はんかくさいんでないかい。

八つ当たりブログである。だから誤爆はある。錯誤もある。情報の正確性も保証しない。でも、変なことは変だと言いたいのである。

他人様に大きなことを言える立場じゃないけど

2013年07月11日 | 日記

世の中には無駄に年ばかりとっている年寄りも多い。建前だけは御立派でも、実効が伴わない政治家も、こうした無駄に年ばかりとっている年寄りと大差ない。

福島原発事故の試掘した井戸から、想定外に大きな値で放射性物質が検出されている。2年前の事故当時の物質が流れ出ているのだ、などと抗弁していた東電も、今や「原因は分からない」などと言い出す。

事故発災直後から、小出裕章氏などは溶融燃料が原子炉格納容器を突き破り、環境中である地中に埋没している可能性を示していた。そうした溶融燃料が地下水と触れ、海への地下水流出に伴う汚染の広がりを防ぐため、地下に遮水壁などを構築するように提言していたのに、東電も政府も一切「反原発の専門家」の意見は取り入れないまま、結局、どう考えても小出さんが恐れていた汚染の拡散が始まったとしか思えぬ状況になる。

事故を起こした当事者が、事故をできるだけ過小評価したいのは当然なのだが、打てる手を打たないという態度は、もはや原発そのものを運営・運転する資格すら疑問視せざるを得ない。

米国の原子力規制委員会、つまりNRCは、職員数が5000人を超える大所帯である。しかも、原発に必ず常駐する技術者がいて、原発の運転状況や点検状況を把握し、報告をするという。NRCの職員の多くが、現場で使える技術者であるため、原発運用会社が好き勝手には出来ない仕組みなのだ。運転や点検などの技術に精通している日本の原子力規制委員会の職員が、どれほどいるのだろう。ちなみにNRCでは原子核工学を大学などで学び、選抜試験に受かり、更に1年半の専門教育を受け、その終了試験に合格して始めて「原発」への常駐ができる。日本の規制委員会の「現業」はどうなっているのか。その配置と、資格検査はどうなっているのか。ポンスケ保安院とレベルが変わらないようでは困るのである。

ちなみに、こうしたNRC職員の給与は、原発運営会社が上納した金から支払われる。現場のNRC職員は、原発職員と個人的交流が禁止されており、第三者機関として、原発のどこにでも検査名目で入り込むことができる権限がある。無論、不具合があれば上司に報告し、原発の運転停止なども命じる権限を持つ。果たして日本の規制委員会に、それほど現業に通じている人がいるかどうかは甚だ疑問である。だから、こうした様々な縛りと、事故が起きた際の保証、そのための保険金などを含め、原発での電力は「高い」と言うのが本当なのだ。

日本では経産省という原発推進の役所が「原発は安い」と、事故を起こさぬ安全神話に基づいた虚言を、未だに「通説」として述べる。コスト意識のこの欠落は、大規模設備を作れば作るほど、その設備費を電気料金に上乗せできるという、あほな仕組みのおかげで、ほとんど考えずに済んだ。

ところが原発事故は起きる。スペースシャトルだって落ちるのである。それ以上に杜撰な安全設計とやらが罷り通っている原発が事故を起こさないという方が「非論理的だ」と、ミスタースポックに成り代わって申し上げたいのである。

しかも、原発運転後の廃棄物を処理するための切り札として考えられていた「もんじゅ」に代表される核燃料サイクルは、実用の目処すら立たず、結果としてウラン原発運転で大量に出来上がったプルトニウムの処理に困り、プルサーマルなどという小手先の業で切り抜けようとする。で、プルサーマルで生まれた廃棄物は、これはもうウラン原発が作り出した放射性廃棄物どころの騒ぎじゃないほどの「危険」な燃え滓なのである。

イソップ童話には「アリとキリギリス」の話がある。キリギリスのように生きると、冬場は乗り切れないという話である。どうもこの国は、政府が道徳道徳道徳と騒ぐ割には、その政府の政策がキリギリスのように先を見ない不道徳なものにしか見えないのだ。一時が万事、すべてこうした目先のことだけである。ブラック企業にしろTPPにしろ、である。