時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

山賊むすび

2022年08月13日 | こりゃ美味い

多摩爺の「こりゃ美味い(その33)」
山賊むすび いろり山賊(山口県岩国市)

3年ぶりに迎えた行動制限のないお盆の帰省が・・・ 11日の朝から始まった。
都内から故郷へ向かう高速道路は、久しぶりに大渋滞になっているようだ。
さらに台風まできているんだから、なんてこったいである。

テレビに映し出される状況を見るにつけ、ドライバーはホントに大変だろうなと思いつつも、
その先には、待ちに待った楽しみがあるんだから、
こと往路の運転に限っては・・・ 「なんのこれしき」なのかもしれないが、
サービスエリアや、道の駅などで、適度に休養を挟んで、安全運転に心がけてもらいたい。

最近では、後発の道の駅に主役の座を奪われ、
すっかり陰が薄くなったのが・・・ ドライブインだろう。

30年ぐらい前までは、ドライブの途中で休憩したり、メシと言ったら、
間違いなくドライブインだったが、
その多くが道の駅の勢いに圧倒されて、国道の風景が最近ちょっと変わっているが、
故郷の山口には、道の駅に負けない人気を誇るドライブインが、国道2号線沿いに2店ある。

1店目は、貝汁と、ケースの中から料理をトッピングできる定食が人気で、
トラックドライバー御用達の・・・ 「ドライブインみちしお(山陽小野田市)」で、
もう1店は、ド派手なデコレーションと、豪快な料理に圧倒され、
思わず車を駐めて、吸い込まれてしまう・・・ 「いろり山賊(岩国市)」である。

年に一度程度、帰省しているだけだから、頻繁に行ってるわけじゃないが、
「いろり山賊」に行ったら、必ず食べてる名物料理「山賊むすび」と「山賊焼き」、
さらには店舗の状況を紹介させてもらうので・・・ 興味を持たれた方がいらっしゃれば、
行って食べていただき・・・ 故郷の情報と感想をいただければありがたい。

なお、「ドライブインみちしお」は、名物の貝汁の写真がないので、
今回は控えるが、もう一度訪問する機会があれば、紹介させてもらおうと思っている。

まずは・・・ 「山賊むすび(税込み550円)」だ。
見た目は、ちょっと大きいと思うぐらいだが、崩れないようにしっかり握ったうえに、
海苔でガッチリとコーティングを施され、外見的には想像がつかないが、
そのボリュームは・・・ コンビニおにぎりの3倍はあるだろう。

むすびの中には、焼き鮭、塩昆布、梅の三種の具材が包まれていて、
これ1個で、ごはんとおかずの役割を、十分すぎるほど満たしているし、
腹の足しにも・・・ 文句の付けようがない。

さらに、山賊むすびの上に、無造作に置かれたタクアンの一切れが、なにげに気にかかる。
アクセントとして、花を添えてるだけじゃなく、
ちょっとした口直しを巧みに演出しているんだから、なかなか切れ者の脇役である。

私が山賊むすびを食べ始めた・・・ ちょうどその時だった。
隣の席で山賊むすびを食ってた、なん人かの若者たちが、
「なんだこれ?」と言いながら、タクアンをボリッとかじり、
「美味いね。これ!」なんて言った言葉が・・・ なにげに耳に入ってきた。

「おいおい、君らはタクアンを知らないのかい?」
私の高校時代は、タクアンは食事に弁当に、欠かすことができない、
貴重なおかずの一品でもあった。

冬になると、窓際のスチーム製のパイプストーブの上に、弁当箱を置いて暖めていたら、
タクアンの匂いが辺りを漂いはじめ・・・ 先生に叱られたことがなん度もあった。

冷たくなった弁当を食うより、タクアンごときで叱られるのなら、へっちゃらなんだから、
肝っ玉が据わった学生だったのかもしれないが、
叱られるだけで体罰はなかったので、おそらく先生方も容認してくれていたのだろう。

思い起こせば、子どものころは・・・ 朝昼晩の三食、タクアンを食ってたんだから、
たかがタクアンだが、されどタクアンであって、
いまどきの子どもたちは「ホントに贅沢だよ。」なんて、言うつもりはないが、
そんな時代があったことも・・・ 忘れないでいたい。

他愛もない、どうでも良い話しだが、思い出って感動するものばかりじゃなくて、
生活の一部だった、どうでもよかったことを振り返り、辿ってみた方が、
あんがい面白いのかもしれないと・・・ 思ったりしている。


続いては・・・ 「山賊焼き(税込み880円)」である。
所謂、若鶏の炭火焼きだが、パリパリに焼かれた鶏皮と、醤油の香ばしさがなんとも言えず、
がぶりと食いつく前に、一度だけ鼻を近づけて、風味を嗅いでみると良い。
品性には欠けるが、食欲だけは間違いなく倍増するので・・・ 是非ともお勧めしたい。

また、「山賊焼き」には・・・ 手羽と、ももの2パターンがあるらしく、
ランダムに焼かれているため、どちらが出てくるか分らないのもまた・・・ 楽しみかもしれない。

10年ぐらい前だったと思うが、上高地の河童食堂で山賊定食をいただいたとき、
唐揚げもどきの鶏肉が出てきたのには・・・ ちょっと驚いたが、
食材や調理方法、さらにネーミングなどは、地域によって由来と拘りがあるので、
イチャモン付けるつもりなど・・・ 毛頭ないが、
山賊から想像するなら、唐揚げじゃなくて、豪快な丸焼きを・・・ 私は支持したい。


最後は店舗の外観である。
訪れたのは5年前のお盆のころだったから、時期的にはちょうど今ごろと同じで、
七夕祭りのデコレーションがまだ残っていた。

この飾り付けだから、日中でも十分すぎるほどに・・・ ド派手だが、
夜になると、これに加えて、灯りの演出が見事で、超々ド派手になるんだから、
ドライブインというよりも・・・ もはや、名所といった方が正しいのかもしれない。

その場所は、錦川の清流に架かる天下の名橋「錦帯橋」から、
国道2号線をショートカットして西下する欽明路バイパス(昔は有料道路だった。)を通って、
西に向かって12~3キロ走り、国道2号線と合流した辺りにあって、
江戸時代なら、ホントに山賊が住んでいたかもしれない山の中に、突如としてこの光景が見えてくる。

車でないと来れないような不便なところだが、よくよく考えてみればドライブインだから、
車でないと行きづらい場所にあるのも・・・ 納得であり、常識であって、
山の中だから、どうのこうのは、あまり関係ないのかもしれない。

記憶が確かなら、入り口を入って直ぐのところに・・・ 食券売り場があったと思う。
席は驚くほどに多種多様で、店内の囲炉裏席の他、縁側や、森の自然の中、小川のほとりなど、
食券を買わなくても席の確保は容易だが、食券売り場は入り口にしかないので、
幾ら座って待ってても・・・ そこで注文を取ってくれるわけではない。

個人的には、晴れていたらの条件がつくが、
森の中で木漏れ日を浴びて、小鳥のさえずりや、小川のせせらぎなど自然とふれあい、
その時ならではの季節感を、視覚、聴覚、嗅覚で感じ取りながら、
山賊むすびを豪快に頬ばり、山賊焼きに食らいつくことをお勧めしたい。

一度は行ってみるだけの、価値があると思われるが、
なにはともあれ・・・ 「帰ってくるまでが遠足である。」と、
小学校のころに、耳にたこができるぐらい言い聞かされてきた格言もあり、
帰宅するまでは、気を抜くことなく・・・ 細心の注意を払って運転をお願いしたい。

けっして無理することなく、また無茶することもなく、
帰宅するまで安全運転で・・・ ガンバレ! ドライバー


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2 コメント

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Unknown (tuki-no-shizuku)
2022-08-13 18:18:56
懐かしいです!
もう、ホント死ぬほど行きました!
広島市内から。
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Unknown (多摩爺)
2022-08-13 18:47:37
tuki-no-shizukuさん、こんばんは

広島なのに、死ぬほど行ったという気持ち・・・ 良く分ります。
山賊には、1回行った人を必ずリピーターにする不思議な力があると思います。
返信する

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