多摩爺の「時のつれづれ(皐月の27)」
ロシアの自壊が始まった。(ロシア帝国の落日)
ロシアの愛国心が、最も高まるとされる・・・ 5月9日
先の大戦において、ナチスドイツとの戦いに勝った「戦勝記念日」に、
悪魔に魂を売り渡したロシアのトップは、約11分に渡ってスピーチを行った。
ウクライナへの侵略戦争を始めてから既に2ヶ月半が経った。
ミサイルをぶっ放しながらも、戦争ではなく・・・ 軍事作戦だとの詭弁で取り繕い、
「ロシアを守るため、やむ得ない唯一の正しい決定だった。」と正当化しつつも、
どことなく精神的に追い詰められているような、覇気を欠いたスピーチだったようにも見えた。
本来なら、この日この時を待って、高らかに宣言しようと思っていた、勝利という言葉はなくなり、
従軍した兵士の労を労い、死傷した兵士家族への支援を約束したものの、
未だ戦火を交えているにも拘わらず・・・ 兵士を鼓舞するコメントはなく、
世界が注目していた戦争宣言や、核兵器による脅しなどについては触れずじまいだった。
先の大戦を仕掛けて、敗れた国の者がもの申すのもなんだが、
本来、この日の目的は・・・ 敵味方関係なく戦没者を悼み、平和を確認して祈念する日であり、
民主主義の国家であれば、まちがいなく終戦記念日、もしくは平和記念日としたであろう。
それを戦勝記念日として、これ見よがしに派手なパレードを行うのは、
プロパガンダと思想教育が常態化した、共産主義国家や、覇権主義国家で見られている光景だが、
それにつけても「どうだ。」と言わんばかりに兵器を見せつけて、ニヤリとしてるんだから、
悪趣味極まりなく、なんの意味があるのか・・・ 理解不能である。
民主的な国に暮らす、良識をもった人々から見たら、
バカ丸出しであって、チンピラが武器を自慢しているに過ぎず、
それで優越感に浸っているのだから、トップのみならず民度のレベルを疑ってしまった。
なん年経っても、なん十年経っても・・・ 鼻息が荒い、俺様気質は変わらないようである。
今回の侵略戦争における、情報の出方を見ると分ることがある。
ロシアからの情報は、政府の報道官を通しての発表(いわゆる大本営から)だが、
ウクライナから発信される情報の多くは、戦争に直接関わっていない民間人が、
スマートフォンを使って映像と音声を録画・録音し、
自らのSNSを介して、リアルタイムで世界に配信されている。
この情報の出方の違いを見ていると、
ロシアのトップが、戦勝記念日のスピーチで・・・ なにをどう喋ろうと、
国際社会は、彼が本当のことを言ってるのか、嘘を言ってるのか、はたまた強がっているのか?
素人でも見極められるんだから、ロシア国民は騙せても、国際社会は騙せない。
で・・・ 今後は、いったいどうなるのだろうか?
これはあくまでも私見だが、ロシアは戦費がかさみ、兵站の量と補給に支障がでてくることは必至で、
じり貧となることは間違いないだろうが、絶対に「まいった。」とは言わないはずだろう。
そこで、ソ連とアメリカの代理戦争に発展し、20年戦ったベトナム戦争に学べば、
20年とまでは行かないと思うが、決着がつくまでには、少なくとも1~2年はかかるだろうし、
ロシアも長期戦を覚悟して、戦略を切り替えていくのではなかろうか?
ベトナム戦争は、ソ連の支援を受けた北ベトナムが、
南ベトナムの首都サイゴンを陥落させたことで終結し、アメリカが負けたことになっているが、
実際は国際社会が戦況を取り上げたことによって、アメリカ国内で反戦の声が高まり、
結果として、撤退を余儀なくされており・・・ アメリカが降伏して終結したわけではない。
ベトナム戦争が終結して・・・ 早いもので、半世紀近い歳月が流れている。
当時の戦況に関する情報量と、それが伝わる速度を、現在のネット社会と比較すれば、
いまはメディアを通すことなく、あっという間に地球の裏側まで情報がとどく時代であり、
これからもロシア兵の死傷者が増え続け、その実態が国民の中にじわりと浸透すると、
いかに反戦の声を挙げづらいロシアであっても、反戦ムードが高まるのは必至ではなかろうか?
よって結果的には・・・ ベトナム戦争が終結したときのアメリカのように、
ロシアが自ら「負けた。」とは言わないが、
吉本新喜劇のように「これぐらいにしといてやる。」的な捨て台詞を吐き捨て、
名誉の撤退を選択する日が・・・ 近い将来やってくるだろう。
そしていま、ロシアのトップが目の敵にしている、ウクライナに存在するとされるネオナチは、
いまや・・・ ロシア軍の代名詞となっており、
今回の侵略が、論理矛盾を起こしていることは疑う余地すらなくなってしまった。
また、ウクライナの各地で、ロシア軍が行った略奪、強姦、殺戮など、想定を超えた蛮行の数々は、
先の大戦で悲惨な現場となった、ホロコーストを凌駕しているといっても過言ではなく、
ホロコーストを上書きして、歴史に刻まれることは間違いなく、
ロシア国民は、この先ずっと・・・ 批判に晒され続けていくことになるだろう。
ロシア国民が、政府が垂れ流すプロパガンダを信じ、思想教育を受け入れるなら、
それはそれで構わないし・・・ 他国がとやかく言うことではないが、
少なくとも自国の論理が、国際社会では通用しないということは学ばねばならないし、
自国の中だけに閉じて通用するものであって、それを国際社会に持ち込むことは許されない。
情報戦に完敗し、戦力においても押し戻されつつあるなか、
国際社会から、すっかり見放されたどころか、敵に回してしまったロシアに、
自壊が始まり・・・ 落日が近づいてきたようだ。
独善的な為政者に率いられた、哀れなロシア帝国に手を差し伸べるとすれば、
まずは、反省の意を明らかにするため、
国連安保理の常任理事国を、直ちに返上することであろう。
戦争を正当化するための拒否権なんて、あって良いわけないし、絶対に赦すわけにはいかない。
5月9日、すっかり覇気を欠いた、ロシアトップのスピーチを見て、
まだまだ安心して、復興を検討する状況ではないものの、
少しずつ、少しずつ風向きが変わってきていることは・・・ どうやら間違いないだろう。
悪魔に魂を売ったロシアのトップを、なんとしてでも戦争犯罪の法廷に立たせねばならない。
核兵器のボタンが、狂った為政者の手元にあるのは脅威だが、
だからといって、狂った為政者の機嫌を取って、なあなあに済まされる問題ではなく、
もうしばらくは・・・ 緊張の日々が続くことを、覚悟せねばならないのだろう。
振り返ってみれば、この国の為政者たちも、
約80年前に・・・ 許しがたい悪事を働いてしまったが、
悪魔に魂を売ることなく、共産主義国家や、覇権主義国家にならなかったことは、
いまとなっては・・・ 不幸中の幸いだったのかもしれない。
温暖化問題もあるんだろうが、為政者による判断ミスで、現在の世界経済を混乱に陥れた、
いわゆる諸悪の根源は、紛れもなく中国のゼロコロナ政策と、ロシアのウクライナ侵略であって、
国際社会に多大な迷惑をかけた両国が、
共産主義国家であり、覇権主義国家であることを鑑みれば、どこに問題があるのか分るだろう。
言わずもがなだが、両国ともに国連安保理の常任理事国なのである。
こんなバカげたことを、国際社会はいったいいつまで認めるのだろうか?
軍事力を行使する必要はないものの、
軍事力という、無言の圧力を背景にしない交渉事は、
チンピラや悪党が相手だと、屁の突っ張りにもならないことを図らずも学ぶことになった。
やれやれである。
ホントに残念だが・・・ やれやれの日々が、いましばらく続くのであろう。
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