ゆめ教室での2年生男子生徒A君。
「なぁなぁ、おばちゃん聞いて~や。俺ん家、泥棒に入られてん」と話し出した。
その内容は…
先日の夕方6時頃、留守番をしていて一人で寝ていたらしい。
寝ていた45分の間に、自分のと母親の財布から、合計6万円ほどのお金が無くなっていたという。
家の中は荒らされた様子もなく、お金だけが無くなっていたと…。
その話を聞いて、私は「よかったなぁ、生きてて」と言った。
A君は「でも腹立つねん」と更に話を続けた。
A君の財布には、23,000円のお金が入っていたのに、7000円だけが残っていたという。
そのお金は、ゲーム機を買おうとせっせと貯めていたようだ。
「そのお金がないねんで~~!」
「しかも、オマエの財布に7000円入ってたのはおかしい…って言われるし」
延々、同じような話を続けるA君。。。
「腹立つ」「腹立つ」と盛んに言い続ける。
そりゃ、ゲーム機を買う為にコツコツ貯めていたお金が無くなるってのは、腹が立つだろう。。。
けど、A君の話はそれだけじゃなかった。。。
聞き続けていると、一人昼寝をしていた彼が両親に疑われた…と言う。
父親に「オマエが盗ったんやろ」と言われ、殴られなかったものの、今にも殴られそうになり、持っていたお金を全部取り上げられ、
「今度こういうことをしたら、普通に生活できん身体にしてやる。。。」 と言われたらしい。
辛くて悔しくて腹が立って…「オレやった」って言いそうになった…と。
A君の話を聴きながら、私は涙が出そうになるのを堪えるのに必死だった。。。
A君は続けた。。。
父親は、手が早く、小さい頃に蹴飛ばされて、家の隅まで転がっていったと。
少し前には、二の腕を殴られ、腕が紫色になって腫れが3週間もひかなかったと。
もしやられたら、武器を持ってやり返すしかないと…。
笑いながら話し続ける…。
悔しくて、悔しくて、たまらなかったと。。。
でも、反論すればするほど、余計なじられ殴られるだけだから、耐えた…と。
A君は続けた。
あんな親にはなりたくもないし、殺したい程に憎らしい。
死んで欲しい。
最低の人間や。
信じてもらわれへんねんで。。。
A君が“腹立つ”のは、お金が無くなったことじゃない。
勿論、それも腹が立つんだけど、
それ以上に腹が立つのは、親に疑われたこと。
笑いながら話すA君の叫びが痛い程伝わってきた。。。
「おばちゃん、ええお母さんなんやろな」と言って、彼は帰ってった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
A君に私は
「辛かったなぁ、我慢して偉かったなぁ、腹立つよなぁ」としか言えなかった。
そして、身の危険を感じたら逃げなアカン…と。
「どこへ逃げたらいいん?」
と聞かれても、「おばちゃんチにおいで」とは言えなかった。。。
話を聴き続けることしかできなかった。
「バイバイ」と笑顔で手を振って帰ってったA君の姿を見送りながら、色んな想いが私の心の中を去来した。。。
「なぁなぁ、おばちゃん聞いて~や。俺ん家、泥棒に入られてん」と話し出した。
その内容は…
先日の夕方6時頃、留守番をしていて一人で寝ていたらしい。
寝ていた45分の間に、自分のと母親の財布から、合計6万円ほどのお金が無くなっていたという。
家の中は荒らされた様子もなく、お金だけが無くなっていたと…。
その話を聞いて、私は「よかったなぁ、生きてて」と言った。
A君は「でも腹立つねん」と更に話を続けた。
A君の財布には、23,000円のお金が入っていたのに、7000円だけが残っていたという。
そのお金は、ゲーム機を買おうとせっせと貯めていたようだ。
「そのお金がないねんで~~!」
「しかも、オマエの財布に7000円入ってたのはおかしい…って言われるし」
延々、同じような話を続けるA君。。。
「腹立つ」「腹立つ」と盛んに言い続ける。
そりゃ、ゲーム機を買う為にコツコツ貯めていたお金が無くなるってのは、腹が立つだろう。。。
けど、A君の話はそれだけじゃなかった。。。
聞き続けていると、一人昼寝をしていた彼が両親に疑われた…と言う。
父親に「オマエが盗ったんやろ」と言われ、殴られなかったものの、今にも殴られそうになり、持っていたお金を全部取り上げられ、
「今度こういうことをしたら、普通に生活できん身体にしてやる。。。」 と言われたらしい。
辛くて悔しくて腹が立って…「オレやった」って言いそうになった…と。
A君の話を聴きながら、私は涙が出そうになるのを堪えるのに必死だった。。。
A君は続けた。。。
父親は、手が早く、小さい頃に蹴飛ばされて、家の隅まで転がっていったと。
少し前には、二の腕を殴られ、腕が紫色になって腫れが3週間もひかなかったと。
もしやられたら、武器を持ってやり返すしかないと…。
笑いながら話し続ける…。
悔しくて、悔しくて、たまらなかったと。。。
でも、反論すればするほど、余計なじられ殴られるだけだから、耐えた…と。
A君は続けた。
あんな親にはなりたくもないし、殺したい程に憎らしい。
死んで欲しい。
最低の人間や。
信じてもらわれへんねんで。。。
A君が“腹立つ”のは、お金が無くなったことじゃない。
勿論、それも腹が立つんだけど、
それ以上に腹が立つのは、親に疑われたこと。
笑いながら話すA君の叫びが痛い程伝わってきた。。。
「おばちゃん、ええお母さんなんやろな」と言って、彼は帰ってった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
A君に私は
「辛かったなぁ、我慢して偉かったなぁ、腹立つよなぁ」としか言えなかった。
そして、身の危険を感じたら逃げなアカン…と。
「どこへ逃げたらいいん?」
と聞かれても、「おばちゃんチにおいで」とは言えなかった。。。
話を聴き続けることしかできなかった。
「バイバイ」と笑顔で手を振って帰ってったA君の姿を見送りながら、色んな想いが私の心の中を去来した。。。