時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

夏色 江の島

2022年07月05日 | 旅のつれづれ

多摩爺の「旅のつれづれ(その15)」
夏色 江の島(神奈川県藤沢市)

ライトブルーの空と、ダークブルーの海が、同化しようとする水平線に、
遙か遠く太平洋の海原から、長い時間をかけて相模湾にやって来た白波が立っていた。

名勝「江の島」に繋がる道に沿って、片瀬海水浴場を東西に分ける境川の河口では、
子ども連れの観光客が・・・ 波打ち際で戯れ、
その先の海では、急カーブ直後に、アクセルをフルスロットルにして体勢を立て直した水上バイク、
いやぁぁ・・・ 夏だね。

半世紀ぐらい前だったら、海開きを待って、海水浴に行きたいなんて思うが、
もうそんな歳ではないと、自覚しているものの、
夏と海の相性は抜群で・・・ ブルーの彩りに、ワクワク感が隠せない。

閑話休題、先週末に南の海で発生した台風が、週を跨いで列島に進路を変えいるようだ。
本来なら厄介者扱いの大量の雨と暴風だが・・・ こと今年に限っては、
水不足の解消と、猛暑の緩和に期待したいとの思いがあって、
いやいやながらも・・・ 被害がでないようにと祈りつつ、目を瞑りたいのが心情でもある。

海は繋がっているから、影響が出始めると・・・ あっという間に波が高くなり、
コロナ禍で、2年も仕事ができなかった「海の家」は、いきなり出鼻をくじかれた感は否めないが、
本格的なシーズンは・・・ これからだから、
しっかり稼いで、2年分の利益を取り戻して欲しい思う。

台風のお陰と言っちゃ、申し訳ないんだが・・・ 気温が少し下がって落ち着き、
窓を開ければ少しだが風もあったりして、なんとなく凌げる感じになってきたので、
北側の窓を開けて・・・ 10年ぐらい前の盛夏に、
女房と一緒に「江の島」に出かけたときのことを振り返り、ちょっと思いでに浸ってみたい。

2010年の7月、仕事から戻って、ひと汗流した後、
冷たいビールで・・・ 喉チンコをくすぐり、腸(はらわた)を潤すと、
「明日、休み取ったので、江の島にしらす丼でも食べに行かない?」なんちゃって、
ストレートだが、ロマンチックの欠片もない言葉で女房を誘ったら、
「行く行く。」ってことになり、翌日の「江の島」行きがすんなり決定していた。

東京でも内陸にあたる多摩地域の北部から、「江の島」に向かうとすると、
公共交通機関を利用して、概ね2時間程度かかるが
そこには、車窓から眺める景色も、町の雰囲気にも趣があり、
ちょっと途中下車してみたいような気にさせられる・・・ 三つのルートがある。

一つ目は、JR中央線から、小田急電鉄のロマンスカーを乗り継ぐ「藤沢駅」を経由するルート、
続いて二つ目は、JR東海道線から、湘南モノレールを乗り継ぐ「大船駅」を経由するルート、
最後の三つ目は、JR横須賀線から、江ノ島電鉄を乗り継ぐ「鎌倉駅」を経由するルートだ。
どのルートを選択するのか、「江の島」へお出かけの楽しみは・・・ まずそこから始まる。

いつもならロマンスカーか、江ノ電のどちらかで、悩ましいところだが、
あのときは不思議と意見があって、
二人とも乗ったことがない、湘南モノレールを選択することにした。

ところで「江の島」って・・・ いったい、なにが良いのだろう?
観光スポットは、頼朝が奉納したとされる鳥居と、波の浸食でできた海蝕洞(岩屋)に加え、
境内の清水で硬貨を洗うと、お金が増えるとの、ありがたい言い伝えがある銭洗弁天、
さらには「江の島シーキャンドル」という、展望台が設置された観光灯台ぐらい。

あとは江の島神社に向かう参道(坂道)に、お土産物屋さんと飲食店が軒を連ねているだけなのに、
訪れる観光客のほとんどの人々が・・・ それだけで満足するんだから、
関東の人からしたら「江の島」は、「江の島」であって、
それ以上でも、それ以下でもない・・・ ちょっと不思議な、遊び場なんだと思う。

ただ・・・ 「江の島シーキャンドル」の展望台から眺める湘南の海はチョー絶景で、
一度は見ておいた方が良いとの、太鼓判を押させてもらいたい。

「江の島」から逗子方面に多く見えるのがヨットで、
相模湾を渡る風を受けて、帆を大きく膨らませながら、軽快に走る姿は圧巻そのもの、
古い人間で恐縮だが・・・ まさに石原裕次郎さんの映画の世界がそこにある。

これはここに来ないと、まずもって見れない光景なので、一度は見ておいた方が良いと思うが、
お勧めしといてなんだが、ずっと見ていても飽きることはないものの、
お金持ちが楽しむ豪快なレジャーには、なにげに侘しさを感じてしまうこともあって、
ホドホドにしといた方が良いかもしれない。

そして・・・ 三つある「江の島駅」の方向に目を向けると、
左手に鵠沼海水浴場、真ん中に片瀬海水浴場、右手に腰越海水浴場が見え、
昭和の言葉で恐縮だが・・・ 「芋の子を洗う。」ぐらいの人々が海水浴を楽しんでいた。

なお、参道途中の食堂で食べた「しらす丼」は、
生しらすと、釜揚げしらすのハーフ&ハーフで・・・ チョー絶品
まさに地産地消の食材ならではの美味であり、
100点満点にプラスして・・・ 120点でも良いだろう。

そんなこんなで「江の島」での滞在時間は・・・ 4時間弱
ぶらっと「しらす丼」を食べに行くだけのつもりで、出かけたものの、
帰る頃には・・・ 熱中症になる一歩手前ぐらい、フラフラになっていた。

なにがどうって、特筆することはできなかったが、
夏の「江の島」は・・・ 一度は行ってみる価値がある。
これっ、太鼓判で間違いなし!

追伸
ところで・・・ 「江の島」は、ひらがなの「の」で江の島と表記するが、
江ノ島電鉄の最寄り駅は「江ノ島」、
小田急電鉄の最寄り駅は「片瀬江ノ島」で、二駅ともにカタカナ表記だが、
湘南モノレールの最寄り駅だけが「湘南江の島」と、ひらがな表記になっているのはなぜだろう?

それぞれに拘りがあるんだろうが、
東京にも「丸の内」を「丸ノ内」と表記する地名があるぐらいだから、
調べてみると・・・ けっこう面白いかもしれない。


まさに夏色、空の青と海の碧が同化する水平線を、区切るかのように白波が押し寄せてくる。

江の島シーキャンドルから逗子の方向を見ると、多くのヨットが潮風を受けてスピードをあげていた。
これって、裕次郎さんの世界かも・・・ この国には、お金持ちが多いようだ。

江の島シーキャンドルから眺めた腰越海岸の方面は・・・ 海水浴を楽しむ人々で溢れていた。
昭和の言葉で表現するとしたら・・・ 「芋の子を洗う。」といった方が分かり易い。

江の島でいただいた名物の「しらす丼」は、生と釜揚げがたっぷり入ったハーフ&ハーフ丼
これは・・・ マジで美味い。

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4 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2022-07-05 05:11:30
盛夏の江ノ島を見せていただきました。私は今年3月末に泊まりましたが、風の冷たい日で寒かったから、どこも観光せずに帰りました。今日こちらで盛夏の写真を見せていただいて、もう一度行きたく思いました。
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Unknown (多摩爺)
2022-07-05 06:47:30
水仙さん、おはようございます。

あくまでも個人的な思いですが、江の島はやっぱり夏が似合います。
機会があれば、万全の熱中症対策で、もう一度訪れてみてください。
しらす丼と、江の島シーキャンドルがお勧めです。
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Unknown (馬鹿も一心です。)
2022-07-05 09:26:44
高校生時代、小田急は、通学線、
海水浴客で、大和駅から乗れませんでした。
懐かしい思い出です。
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Unknown (多摩爺)
2022-07-05 10:24:23
馬鹿も一心さん、コメントを頂戴しありがとうございました。

地元の方は、地元ならではのご苦労があって、季節的なこととはいえ、大変だったと推察します。
普通の生活してたら、海の方から陸地をみることはまずもってないので、
江の島シーキャンドルからみた海水浴場は、けっこう衝撃的でした。
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