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「笑いについて」   ~芸人さん、お笑い番組、DVDなどについての雑感~

好きな芸人さんは、バナナマン、東京03、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、サンドウィッチマン、有吉弘行など。

『THE MANZAI 2012』認定漫才師50組発表

2012-08-25 | 賞レース
ナイナイ、Hi-Hi、笑い飯が心境語る「THE MANZAI 2012」

http://natalie.mu/owarai/news/75367

M-1王者が3組も入っていたり、名の知れたコンビが沢山いたり、今年のTHE MANZAIはカラフルですね。

お笑い好きなら一度は考えたことがあるであろう、「歴代M-1王者で一番面白いのは?」というテーマ。
たった3組ではありますが、直接対決が実現する可能性があるわけですね。

「THE MANZAI 2012認定漫才師」

アインシュタイン、赤い自転車、★アルコ&ピース、★囲碁将棋、★ウーマンラッシュアワー、
ウエストランド、S&L、★エルシャラカーニ、エレファントジョン、オジンオズボーン、COWCOW、
★学天即、勝又、★さらば青春の光、三拍子、★磁石、シャイニングスターズ、★ジャルジャル、
ジャングルポケット、新宿カウボーイ、★スーパーマラドーナ、★スパローズ、★スリムクラブ、
★ダイノジ、タイムマシーン3号、タモンズ、チーモンチョーチュウ、★千鳥、天竺鼠、★テンダラー、
Dr.ハインリッヒ、★トレンディエンジェル、中川家、★流れ星、2丁拳銃、ニッチェ、NON STYLE、
パープーズ、★Hi-Hi、★ハマカーン、★風藤松原、ボーイフレンド、★マヂカルラブリー、
マシンガンズ、モンスターエンジン、ライセンス、レイザーラモン、ロザン、和牛、笑い飯

(50音順、★印付きは昨年の認定漫才師)。

R-1ぐらんぷりの審査について

2012-03-21 | 賞レース
「R-1ぐらんぷり」準優勝スギちゃんブログにコメント3000超……優勝だったの声も

http://s.rbbtoday.com/article/2012/03/21/87459.html


2010年のM-1ではスリムクラブに、昨年のTHE MANZAIではナイツに、
同様の意見が寄せられましたね。視聴者は派手さを重視するけれど、
プロは上手さや安定感を見ることが多く、そこに評価のギャップが生まれます。

何を面白いと思うかは人それぞれで、審査員がどう思おうが関係ない…と
僕は思うのですが、自分の思う結果にならないと納得しない人や、本気で
打倒する気がないくせに権威に噛み付く人は多いようですね。

見方は一つじゃありません。「何だあの審査員、バカじゃないの?」と言うより、
「なぜ審査員と自分の意見は違うのか」を考えた方が意義深いと思うんです。
普通に考えたら、お笑いの世界に何十年もいる人よりも自分の審査眼の方が
優れていると即座に信じ込むのは、あまりに傲慢な話です。

単純な面白さと、芸としての面白さって、多分ちょっと違うんですよね。
極論ですが、例えば佐久間一行さんが練りに練ったネタを披露するより、
高倉健さんが出てきて下ネタでも言った方が、インパクトもウケも上でしょう。
じゃあ高倉さんが出たらR-1優勝かと言うと、それは何か違う気がします。

その一方、芸人は素人を笑わせてこそ商売が成り立つわけですから、
もっと単純に、「素人をたくさん笑わせた人が優勝」でも良いような気もします。

その辺は考え出すと難しいんですが、少なくとも、自分が納得行かなかった
からと言って、笑い飯やパンクブーブーや多田さんや審査員らに批判の矛先を
向けるのだけは、浅はかな行為と断じても良いと思います。

R-1ぐらんぷり2012

2012-03-20 | 賞レース
R-1にしろM-1にしろ、「一番面白い芸人を決める」と謳ってはいますが、
プロの芸人が審査をする以上、単純な面白さだけでは決まらない、というのが現実です。

決勝のメンツを見た時、僕は友近さんが優勝候補の筆頭で、他に優勝の可能性があるのは
多田さん、徳井さん、ヤナギブソンさんくらいかなと思いました。そして対戦のシステムや
組み合わせを見て、川島さんや大悟さんは消えたな、と確信しました。
ブロックごとに決勝進出者を決めるシステムでは、荒い芸風の人は残りにくいからです。

荒さというのは諸刃の剣と言いますか…爆発力は出るんですけど、やはりプロは丁寧な
芸風を好む傾向がありますから、こういう大会での優勝は望めなくなってしまいます。
プロからすれば、「爆笑=面白い」とは限らない。結果として、視聴者の印象との間に
ギャップが生まれ、フラストレーションの原因となったりします。

友近さんに勝った時点で、多田さんの優勝はほぼ見えていました。

個人的には、誰が優勝するかなんてことには興味がなく、川島さんや大悟さんの
ネタが見られたのが嬉しかったです。特に大悟さんのネタは好きでした。
意表を突く出だし、短い時間にひと山ふた山ある展開、分かりやすいストーリー。
ただ、最後の「キャンタマ」がちょっと弱かったのが残念。「キャンタマ」が10位で、
1位にもっと面白いワードを持ってきていれば完璧でした。

川島さんはもう滅茶苦茶でしたけど、爪痕は残したと思います。

R-1で優勝したからと言って売れっ子になるわけではないことは、過去の大会を見ても明らかです。
それよりも、何らかのインパクトを残す方が大切なんじゃないかと思いました。
特に、ネタ番組がほぼ絶滅してしまった昨今では…

THE MANZAI 2011

2011-12-17 | 賞レース
参加組数が約1500。芸歴に制限がなくなったにもかかわらず、第1回のM-1(1603組)よりも組数が
少なかったのは、アマチュアの参加が出来なくなったことや、新しい大会ということで「様子見」をした
芸人が多かったことが理由でしょうか。

それはともかく、芸歴が不問になったことにより、芸の成熟度にかなり差のあるコンテストとなりました。
「しゃべくり」が極めてナチュラルに聞こえるコンビがいる一方で、ただ覚えてきた段取りやセリフを
言ってるだけにしか聞こえないコンビも少なくありませんでした。こう思うのは自分だけかもしれませんが、
いかにも「ネタやってます」感が出ていると、なかなか感情移入できないんですよね。

今回目立ったのは歌ネタ、それと「ちゃんとネタやろうぜ」的な、従来の漫才のフォーマットを
パロディ化したネタ。良し悪しは別にして、個人的にはちょっと食傷気味な所があります。
ただ、どんなタイプのネタであっても、理屈を超えて笑わせてくれるのが「強い芸人」なのであって、
最終決戦に残った4組には、そういった強さが確かにありました。

パンクブーブーはさすがでしたね。お互いに一度ずつ大きな「噛み」をやらかしましたが、それ以外は
ほぼ完璧でした。僕は、佐藤さんが、いかにも「今からボケますよ~」と言わんばかりの声色を作るのが
あまり好きではないのですが、それでも思わず笑ってしまうほど凄いボケの連発でした。
黒瀬さんのツッコミも素晴らしい。色んなツッコミ芸人の良い部分を集め、くどい部分は排除して
絶妙にブレンドしたかのようなツッコミには、相当な努力の跡が伺えます。

ナイツ。惜しくも優勝は逃しましたが、僕としては2組優勝でも良いんじゃないかと思うくらいでした。
小さなボケを連打していくタイプのコンビだけに、「ナイツの笑いの上限はこの辺だろう」と
どこかで勝手に決め付けていた所があったのですが、今回それを超えてきたので驚きました。
それと、「のりピー」やヘロインのくだり…こんなネタをやって大丈夫かとドキドキしてしまいました。

千鳥も、しっかりインパクトを残しました。彼らは芸風が荒い(ネタが未熟という意味ではなく)ので、
失点を最小限に抑えないといけない賞レースには不向き。よって優勝はないなとは思ったのですが、
ちゃんと自分たちの味を出し、お客さんのハートを掴むことにも成功しました。M-1では常にアウェイ感が
あった千鳥が、ついに全国ネットのネタ番組で観客を取り込むのを見た瞬間でした。

そして、今回初めて見たHi-Hi。千鳥よりも更に荒いコンビでしたが、アドリブで思わず言ってしまった
という「漫才楽しい!」「お前の18年間を放り込んでこい」といった言葉や自由奔放なボケには、
出来不出来を越えたパワーがありました。

また、個人的に好きな華丸大吉やハマカーンも、自分たちの個性や実力をしっかり見せたと思います。
華丸大吉は大人にしか出来ない渋いテーマの漫才を貫き、ハマカーンはお馴染みのパターンに
強度を増したネタをぶつけてきました。

それと、優勝後のインタビューで黒瀬さんが語ったように、「お客さんが緊張していなかった」ことも印象的でした。
M-1は、緊張感が強くなりすぎました。それゆえに人気コンテンツになったという部分もありますが、
緊張が観客にまで伝わり、もはや誰にも制御できないほど巨大化してしまっていました。
その点、この大会はオープニングから茶番劇があり、更にたけしさんの悪ふざけもあったおかげで、
出場芸人たちに笑顔が見られました。

「もう少し出場芸人や審査員の声も聞きたかったなあ」とか、「最終決戦進出コンビのネタをVTRで
振り返るコーナーは要らなかった」とか、「このコンビが決勝に出るの?」といった不満はいくつか
ありましたが、ぜひ来年も続けて頂きたい大会だと思いました。

それと、大きな大会を2つも制したパンクブーブーには、是非とも売れて欲しいものです。
トークだって、つまらないわけじゃないんですから。


最後にどうしても言っておきたいのは、自分が面白いと思ったコンビが優勝できなかったからといって
大会を全否定するような馬鹿なことは、いい加減やめにしたら?ということです。
僕はパンクブーブーとナイツ、どちらが優勝してもおかしくないと思いましたが、中には
「千鳥が一番だった」「テンダラーが一番だった」とかいう声もある。言い出したらキリがないでしょう。
そんな批判で溢れているのを見るにつけ、国民投票が過度に反映されなくて良かったなあと心底思います。
どう考えたって、平均的にはプロの方がちゃんと見れてますよ。

R-1ぐらんぷり2011

2011-02-11 | 賞レース
ピン芸人の日本一を決める「R-1ぐらんぷり」。
今年は、初めてトーナメント形式が採用されました。
1回戦、準決勝、そして決勝と、最高3回のネタ披露は、
基本的にはネタが多彩な芸人に有利なルールかと思います。

1回戦は、○山田與志(COWCOW) × ●キャプテン渡辺
      ○AMEMIYA × ●木村明浩(バッファロー吾郎)
      ○真栄田賢(スリムクラブ) × ●ナオユキ
      ○佐久間一行 × ●ヒューマン中村

準決勝は、○AMEMIYA × ●山田
      ○佐久間 × ●真栄田

そして、決勝はAMEMIYAさんと佐久間さんの戦い。
AMEMIYAさん、さすがに3回続けて同じような歌ネタでは食傷気味。
佐久間さんのネタが始まり、最初の10秒ほどで勝者は分かりました。
佐久間さんは安定感がありますし、最後のネタなんかもよく出来ていました。

その他には、キャプテン渡辺さんと木村さんのネタが
個人的には面白かったです。

R―1という大会は、どうしても地味になってしまいますね。
ピン芸人が作り込んだネタで笑わせるのって、本当に難しいと思います。

コンビなら、コントか漫才の形にあてはめればネタも作りやすいですが、
ピンだとスタイルの自由度が高いぶん、逆に「どうやって作ればいいのか」と
悩むことも多いのではないでしょうか。

ツッコミは笑いを増幅させる役割を果たしますから、コンビの方が笑いは
大きくなりやすい。ピン芸は、どちらかと言えば「クスクス笑い」に
向いた形態かもしれません。

それはともかく、無名の芸人でもゴールデンタイムにネタを披露できるR―1は、
ピン芸人にとって大きな励みになっていることは間違いないでしょう。

M-1グランプリ2010

2010-12-27 | 賞レース
最後のM-1は、異様な緊張感の中、笑い飯が悲願の優勝。
しかしそれは、今までに見た笑い飯とは違っていました。
昨年大好評を博した「鳥人」に類似のネタを2本並べる必死さ、
そして優勝が決まり涙ぐむ姿。


順番にネタを追っていきましょう。

まずはカナリア。優勝はないと思っていたので、比較的
リラックスして見られました。歌ネタで軽い笑いを取り、
トップバッターとしてはまずまずの仕事をしたと思います。

2番目はジャルジャル。発想は素晴らしいし、新しいものに
取り組む姿勢も素晴らしい。ただ、表現力が足りないと言うか・・・
自分たちの頭の中で面白さが完結してしまっている印象。

3番目はスリムクラブ。間違いなく、今回一番のインパクトを残した
コンビと言っていいでしょう。矢継ぎ早にボケていくスタイルでないと
勝つのは難しいと言われる近年のM-1の傾向に見事に逆行し、
恐ろしいほどたっぷりと間を取った異形の漫才。
異様な間、異様なボケ、異様なツッコミ。全てがハマっていました。

4番目は銀シャリ。上手いのだけど・・・その上手さもまだまだ
未完成な感じがするし、ネタにも飛びぬけた面白さがない。
スリムクラブの直後という順番も不運でした。

5番目はナイツ。悪くはない。ボケは文句なく面白いし、
ツッコミはますます上手くなっている。
しかし、決勝に出る度に印象が薄れていくのはなぜだろう。

6番目、本命の笑い飯。ネタは良かったのだけど、
テンポが走り気味。もう少し落ち着いて出来たら最高だったのですが、
最終ラウンド進出には充分なクオリティ。

7番目、ハライチ。面白いし、上手くなっている。
でも、ネタは昨年と全く同じタイプで、見飽きた感は否めない。
もう一つ変化球があれば良かったのですが・・・

8番目、ピース。キングオブコントで見たネタが面白かったので
期待したのですが、極めてオーソドックスな漫才に終始。
ボケもいまいち。意外と高得点が出たのでびっくりしました。

そして9番目。敗者復活の前回王者、パンクブーブー。
さすがの安定感。入り組んだ展開のネタも素晴らしく、
堂々の最終ラウンド進出。


結果、最終ラウンドに進んだのはパンクブーブー、笑い飯、
スリムクラブの3組。個人的には笑い飯を応援していましたが、
1本目のネタでの緊張が気になりました。安定感あるパンクブーブーが
雰囲気に呑まれるとは考えにくく、これは連覇もあるかも、と思いました。

まず結果から言うと、奇しくも3組とも、1本目と同じ傾向の
ネタを選びました。

最終ラウンド、1組目はスリムクラブ。彼らは新顔、すなわち
観客の目が慣れていないので、同じ傾向のネタはむしろ正解。
期待感にバッチリ応えた形になり、怒涛の爆笑を巻き起こしました。

2組目、笑い飯。正直な感想は、「あれ、笑い飯も同じようなネタ?
しかも1本目よりレベルダウンしてる・・・」
これでますます、パンクブーブー優勝か、の思いが強まりました。

ところが・・・パンクブーブーまでもが1本目と同じようなネタ。
あまりにもボケのタイプが同じなので、きっと何か裏切りの展開が
あるに違いない、と思っていたら、そのまま終わってしまいました。


3組のネタを見終えて、すっかり悩んでしまいました。
笑い飯はイマイチ、パンクブーブーは外した。
かといってスリムクラブは異物感が強すぎて・・・
果たして、彼らに「漫才日本一」の称号を与えていいものか。

審査員たちの結論は、3票がスリムクラブ、4票が笑い飯、
そしてパンクブーブーが0票で、笑い飯が優勝。
何だか煮え切らない思いもありますが、今回に関しては
この結果しか有り得ない、という意味での納得感はあります。

お世辞にも会心の出来というわけではありませんでしたが、
笑い飯の優勝はやはり感動的でした。

いつも「爆発」を期待されるのは笑い飯ですけど、
今回は手堅くまとめてきましたね。大爆発はなく、でもチンポジもなく、
昨年ウケたネタと同系統のネタを2本並べる周到さ。
パンクはあまりに同系統すぎてハズしましたが、笑い飯はあそこまで
同じではなかった。笑い飯に相応しくない形容かもしれませんが、
やや地味でも高い点数で安定していたのが勝因だったと思います。

ちなみに、個人的に一番パーフェクトに近かったネタは、パンクの1本目です。
昨年は笑い飯の1本目が最高で、2本目はハズした。
結果、安定してハイレベルだったパンクが優勝。ちょうど今年と逆ですね。
少なくとも年末年始あたりまでは、M―1の余韻が続くのでしょう。

M-1審査員

2010-12-21 | 賞レース
「M-1グランプリ」の今年の審査員が発表されました。
島田紳助さん、松本人志さん、渡辺正行さん、中田カウスさん、
南原清隆さんといったお馴染みのメンツに加え、さまぁ~ずの
大竹一樹さん、雨上がり決死隊の宮迫博之さんが
抜擢されたことが話題となっています。

これはあくまで予想ですが、ただでさえ注目度の高いM-1、
しかも最後の大会ということで尻込みし、多くのベテラン芸人たちが
審査員のオファーを辞退したのではないでしょうか。
その結果として大竹、宮迫の両名にお鉢が回ってきたのか、
最初から「次はもう少し若い人を入れよう」という計画が
あったのかは分かりませんが・・・。


あまりにも予想外の抜擢であるため、現時点では賛否両論、
あるいは「否」の意見の方が少し多いかもしれません。
しかし、M-1審査員の選考に対しては、どういうメンツになっても
必ず誰かは批判するもの。これがベストかどうかは
分からないけれど、決して悪い人選だとも思いません。

審査員の顔ぶれを見ると、主にコントをやってきた人たちが多い。
ならばコント寄りの漫才をするコンビが有利かと言うと、
そう単純には行かないような気がします。自分たちが
どのようなネタをやってきたかということと、公平な視点が
持てるかどうかということは、必ずしも同じ話ではない。

何より彼らは皆、笑いに真剣に取り組んできた人たちであり、
数限りない芸人を間近で見てきている。そこを信頼すべきでしょう。


個人的には、大竹さんや宮迫さんがどのような審査をするか、
どのような目で若手を見るのか、非常に興味があります。

宮迫さんが若手に対して暖かい視点を持っていることは
「アメトーーク」で証明済みですが、大竹さんは謎。
熱いお笑い論を語ることが嫌いではない三村さんに比べ、
そういうことを人前で語るのを良しとしない傾向のある大竹さんの
お笑い論は、ある意味でベールに包まれていますからね。


「審査員が何を見て、何を言うのか」も、M-1の楽しみの一つ。
そんなコンテストは、なかなかありません。
過去のお笑いコンテストでは、門外漢が審査することも珍しくなかった。
それだけでも、M-1がいかに「笑いに真剣」な大会であるかが分かります。

M-1、今年で終了

2010-12-13 | 賞レース
若手漫才師たちに夢を与えた「M-1グランプリ」が、
10回目となる今年をもって終了するそうです。

寂しい気持ちと、「潮時かな」という気持ちが半々です。
何年か前に紳助さんが「もう止めようか」みたいな話をしていたので、
ある程度の役割を果たしたら終わりにするということは、
以前から決まっていたのかもしれません。

芸人の地位や評価を上げたという功績がある一方で、
素人が評論家気取りで芸にダメ出しする傾向に拍車を掛けた
面もありました。不思議なもので、同じように「お笑い好き」を自認しながら、
芸人に敬意を払う人とそうでない人がハッキリと別れています。
個人的には、愛情のない批判は読む価値がないと思っていますが。

あと、よく「○○はM―1優勝したのに売れないね」みたいなことを
書く人がいますが、M―1で優勝することとテレビで売れることは
また別問題ですからね。優勝してすぐに売れたのって、
アンタッチャブルとチュートリアルくらいでしょう。

ただ、これだけ金になるソフトを、あの吉本が何の損得勘定もなしに
手放すとは思えません。恐らく、何らかの「次の一手」の構想は、
既に練っているのではないでしょうか。

まあそれはともかく、数々のドラマを見せてくれたM―1に
感謝するとともに、今年の予想など軽くしておきます。

ネタ順は、

1. カナリア
2. ジャルジャル
3. スリムクラブ
4. 銀シャリ
5. ナイツ
6. 笑い飯
7. ハライチ
8. ピース
9. 敗者復活戦勝者

ということで、新顔の3組から安定感のある2組を経て笑い飯、
ハライチ、期待のピース、敗者復活と、なかなか面白い流れだと思います。
この中で、M―1特有の「爆発」を見せる可能性がありそうなのが笑い飯、
ピース、そして敗者復活組でしょうか。
安定感プラス爆発力で、やはり笑い飯が優勝の最有力候補かなと思います。

逆に、その3組の爆発がなかったり、最終ラウンドのネタ選びを
ミスした場合には、ナイツか銀シャリが優勝に近くなるでしょう。

というわけで、笑い飯が最有力ながら、ピース、ナイツ、銀シャリも
捨てがたい。カナリア、ジャルジャル、スリムクラブ、ハライチは、
優勝するほどの力はない気がします。ネタ順的にも、ハライチは
笑い飯とピースの間の箸休め的ポジションになりそう。

それにしても・・・カナリアとスリムクラブの決勝進出は感慨深いです。
カナリアはかなり前から知ってるし、スリムクラブは初めて見た時の
強烈なイロモノ臭しか記憶になく、M―1決勝なんかには絶対に
縁のないコンビだと思っていました。優勝はないと思いつつ、
この2組が決勝をかき回してくれることにも期待しています。

キングオブコント2010

2010-09-23 | 賞レース
本命が下馬評通りに、安定した力を発揮して優勝した感じですね。

キングオブコメディは高橋さんの滑舌が心配でしたけど、
一本目はまずまず問題なく、二本目は序盤に悪くなりかけながらも
何とか立て直しました。 ネタのクオリティ、セリフのセンス。
いずれもハイレベルでした。


優勝はある程度予想できましたが、準優勝以下が全く予想できませんでした。

ピースはショートネタしか見たことがなく、ああいう世界観を
持っているのかと驚きました。 物凄く面白いボケがあるわけではないけど、
一見飛び道具にしか見えないキャラの心情を丁寧に描写していて、
何とも不思議なリアリティがありました。

ラバーガールも良かったですね。発想力も構成力もあり、
ボケにもツッコミにも確かな実力がある。
近年の人力舎芸人の力は凄いなあと、改めて感心しました。

しずる、ジャルジャル、ロッチの元レッドシアター組は、
発想はなかなか良いと思うんですけど、 最初の発想一本で押していく
手法では、それがスベった場合のリカバリーが効かない。
しずるを例に出すと、一本目の「シナリオ」は上手くハマりましたけど、
二本目の「パンティ」は全く面白くなくて、スベったまま終わってしまいました。

TKOは基本に忠実というか、色んな面でベタ過ぎる。
見慣れたネタもビルドアップされていたし、 悪くはないんですけど、
全体的にテイストが軽く、心をグッと掴むものがない。

エレキコミックは、ほぼネタを見たことがなかったので期待したんですが、
何と言うか、低い点数で安定しているコンビだなと思いました。

総じて、それぞれ良いものは持ってるんだけど、それぞれに物足りなさもあり、
キングオブコメディの優勝は当然だったなと思います。
それと、ピースとラバーガールのネタはもう何本か見てみたくなりました。

今回のメンツは、前回や前々回に比べると「小粒感」は否めませんでしたが、
その分あまりネタを見たことのないコンビが多く、個人的に新鮮さはありました。


ちなみに、今回の大会とは関係ありませんが、この日記をご覧の方の中で
「東京03っていまいちパッとしないよなあ」と思っている方がいたら、
ぜひ彼らのライブDVDを見てみて下さい。ロングネタにこだわり続ける
彼らの、 テレビでは伝わりにくい面白さに驚かされるはずです。

M-1グランプリ2009

2009-12-21 | 賞レース
パンクブーブーの優勝には納得です。満場一致も頷けます。

ただ、個人的に今回一番面白かったのは、笑い飯の最初のネタです。
僕がこれまで何百本の漫才を見たのかは分かりませんが、
漫才でこんなに笑ったのはいつ以来だろう・・・衝撃的でさえありました。

今年は、会場の緊張感が尋常でなかったように思います。
そのため、場の空気を掴めず、フワッとしたままネタを終えてしまった
コンビが多かったような気がします。全体的にレベルが高く、
みんな決して悪くなかったと思うんですが・・・

ナイツも南海キャンディーズも東京ダイナマイトもモンスターエンジンも、
前回の決勝進出時より確実に良くなっていましたし。

笑い飯が「鳥人」ネタで凄まじい爆弾を落とした後なのに、
きっちり間を取って自分たちのリズムを作ったハライチも見事でした。

異様な空気の中、地味ながら抜群の安定感を発揮したパンクブーブーが
優勝したのは良いことだと思います。

でも、自分の中で今年のM-1は、笑い飯の印象が一番でした。

パンクブーブーやノンスタイルは、秀才タイプ。常に90点を
出すことが出来ます。それはとても素晴らしい、尊敬すべきことです。

でも僕が芸人に本当に求めているものは、ある種の異物感というか、
お笑いをやってなかったら犯罪でも犯してたんじゃないか、
とさえ思える業の深さです。

例え笑い飯が今回、優勝していたとしても、劇的に人気者になることは
なかったでしょう。なぜなら、彼らのたたずまいは異様すぎるからです。


もう何年も前になりますが、Coccoがミュージックステーションに出て、
「焼け野が原」を歌った時のことを思い出しました。
彼女が歌い終わって去って行った後、その場に広がった虚無感。
他のミュージシャンと、温度が違いすぎたのです。

笑い飯は、結局M-1では優勝できませんでした。しかし、
僕の心の中には、とんでもない爪痕を残してくれました。