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アブラゼミが鳴くタワマン

2024-08-01 01:55:00 | 日記




とある自然と都会を調和させた、
タワマンに、
ヒデミという40代女性が引っ越してきた。
株取引で財を成した夫と、
ミキオという名の男子小学生の3人暮らしやった。
階層はタワマンの真ん中やったから、
タワマンカーストでは、
平凡な一般人という地位を得ることになる。
けど、
友達が欲しい。

それで、
タワマンのママ友連中の輪の中に無理矢理入った。
特別に拒絶されることはなかったが、
お高くとまるママ友グループやった。
ひとりの奥さんが、
「宅の子は理科が大好きですの」と威張った。
するとその奥さんの男子小学生が顔色変えて駆けてきて、
「母さん、よしとくれよ!クラスのリカちゃんが好きだって言いまくるの!」と文句つけて、
立ち去った。
別の奥さんが、
「ホホホホホ。科目の理科じゃなく好きなクラスの女の子のことにござりまするね」と冷かした。
今度はメタボの奥さんが、
「あたしの子はやっとで古文ができましたのよ」と言った。
するとその奥さんの男子小学生がやって来て、
「母さんただいま」と言った。
奥さんは、
「おかえり」と言うと、
息子の男子生徒は後ろを振り返り、
「何グズグズしてるんだ!」と大声出した。
すると下級生の男子小学生がたくさん荷物抱えて、
「すみません」と詫びて、
息子の後ろに歩いて来た。
二人はそのまま歩き去った。
別の奥さんがメタボの奥さんに、
「あなたのお子様は古文が出来たんじゃなくて子分が出来たんでござりましょうが」と言って軽く笑った。

この一連のやり取りを見ていたヒデミは、
「人の特性はその人以外が口にするものではありませんわ。良いこと悪いことの基準は毎日の生活していく上での満足度にありますから」と言い返した。
すると、
メタボの奥さんがヒデミに、
「あなたは非血流(ひけつりゅう)ですのでナンとでも言いござりますことね」と不機嫌に言った。
別の奥さんも、
「田上明子様とヨウスケ様とは無関係の非血流(ひけつりゅう)にてござりまするね」と冷かした。
(2020年7月23日記事『アブラゼミが鳴く頃に😱』参照)
ヒデミは、
ママ友連中がナニを言ってるのかさっぱりわからなかった。
ママ友グループは、
「皆さま、田部村(でんぶむら)から田上明子様がそろそろ到着されます。結通祭(けつつうさい)のご用意を」と呼び掛けたので、
ママ友連中は移動しようとした。
するとヒデミも、
「あたくしも同行させてくださいな」とお願いすると、
メタボの奥さんが、
「本血流(ほんけつりゅう)におなりんさればようございますことよ、この非血流(ひけつりゅう)!」と言って、
加えて、
「隠さずに申し述べんすことどすが、あなたのお部屋は事故部屋にありんすことにござりまするよ」と厳しく付け加えた。
ママ友連中はヒデミを残して、
結通祭(けつつうさい)のある上階までエレベーターで移動した。

ヒデミは不愉快😤になりながらも、
事故部屋と知ったことの恐ろしさと、
ママ友連中の塩対応に心細くなり、
遂には、
ママ友連中に、
「本血流(ほんけつりゅう)として結通祭(けつつうさい)に加えてくださいな」とお願いした。
同時に、
ママ友連中は神対応し始めた。

すぐに結通祭(けつつうさい)が、
上階の大部屋で行われることになり、
白い着物に着替えたヒデミはそこで四つん這いになっていた。
ヒデミの後ろには、
田上明子がクリケットバットのような物を掲げ、
「ハァ~っ❗️バッコン❗️❗️」と叫んで、
クリケットバットでヒデミのケツを強く叩いた! 
ヒデミは教えられた通りに、
「イットぉしょー❗️❗️」と叫んだ!

こうして、
塩対応と事故物件を用いられて気が弱くなったヒデミは、
臀部村(でんぶむら)の祭神、
〈御臀部尻結乃命〉(おんでんぶしりけつのみこと)に血流が通じ、
本血流(ほんけつりゅう)として、
生まれ変わった。
その日以来、
事故部屋の恐ろしさは消え、
ママ友連中とは親友関係を築き、
夫と息子を、
結通祭(けつつうさい)で本血流(ほんけつりゅう)にすることを、
企てる毎日となった。



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