた演目に影響されて浙江省曲芸雑技総団を紹介しただけで本来は歴史の長さ,演目の実績からもこちらを先に紹介すべき存在。
それが《杭州杂技总团》です.
《杭州杂技总团》の歴史は長く,浙江省で最初の国営雑技芸術団体で,杭州と書かれてますが,実際には浙江省の第一団体といっても過言じゃないです.
もともとは杭州やその周りで活動していた9つの雑技グループが合体してできた団体で1953年から56年にかけて合併していき57年に杭州雑技第一隊,第二隊,第三隊,第四隊という形で正式に杭州雑技団が作られます.
その後文化大革命の影響で雑技団が独立して存在することが取り消されて,1968年に杭州文工団という組織になり,この中に3つの隊がある中で
第二隊が雑技団という形になります.これが1970年.1972年に独立を回復して1978年に杭州雑技団の名前に戻り
そして1989年4月に今の《杭州杂技总团》という名前になります.
《杭州杂技总团》のもとには2008年に誕生した魔術団もあるんですが,今の李洁団長はまさに中国の《李氏魔術》といわれる一つの流派の中の後継者で第4代目,
様々な賞を受賞した実績もある方です.
どんな方を想像しました?
こんな方です。

意外と雑技の世界って女性リーダーが活躍していることが多いんですよ.
中国雑技団もそうですしね.
なお,今の正式名称は《杭州杂技总团演艺有限公司》という一つの会社です.

ちなみにこの雑技団,日本のサーカスでもおなじみのあの演目が一つの隊としてあったんですよ.
それがこちら

ハッピードリームサーカスでもおなじみの車が空を舞う演目ですね!
残念ながら1964年に杭州雑技団からなくなってしまいますが,なかなかすごいですね.
ドリームサーカスと違って,すり鉢状のところをお客さんが上から見下ろす形で,お客さんが手を伸ばしたチップをとっていくので
車の上でもこうやって一芸をやってくれてます.

他にも歴史が長いだけあっていろんな演目があるんですが,一つ紹介したいと思います.
名前は《转碟》,そう伝統的な皿回しです.
ただし,ただの皿回し一つとってもただ回すだけじゃ~芸がないですよね.
大丈夫です.この一枚だけでそれを理解できます.

手でまわす皿の枚数は妥協無く6枚ずつ!そして口にくわえた道具にもう一人の演者をのせて支える力と技が融合した
これぞ世界を震撼させた雑技というべき雑技です!
この下の方が吴民さんという方で1957年生まれで1984年から1989年まで副団長をされた方です.
そして1983年にはこの演目でフランスパリの第6回世界カスフェスティバル(明日世界杂技节)でフランス共和国大統領賞を受賞してます.

他の演目やショーの話はまた別記事で紹介します.
実はここ最近でもいい演目を作っているんです.お楽しみに!
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