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減る賃金、増す残業 労働経済白書「成果配分見直しを」

2007年08月05日 12時36分04秒 | Weblog
 厚生労働省が3日に発表した07年「労働経済白書」、2000年代に入って、労働生産性が上昇しているもとでも労働者の実質賃金は上がらず、労働時間も短縮されておらず、他方で、株主への配当、役員給与や内部留保が急増しているとのことを指摘しています。安倍・自公政権は「格差を固定化しないためにも経済成長は必要だ」と参議院選挙のメインスローガンにしていましたが、実際はこれとは正反対だったことを政府が認めたことになります。それから、「連合」が労働組合として全然役に立っていないということも現れていると思います。


以下は、asahi.com 2007年08月03日11時01分から
 戦後最長におよぶ景気回復とは裏腹に、実質賃金は減り、労働時間も延びるなど労働環境が改善されていない実態が、厚生労働省が3日発表した07年版「労働経済の分析」(労働経済白書)でわかった。白書は非正規雇用や成果主義、裁量労働制などの拡大を原因として指摘。業績回復の果実が労働者にも行き渡るよう、新たな成果配分の仕組みが必要だと訴えている。
 今回の白書は、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を主題に分析。賃金面では、80年代や90年代の景気回復期と、02年からの今回の景気回復とで賃金上昇率を比較した。
 今回の景気回復では、景気の谷だった02年第1四半期に比べ、06年第4四半期の賃金は従業員500人以上の大企業でも0.3%増でほぼ横ばい。100~499人の中堅企業では1.2%減、5~29人の小規模企業は5.3%減と、むしろ悪化した。物価上昇率を反映した06年平均の実質賃金は、前年に比べ0.1%減った。
 これに対し、80年代の景気回復は小規模企業のデータがないが、大手や中堅でみると、83年第1四半期からの回復時は賃金が9.1~5.0%上昇。86年第4四半期からの回復期には、18.7~14.1%増えた。93年第4四半期からでは8.4~3.9%増だった。
 一方、06年の労働時間は残業が5年連続で増え、総労働時間は前年比0.5%増の年間1811時間だった。若年層を中心に労働時間が短いパートが増えたものの、働き盛りの30代や40代の正社員に仕事が集中。週60時間以上働く人の割合を96年と比べると、35~39歳が19.6%から21.6%に、40~44歳が16.3%から21.2%に、45~49歳が14.9%から18.3%に上昇した。
 こうした現状について白書は、非正社員の増加や労働組合の組織率の低下などで「経済成長と労働生産性の上昇を労働条件の改善につなげる従来のメカニズムが働きにくくなった」と分析。成果主義賃金や裁量労働制などの導入で「(企業が)労働者が抱える仕事の状況を把握することが難しくなり、結果として特定の人々に長時間労働を集中させる傾向を生み出している」とした。そのうえで、ワークライフバランスの実現には「成果配分のあり方を、一人ひとりの働き方に応じたものへと見直すことが重要だ」と結論づけた。