特科連隊とはと、書いて見るつもりがほとんど分からなくなっている。
特科とは大砲の部隊であることは間違いない、第5特科第1大隊105ミリ榴弾砲の部隊である。
部隊は、補給科、1~4中隊迄でだったと思う。
1中隊の保有の火砲数、4門か6門だったか忘れた、火砲1門につき班長以下9名、他に、前進観測班、通信班、測量班とそれぞれの役目がある。中隊総勢80名位だったかと。
大砲を打つとは、年間何回かの射撃場の実射訓練であ。第5特科の演習場は、綺麗な湖の有る、然別湖連山の麓である。
野営訓練となれば、それぞれの中隊がまず最初に作るのが、トイレである。必要な分の穴を4角に掘る、立ち木を伐採、跨って丁度良い巾に、しっかりと渡し固定して、昔からの堀トイレの完成である。周りを簡単に立木で囲えば立派なトイレとなる。こんな仕事は田舎の百姓お手の物。
寝るのは、個人用の簡易テント、このテントは常に折りたたみのスコップと背嚢に巻付けてあり、雨のことも考えしっかりした場所に設置する。
実弾射撃、射撃場にトラックら牽引された大砲は大きく動かさなくてもいい方向を向け、切り離される。
ここからが砲手、特に2番の照準手の手際よさが求められる。
どの方向に砲首を向けるのか、指揮所から方向が指令される。
指令された方向を眼鏡にセット、この時の眼鏡内は磁北線に対して指令された数字がプラスされる、これで方向が決まり剽悍の設置である(剽悍)とは、工事現場で何時もみられる、赤白のポールである。
(すでに設置場所付近にいる者に左手で指示を出す。大きく右左は掌を動かし、起点を決め打ち込ませる、曲がりに関して小指で頭を指し、小さく動かして、OK、次に30mほど先の2本目の設置、設置者から見た場合、眼鏡と1本目の物を見れは大体が良い所に起点がわかり2本目は早い。ここで発射した時の反動を抑える為、開いておいた脚の端にある制動版に合わせて穴掘りである。ここで使われる道具はすでにトラックから降ろされ用意済みである。
脚を降ろしセット終了である、間を置かず、高低の指示が出る、高低とは、大砲の位置の高さと目標物との高さの違いである。ここまでには大砲が架台の水平も出しておかなければならない、ここからがそのつど動かなければならない高角と方向である。高角とはで出てくる装薬との関係が大きい、高角とは、弾の撃ちだす角度である角度を大きくすれば飛距離が伸びる。高角よしで、方向がの指示が出る。眼鏡に出された方向のセットをし剽悍に照準を合わせる。ここで弾のセットである。
弾の直径105ミリ、弾の先に付いている信管にはいくつかの種類がある。
通常使用の弾は瞬発信管、着弾する少し先の空中で破裂される信管、なんと言ったか忘れた、遅発信管とはいったん地中にもぐり跳ね上がった時点で爆発する信管で有る。
ここで信管の指令、続いて装薬、装薬とは、薬莢に入れる火薬の事、1~7までそれぞれの袋に入れられ誰にも分る表示かなされている、飛距離3千メートルほどで装薬3である、装薬よしで、1~3までの装薬を薬莢に入、弾と薬莢を継ぎ合わせる。残りの装薬の始末が悪いと事故が起こる。
ここで装填、弾薬手が弾を装填口に押し込む、肝心なことを忘れた。1番手が押し込んだ弾丸をしっかりと押さえる最重要な物、これを閉めて装填よしで有る。発射待ちとなる、発射の号令で、中隊一斉に発射、大砲発射位置から飛ぶ方向を見れば、弾が黒点となり消えていく。後方の中隊の打った弾がひゅうひゅうと音を立てて飛んでいく。
特科は敵と相対しての撃ち合いではないあくまでも、歩兵部隊の後方支援である。撃つまでの間に前進観測班当然、測量、通信などいくつもの部署が関与している、撃った弾が、目標のどこに落ちたのか、前進観測班がこれに対して、何回となく左右前後と指示を出す、命中などあろうはずもない。
ポールに照準を合わせる、日本兵もこうだったたのだろうか。
最初の方の方向から剽悍たてまでの順序など大違いかも。いずれにしても昔の話、自衛隊法に引っかかる話ですらない。