時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

正義の味方

2020年05月01日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の2)」
正義の味方

私の記憶が確かなら、半世紀以上も前になると思うが、
ウルトラセブンという・・・ ヒーローものの特撮番組があった。


何回目だったか忘れてしまったが、宇宙からやってきたウイルスに罹患した少女を助けるために、

ウルトラセブンが小さくなって鼻孔から少女の体内に入り、
シャボン玉(だったと思う)攻撃でウイルスを消毒して、
やっつけたというシーンがあったと思う。
(うろ覚えなんで、ひょっとしてウルトラセブンじゃなくて、ウルトラマンだったら申し訳ない。)

何日か前、アメリカの大統領が、消毒液がウイルスに有効なら、
それを使ったらどうだと側近の医療関係者に訊ねたところ、

医療関係者は呆れたかどうかは知らないが、
返答に困って俯いたというシーンがニュースで流れていた。

その時、ふと思いだしたのが・・・ 前述したウルトラセブンだった。

我が国では、既に半世紀前に消毒液の臨床試験が済んでいて、
ウイルス対策に抜群の効果をあげていたと、

ウルトラセブンのことを女房に話すと、「バカじゃないの?」ってことで叱られてしまったが、
トランプさんも、ブラックジョークのタイミングが、新型コロナウイルスに苦戦している、
この時期じゃなければ、
なかなかユニークなボケで・・・ 座布団1枚ぐらいは貰ってただろう。

閑話休題
ウルトラセブンつながりで恐縮だが、私の(昭和の)ヒーローについて少し語ってみたい。

我が家に白黒テレビがやって来たのは・・・ 5~6歳の頃(昭和30年代の初め)だった。
当時の男の子たちの殆んどは、風呂敷を首に巻いて、父親のサングラスを拝借して、
あるヒーローの真似をしながら遊んでいた。

正確に言おう、当時はヒーローではなく・・・ 正義の味方といった方がが正しい。
そう、正義の味方ごっこをして、毎日毎日飽きることなく野山を駆け回って遊んでいた。

親から近寄るなと言われていた、洞穴が悪い奴らのアジト
同い年の女の子は、いつもさらわれる役なので、いつしか相手にされなくなり、
仕方なしに仲間の妹たちが、毎日代わる代わる駆り出されては、
洞穴に連れ去られる役をせねばならない。


必然的に晩御飯の時には、妹から母親に告げ口されるので洞穴に行ったことはバレてしまう。
その時は、こっぴどく怒られるものの、叩かれるようなことはなかったので、
全くもって反省することはない。

いわゆる・・・ 蛙の面に小便というやつで、遊び仲間は懲りない面々だった。

また、次に妹がその役になるのは1週間ぐらい先になるから、
妹に対して「今度、言いつけたら泣かすからな。」と脅すような情けない兄だったので、
ホントに、ホントに・・・ 悪ガキだったと思う。

さて、風呂敷を首に巻いて、父親のサングラスをかけなくちゃならなかった
正義の味方とは・・・ いったい誰なんだ。

その質問は愚問だろう。
何故なら・・・ 昭和30年代の始めに、ウルトラマンや仮面ライダーはいない。

ウルトラマンがテレビに登場したのは、昭和に違いないが、
昭和41年(1966年)で、私は既に12歳
仮面ライダーに至っては、昭和46年(1971年)だから私は17歳、
よって、正義の味方に被れて遊ぶような年頃は・・・ 卒業している。

当時(私が5~6歳の頃)の正義の味方とは、
月光仮面、七色仮面、ハリマオ、ナショナルキッドなどで、
いずれもマントをなびかせて、サングラスや仮面で顔を隠していた。

武器はいずれも・・・ 二丁拳銃
正義の味方ごっこでの戦いは、弾が出るような玩具の拳銃はないので常に口鉄砲
「バン、バン、バン」と口で言い合いながら、鉄砲を撃ったことにする。

たまに泥団子を作って、投げ合ったりすることもあったが、
たいした服を着てたわけじゃないのに、服を汚したら親に叱られるという意識があって、
本気で当てないという内々のルールも出来ていた。

戦いは洞穴の出入り口付近で、隠れて相手を出方を窺い、
正義の味方と悪党一味で、眼と眼があった瞬間から始まる。
正義の味方が先に構えて「バン、バン、バン」と発し、
撃たれた悪党たちは、当たったと思ったら「ウゥゥ・・・ 」と言って倒れる。

ただそれで、勝敗を決する単純なものだが、
一つだけ約束事としてあったのは、悪党役は一度死んでも何度か生き返ることが出来るが、
正義の味方は弾に当たらない・・・ 早い話が、正義は必ず勝つということである。

正義の味方は、さらわれた女の子を助けるということで遊びを完結させるが、
一方の悪役一味は、撃たれて倒れるときの声と仕草に見せ場があり、それがアピールの場だった。
シチュエーション的には、時代劇のチャンバラと全く同じである。
まっ、子供の遊びだから・・・ そんなもんだろう。

それから5~6年後に、ウルトラマンが出て来て、
腕をクロスさせてスペシューム光線を出したことは衝撃でしかなかった。
さらに、相手が悪党一味ではなく怪獣になるんだから、
ウルトラマンの登場には、大きな意味があり、
正義の味方が、ヒーローに変わったターニングポイントになっている。

よって、私にとっての昭和のヒーローは、ウルトラマンで間違いないが、
正義の味方は月光仮面、七色仮面、ハリマオ、
そしてナショナルキッドという明確な分類が出来ている。


上記の四者の主題歌は、YouTubeで楽しめるので検索してみると

当時のことが昨日のように思いだされるから、よほど強い印象があったのだろう。

なかでも特別な存在だったのは・・・ ナショナルキッドじゃなかろうか。
ナショナルキッドは、前述した四人のうち唯一空が飛べたし、宇宙人や海底人・地底人と戦っている。
月光仮面や七色仮面、ハリマオは悪党一味との戦いだったが、
ナショナルキッドは、ウルトラマンにやや近い存在だったかもしれない。

そして、ナショナルキッドの登場は、当時の子供たちに無限大の想像力をもたらした。
空、そして宇宙、さらには海底から地底に・・・ 何があるのだろうか?
無限に広がる果てしない想像力は、科学との出会いをもたらし、
科学への興味につながったといっても過言ではないだろう。(ちょっと大げさだが)

そういった意味では、平成から令和のヒーローたちは、
子供たちに、何を提言し、何に興味を持たせ、何を学べと語りかけているのだろうか。
大人からすれば、たかが子供番組だが、その役割はなかなかで、けっこうな影響力を持っている。

いつの時代にも悪い奴らはいる。
それが悪党一味じゃなく、怪獣でもなく、ウルトラセブンが戦ったウイルスの場合もあるだろう。
しかし、いつの時代でも・・・ 正義は勝つ。必ず勝つ。

ありがとう 昭和の平和を守ってくれた正義の味方たち
そして・・・ ガンバレ! 未知のウイルスと戦う令和のヒーロー(医療従事者)たち

昼夜を問わず頑張ってくれている、令和のヒーローたちに最高の敬意をはらい、
けっして諦めない情熱で、執念の逆転勝利に挑む、令和のヒーローたちに最大の拍手で応えたい。
さらには・・・ 令和のヒーローたちの働く姿に感動し、そして感謝し、
親とともに家庭で学ぶ、未来のヒーロー(子供)たちの頑張りにも期待を膨らませたい。

そして、生活関連の食品(商品)を生産・製造する方々がいて、
物流・配送を受け持つドライバーがいて、
地域の各店舗で安全に配慮しながら、
販売してくれてる方々がいることも・・・ けっして、忘れてはならない。


電気、ガス、水道、通信、電車、バス、タクシー、
さらにはゴミ収集、福祉、介護、葬儀の現場に居る方々

日々の生活で、当たり前だと思っている生活インフラを、陰で支えてくれてる人たちがいて、
私たちが気づかないところで、多くの汗を掻いてくれていることも絶対に忘れてはならない。
ありがとう。本当にありがとう。

正義は勝つ。
必ず勝つ。
それが・・・ 道理というものだ。


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