goo blog サービス終了のお知らせ 

『農』な生活

北の大地、北海道に北村という小さな村がある。そこに住む農業青年の『農』な生活のぞいてみませんか?

連作障害について

2005-06-18 23:25:18 | リクエストにお答えします
hiroさんのトラックバックの中で連作障害に関してもっと詳しく教えてほしいとの要望がありましたのでお答えします。

【連作障害とは】
昔の人は「いや地」とか「いや地現象」などと呼んでいます。
調べてみると江戸時代からいわれているようです。(作物を嫌う土地という意味合いのようです)
昨日の記事の中でも説明しましたが、何年も続けて同じ作物を同じ畑で作り続けると、うまく育たないという現象が起きてきます。(同じ科の植物もNGです)
生産者としては、限られた土地で何年も同じ作物を育てることが出来れば作業も簡単で楽なのですが、収量が減ったり、病気にかかりやすくなったりするので輪作(異なった種類の作物をローテーションさせる方法)します。

【連作障害の原因】
説明の前にhiroさんの意見にコメントしたいと思います。
>自然を見たら同じ所に、同じ植物が生えてますよね?
これに関して自然界と畑の決定的に異なる点は以下のとおり。
・自然界は多種多様な植物が生育しているのに対して農作物は他の植物(雑草)を除外して育てる。
・自然界の植物は遺伝子を残すために病気や気候変動に弱い遺伝子は淘汰されているのに対して、農作物は美味しい、多収なもの等人間の都合のいいように品種改良されている。
などがあげられます。
このことが連作障害の原因をつきとめるヒントになります。
一言に畑といっても、土と肥料と水と作物だけではありません。
土の中にはおびただしいほどの微生物がいます。
1gの土の中にはカビの菌糸で200m~500m。細菌の数は約10億個いるともいわれています。
その中には、植物の成長を助けるものもあれば(豆か植物に寄生する根粒菌など)、植物体に感染し枯らしてしまうものもあります。
微生物の餌は有機物です。植物の根っことか、枯死したものなどです。
一種類の作物を作るということは微生物の種類も偏ってしまうということです。
連作をすると、病原性の菌が作物の残渣(残りかす)や残根を餌に生き残り、次の耕作時に作物に感染する。これを繰り返すたびにどんどん溜まっていってしまいます。
また、土の養分やPHのバランスが崩れていると作物の抵抗性も低くなり障害を受けやすくなります。
ある実験では、連作すると病原菌自体が強くなるといった報告もあるようです。

【連作障害を回避する方法】
・輪作
「連作障害とは」を参照してください

・土壌消毒
施設園芸ではどうしても連作をしなくてはいけない場合が多いので、土壌消毒をして良い微生物、病原性の微生物を有無を言わさず殺してしまいます。
効果大
しかしながら増殖力の高い菌が優先的に増殖するので土の中の生態系は単純化してしまう恐れも。

・プロバイオティクス!?
微生物の世界にも生態系があり、多種多様な菌を存在させることで病原性の菌の繁殖を抑えることが出来ます。
人間でいう腸内細菌のバランスみたいなものですが、善玉菌(ここでは無害なもの&有益なもの)を増やす為に堆肥を入れる。
極めつけは同時に微生物資材(作物に有益な微生物を培養したもの)を投入する。

もちろん、微生物のバランスさえ整っていれば健全な作物が出来るわけではありません。
きちんと栄養バランスを考えた土作り、排水対策、病害虫の防除(病気の感染は土の中だけではは無いので適期防除は欠かせません)等など、総合的な努力が必要でしょう。
人の体も同じですね。

これが私の意見です。
他にも原因があると思うので(連作障害と関係があるかわかりませんがアレロパシーとか…)誰か知っている人がいたら教えてください。

hiroさんはメロンを作っているようですが連作しているんでしょうか?障害は出ていませんか?

明日は締め切り間じかの物があるのでブログお休みします。

エジプトの農業2

2004-12-26 19:26:40 | リクエストにお答えします
前回はエジプトの農業について私の想像できる範囲で書いてみましたが、
ちょっと堅苦しかったので、今回はちょっとなじみやすい話題を提供してみようと思います。

エジプトではスーパーなどは見当たらなく(もしかしたらあったかもしれませんが)
新鮮な果物や野菜はバザール(露店)に並び売られています。
エジプトの人は色彩感覚に優れ非常にきれいに並べられています。

エピソードとして赤、黄、茶など色とりどりの香辛料の中に一つだけ真っ青な粉が売っていたので
これも香辛料か聞いてみましたがその正体は…「ブリーチ」…漂白剤でした。
安全性より見た目が大事なエジプト人でした…

観光地のバザールでは日本人を見つけると「見るだけただ」「バザールでござーる」「やくざ」
などと誰が教えたのか変な日本語を連発しながら寄ってきます。
油断すると囲まれてしまうので注意しましょう
(はっきり断れば怖いことにはならないので安心してください)。

エジプト料理は…
旨味や甘味に乏しく塩味がとても濃かったので私の口には合わなかったです。

唯一美味しかったのはどこかの食堂のモロヘイヤスープ。
モロヘイヤのトロトロ感たっぷりの不思議なスープでしたがとても美味しかったです。
(別なところで食べた乾燥モロヘイヤを使ったスープは美味しくなかったです。)

モロヘイヤはほうれん草(こちらも栄養価が高い)に比べ、βカロチンは約5倍、
カルシウムは9倍、ビタミンB1、B2は5倍含まれており、ビタミンC・E、カリウム、鉄などが
他の緑黄食野菜に比べて、はるかに多く含まれています。

機能的に見ても、免疫の活性化、がんや老化の予防、骨粗鬆症の予防、胃粘膜の保護、疲労回復、
高血圧予防、精力増強作用、肌や皮膚を若々しく保つ美容作用、貧血の予防など様々な効果が期待できます。
さらに、モロヘイヤのヌルヌルとしたねばりには、水溶性の食物繊維が豊富に含まれており
コレステロール低下作用、便秘を改善、肥満や糖尿病予防、大腸がん予防など、
生活習慣病(成人病)の予防にも優れた効果があるそうです。

これだけ効能があるとクレオパトラも美容と健康のために好んで食べていたのも納得できますね。

今度はビールの起源でも調べてみようかな…。

エジプトの農業

2004-12-26 19:24:12 | リクエストにお答えします
村人1です。
投稿ペースが鈍ってきてますね…。
なんとか簿記の入力もひと段落。
修理中の車も2,3日で帰ってくる様子。
今年も残りわずかですが年内のゴタゴタは年内で収まりそうで一安心。
(御祓いも行ったし…車も帰ってきたら御祓いしとこうかな。)

では今回のブログは
「いただいたコメントの中から「農」「食」のここが知りたい!という要望がありましたら積極的に調査していこー!企画」ということで

以前「U-1さん」からエジプトの農業についてUPしてほしいという要望がありましたので、
調べてみました…がなかなか資料が無かったので旅行中に気のついた点を中心にご紹介したいと思います。

エジプトの国土は約95%が砂漠で農地を含む人の住める場所は、南北に通るナイル川流域の
細長い部分のみです。(砂漠の砂持って帰ってきました。)

古代ナイル文明の時代から毎年「ナイルの氾濫」により肥沃な土壌が運ばれ農業が発展しましたが、
1900年代の中ごろにアスワンダムが建設され「ナイルの氾濫」が無くなり肥沃な土壌が
補給されないので土地が痩せてしまい、農地が荒れてしまった。
…と習ったような気がしていましたが実際に行ってみて、灌漑(水路の設備)が整っており
以外と近代的なのかなと感じました。
飛行機から見るとナイル川に沿って碁盤の目上に水路が張り巡らされ、整備された畑を見ることができます。

問題があるとすれば(私の想像です)
○ナイルの氾濫による肥沃な土壌が補給されなくなる。
             ↓
○痩せた農地で作物を取るために化学肥料を多く使用するようになる。
             ↓ 
○砂漠地帯特有の強い太陽光により土壌水分の蒸発し化学肥料のカスである
 塩類が土壌表面に蓄積され作物が育たなくなる。(日本でもビニルハウスの中で起こります)
 といったことが考えられます。

塩類が集積された場合の対処方法はとにかく水をかけまくってその濃度を下げるというテクニック
があり乾季でも水量のあるナイル川の水で対処しているのかな~と勝手に想像しています。

余談ですがこのテクニック粘度の強い土では効果があまり無いです。砂が多く水が浸透しやすい土向きです。どちらにしても塩類が集積してしまうと元に戻すのにとてつもない労力がかかります。

人間が思っている以上に自然のシステムは複雑で、良くできています。
人間がこうしたほうが良いと思って自然を少しいじると予想もしなかったような悪い影響が様々なところで出てますよね。
農業は自然を相手にしているのだから作物を工場のように作るのではなく
従来日本がやってきた自然の摂理に合わせた農業をやっていきたいなーと思います。

昨日、宮崎駿監督の天空の城ラピュタでシータも言ってましたが「人は土から離れては生きていけないの」という言葉に共感する今日この頃。
(たぶん私以外にも共感する人は多いのでは?)

ちょっとエジプトの話とは離れてしまいましたが今回はこんな感じで…。