時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
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ポリティカル・コレクトネス

2021年03月24日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の14)」
ポリティカル・コレクトネス

たぶん、20~30年ぐらい前からだったと思うが、
性別や人種、さらには民族、宗教などに基づいて、差別や偏見を防ぐことを目的として、
政治的、社会的に公正であり、
中立とされる言葉や表現を使用する「ポリティカル・コレクトネス
」という活動が、
多民族国家であるアメリカで始まると・・・ 瞬く間に地球規模で広まり、今日に至っている。

そういった活動により、看護婦や看護士は看護師に変わり、
スチュワーデスはキャビンアテンダントに変わり、
カメラマンに至ってはフォトグラファーとなり、
極めつけは・・・ 障害者から害の文字が消え障がい者となった。

とっても良い取組みだと思うが・・・ 言葉の整理とは裏腹に、差別や偏見がなくなることはなく、
アメリカでは、昨年あれほどの「ブラックライブズマター」という、
とても大きな運動が起こったにも拘わらず

最近ではアジア人を標的とした暴力が横行しているんだから、
「ポリティカル・コレクトネス」と直接的な関連性はないものの、
人種差別といった一点にフォーカスすれば、根っこにあるものは・・・ なんら変わっていない。

そして、そういった視点は、国際機関でもそうだし、
毎日情報を提供してくれている、国内外のメディアでもそうだから・・・ 何をかいわんやだろう。

昨今メディアを通して一般化してしまった・・・ ある言葉に注目してほしい。
昨年の2月だった、WHOは新型コロナウイルスの正式名称を、
「COVID(コビット)19」にすると発表したが、
変異ウイルスが蔓延している昨今、メディアや巷が云うのは「COVID19」ではなく、
イギリス型変異株や、ブラジル型変異株、南アフリカ型変異株などと、
ハッキリ、キッチリと本籍(中国)を伏せたまま、引っ越し前の前住所が飛び交っている。

偏見と差別をなくす言葉を使うんだったら・・・ なぜ、国名を伏せないのだ。
「中国ウイルス」を「COVID19」とするなら、
各国で変異した株は「COVID19-A型・B型・C型」として、
公正に中立を保つべきではなかろうか?

また、各国で変異した様々な株が存在することから、
検疫等の煩雑とミスを防ぐため、それができないなら、
形骸化してしまい、各国の人々が口にすることが無くなった「COVID19」の名称は、
もはや不要で、「中国ウイルス(イギリス・ブラジル・南アフリカなどの)
変異株」と
すべきだと思うが・・・ いかがなもんだろうか?

WHOが「COVID19」と命名したことで、
発生源らしき国の、公正と中立(いわゆるメンツ)は保たれたが、
発生源から持ち込まれたウイルスが、突如として変異してしまったイギリスなどは、
もらい事故だったにも拘わらず、
いまとなっては、変異株の頭に国名を付けられ、各国に
拡散してるかのような扱いを受けている。
これには、正直なところ・・・ いかがなものだろうかと思っている。

国際機関とメディアが、寄ってたかって・・・ 政治的と社
会的の公正と中立を蔑ろにしている。
発生源と思しき国へ配慮したのか、それとも国際機関とメディアが、無知で無関心なのか、
それをハッキリさせてほしいと思うが・・・ 無理なんだろうか?

いまとなっては、世界の国家元首で唯一「中国ウイルス」と名指ししたのは、
アメリカの前大統領だけである。
個人的には、彼の政治手法は好まないが、そこんとこだけは共感できる。

20~30年を経て、すっかり定着した「ポリティカル・コレクトネス」という取り組みだが、
そこにパワー(経済力と軍事力)のある国が口を出し、
政治的な思惑をもって・・・ 意図的な圧力を掛けてくると、
国際機関なんて、名ばかりで直ぐに顔色を窺い始め、いとも簡単にコントロールされることを許し、
悲しいかな・・・ 組織のメンツはそっちのけで、驚くほどの無力感を演出してしまう。

「中国ウイルス」と呼ぶことが、正しいことだと思ってはいないが、
イギリス型変異株、ブラジル型変異株、南アフリカ型変異株と呼ぶことが、正しいとも思っていない。
被害者でもあるイギリス、ブラジル、南アフリカは、それどころじゃないのも分かるが、
そう呼ばれることに、プライドというものはないのか、「意地を見せろ!」と云いたいがどうだろう?

ブラジルや、南アフリカに頼むのは無理だと思うが、
かつての大英帝国(イギリス)には・・・ せめて、一肌ぐらい脱いでほしいものだ。
「ポリティカル・コレクトネス」が定着するには、多くの協調と相当の時間が必要となる。
それは理解してるが、せめて不満をアピールすることぐらいしなきゃ、
本家本元の思うツボではなかろうか?

追伸
最後に、追加というかオマケで、もう一つだけ述べておきたいことがある。
ある女優の体系を動物に例えて、蔑視したとして、
辞任を表明したオリンピック関係者がいたことは記憶に新しい。

発言そのものを庇うつもりは全くないが・・・ 一年も前のことで、素案の段階での発言であり、
その時点で、正しい判断を下せるメンバーの声によって、ボツになったプランである。
メンバーの同意で決着していたことが、一年を経ってから批判に晒され、
凶悪犯罪でもないのに、反省を受け入れられないなんて、
なんと息苦しい社会になったものだと思ってしまう。

一方で公共インフラを生業とする企業のCMで、最近人気の女性芸人に豚の格好をさせたものがある。
私から見れば、オリンピック関係者のボツになった素案と、
五十歩百歩(目くそ鼻くそでも良い。)だと思うが、
このCMが、痛烈な非難を浴びているといった話は聞こえてこない。

広告審査機構(JARO)という組織があるが・・・ 昼寝でもしてるのだろうか?
それとも「あれはあれ、これはこれ、それはそれ」で済まされる程度のことなんだろうか?
「JAROがあるじゃろ。」なんて、悠長なことを云ってる場合じゃないと思うが
いかがなもんだろうか?

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-03-26 08:29:17
私達が率先して中国ウィルスと呼べばいいのかもしれませんね。それが事実なのだから。
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おはようございます、 (takezii)
2021-03-26 10:34:58
初めまして、
爺さんの 気まぐれ、ごちゃまぜなブログに フォオロワー登録いただき 有難うございます。私も登録させていただきました。よろしくお願いします。
返信する
Unknown (多摩爺)
2021-03-26 11:38:03
kaminaribiko2さん
コメントを頂戴しありがとうございました。

個人的にはチャイナウイルスですが、コレラやエイズに対して、スペイン風邪もあるので
正直なところ、どうに呼んでも構わないと思ってますが、統一すべきだと思っています。
いまのままじゃ本家本元のメンツは守られたが、被害を受けた他国のメンツが潰されており、
それはないんじゃないかと思っています。
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Unknown (多摩爺)
2021-03-26 11:42:36
takeziiさん
フォローしていただきありがとうございました。

貴兄の川柳に対する着眼点と思いに感服しました。
今後とも宜しくお願いいたします。
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