ガラガラバッグを抱え気味に持ち上げて、ひたすら降りる息子。
途中の踊り場でちょいちょいと休みながら、持ち替えたりしつつ、なんとか降りきる。
マフラー巻いていたから、私は軽く汗をかいていた。
なんだかもどかしいので、小脇のバッグにしまう。
そして、千川通りを西へ、実家を目指して歩く。
実は、1ヶ月前なら自転車が2台駐輪場に所有してあったのだが、
すでに相当古くなっているし、自転車を使う回数も滅多にないことから、
廃品回収時に2台とも無償リサイクルに出してしまっていた。
これがあったらもう少しなんとか成ったと思っても、後の祭り。
それでもタクシーが拾えれば・・・・なんて思って、とにかく歩きだす。
元陸上部だった息子は、気が向けば今でも10㌔程度のランニングを続けていたりするので、
たとえガラガラを引いていても、そこはさすがの健脚。
嫌な顔ひとつせずに、どんどん歩く。
私も、歩調の速い息子になんとか合わせて テンポ上げ気味でついてゆく。
歩道では、電車が停まった影響だろう、通勤・通学の方たちも同じように大勢歩いている。
なにかの競技みたいな、例えればこれは「歩け歩け運動」とか「集団ハイキングの列」のような。
違うのは、スーツ姿で 気の毒にも足元が革靴だったりハイヒールだったりするわけで。
私は靴がランニングシューズだっただけでも、良かったことなのだ。
歩きながらもケータイで各所に連絡をとってみる、、、、も、さっぱり繋がらず。
少し行くと電話BOXを見つける。
手持ちの十円玉3枚を握り締めて、実家に電話をかけてみることに。
入ってみると公衆電話には、なぜかカード返却口にテレフォンカードがあった。
誰かがそのまま置いていってくれたものなのかな? 試しに入れると「2」度数ある。
ありがとう、誰かさん。 使わせてもらう。
公衆電話はすごい。 すぐに繋がった。
今いる場所を教え、あとどのくらいかかるか伝え、手短に切る。
そして、夫への連絡も試みる。・・・・夫の携帯へは2台とも、不通。。。がっくり。
ふと見ると、かけたい人が後ろに並んでいたので、諦めてBOXを出る。
多分、私は咄嗟に助け合いの気持ちが芽生えたのかもしれない、
使わずに済んだ手持ちの十円玉3枚は、次に待っていたおばさんに手渡してあげた。
「これも、きっとなにかの縁ですから使って下さい」なんて言葉も、咄嗟に出る。
おばさんも丁寧なお辞儀を返してくれる。
後で息子が、
「これもきっと何かの縁 なんて、キクちゃんの大喜利みたいなセリフじゃん」 と
笑点の林家木久翁の花魁の言い回しを引き合いに出す。
そうだね、と、二人で笑いあう。
そして、車道は渋滞し始めていた。
上り方向も、下り方向も。 ちょっと走行しては、停まってしまっている。
タクシーも数台いたがどれも乗車中、それか もしくは「回送」。
どうやらタクシーさんも帰宅の最中みたいだった。
そりゃそうだ。 みんな、自宅が 家族が 心配だもの。
もはや、タクシーの空車探しは諦め、
実家の車でお迎えという手段もこれでは・・・と諦め、
改めて、歩き出す。
半分くらいの距離だ。 あと半分ある。 歩き出して既に1時間経過。
~~~~~~~~~つづく~~~~~~~~~~
途中の踊り場でちょいちょいと休みながら、持ち替えたりしつつ、なんとか降りきる。
マフラー巻いていたから、私は軽く汗をかいていた。
なんだかもどかしいので、小脇のバッグにしまう。
そして、千川通りを西へ、実家を目指して歩く。
実は、1ヶ月前なら自転車が2台駐輪場に所有してあったのだが、
すでに相当古くなっているし、自転車を使う回数も滅多にないことから、
廃品回収時に2台とも無償リサイクルに出してしまっていた。
これがあったらもう少しなんとか成ったと思っても、後の祭り。
それでもタクシーが拾えれば・・・・なんて思って、とにかく歩きだす。
元陸上部だった息子は、気が向けば今でも10㌔程度のランニングを続けていたりするので、
たとえガラガラを引いていても、そこはさすがの健脚。
嫌な顔ひとつせずに、どんどん歩く。
私も、歩調の速い息子になんとか合わせて テンポ上げ気味でついてゆく。
歩道では、電車が停まった影響だろう、通勤・通学の方たちも同じように大勢歩いている。
なにかの競技みたいな、例えればこれは「歩け歩け運動」とか「集団ハイキングの列」のような。
違うのは、スーツ姿で 気の毒にも足元が革靴だったりハイヒールだったりするわけで。
私は靴がランニングシューズだっただけでも、良かったことなのだ。
歩きながらもケータイで各所に連絡をとってみる、、、、も、さっぱり繋がらず。
少し行くと電話BOXを見つける。
手持ちの十円玉3枚を握り締めて、実家に電話をかけてみることに。
入ってみると公衆電話には、なぜかカード返却口にテレフォンカードがあった。
誰かがそのまま置いていってくれたものなのかな? 試しに入れると「2」度数ある。
ありがとう、誰かさん。 使わせてもらう。
公衆電話はすごい。 すぐに繋がった。
今いる場所を教え、あとどのくらいかかるか伝え、手短に切る。
そして、夫への連絡も試みる。・・・・夫の携帯へは2台とも、不通。。。がっくり。
ふと見ると、かけたい人が後ろに並んでいたので、諦めてBOXを出る。
多分、私は咄嗟に助け合いの気持ちが芽生えたのかもしれない、
使わずに済んだ手持ちの十円玉3枚は、次に待っていたおばさんに手渡してあげた。
「これも、きっとなにかの縁ですから使って下さい」なんて言葉も、咄嗟に出る。
おばさんも丁寧なお辞儀を返してくれる。
後で息子が、
「これもきっと何かの縁 なんて、キクちゃんの大喜利みたいなセリフじゃん」 と
笑点の林家木久翁の花魁の言い回しを引き合いに出す。
そうだね、と、二人で笑いあう。
そして、車道は渋滞し始めていた。
上り方向も、下り方向も。 ちょっと走行しては、停まってしまっている。
タクシーも数台いたがどれも乗車中、それか もしくは「回送」。
どうやらタクシーさんも帰宅の最中みたいだった。
そりゃそうだ。 みんな、自宅が 家族が 心配だもの。
もはや、タクシーの空車探しは諦め、
実家の車でお迎えという手段もこれでは・・・と諦め、
改めて、歩き出す。
半分くらいの距離だ。 あと半分ある。 歩き出して既に1時間経過。
~~~~~~~~~つづく~~~~~~~~~~