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「笑いについて」   ~芸人さん、お笑い番組、DVDなどについての雑感~

好きな芸人さんは、バナナマン、東京03、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、サンドウィッチマン、有吉弘行など。

Quick Japan Vol. 94(バナナマン特集ほか)

2011-02-16 | 本、雑誌
バナナマンの特集がメインの、クイックジャパン最新号を読みました。

内容は素晴らしいのですが、正直、分量は物足りない感じがしました。
約40ページ、一雑誌としては充分すぎる分量の特集なんですが、
バナナマンというコンビの歴史の長さや、その巨大な才能を考えると、
40ページではとても足りません。

しかしそれでも、本人たちへのロングインタビュー、芸人仲間や
スタッフといった周辺の人たちの声など、興味深い記事が満載でした。

バナナマンというと設楽さんの演技を評価する声が多いですが、
僕は日村さんの演技こそ凄いと思っていて、それを裏付ける証言が
いくつか読めたのが嬉しかったです。

例えばバカリズムさんの発言:
「昔、日村さんに台本を見せてもらったことがあるんですけど、
 読んだだけでは、どこをどう面白がるネタなのか僕には分からなかった。
 でもライブを観てみたら、それがめちゃくちゃ面白いんです。 
 (中略)特に日村さんの台本を面白くする能力はハンパない」 

これをきっかけに、「バナナマン本」が作られたらいいなあと思います。
本格的な年表や、歴代ライブやDVDの解説、更に多くの関係者へのインタビュー、
意外な組み合わせでの対談など、見たい企画はまだまだあります。


今号は、バナナマン特集以外にも面白い記事が沢山ありました。
放送作家たちが集まって、昨年の印象的な番組や芸人を挙げる
「テレビ・オブ・ザ・イヤー」、爆笑問題が漫才を語るインタビューなど。

太田さんは、「漫才のレベルは上がっている。我々が若手の頃に
ライブに出ていた連中は、自分たちも含めてとても芸と呼べる
もんじゃなかった」と語っていて、自分の見解とも一致しています。

僕は、懐古主義者たちがよく言う「昔のお笑いは凄かった。
それに引き換え今の芸人は」という戯言が大嫌いです。
他にも太田さんは、ツービートの漫才に関して「ほとんど
たけしさんの一人喋りで、バランスはものすごく悪いですから。
またそれが圧倒的だからすごいんだけども」と冷静に分析しています。


その他、障害者によるバラエティ番組「バリバラ(NHK教育)」
についての記事も面白かったです。僕はまだ見たことがないのですが、
障害者がテレビで扱われる際の、「健気に頑張ってる」という一面的で
偽善的な視点に切り込んだ、意欲的な番組だということです。

その記事の中で紹介された、カンニング竹山さんのコメントに
感動したので、長いですが引用しておきます。番組のゲストで出て、
「脳内マヒブラザーズ」というコンビのネタを観た後の
発言だそうです。やっぱり笑いって素晴らしい。


日比野和雅(プロデューサー):
「さっき鈴木さんが『覚悟』って言ってたじゃないですか。
 そういう意味では、演じる側も覚悟決めてると思うんです。 
 これで絶対笑わせる、これで俺たちの見方を変えてやるという
 連中ばかりだから。そして、そういうところにゲストとして
 座るのも相当覚悟がいりますよ」

鈴木おさむ(放送作家):
「ゲストについて言えば、僕より一緒に出てたカンニング竹山くん
 でしょう。ネタ終わりの脳内マヒブラザーズに向って言った 
 『おまえら汚ねえよ!(障害を武器にするなんてズルい、という
 意味かと思われます)』。あれでどっとウケてスタジオの空気が
 変わりましたもんね。あれこそ本当のバリアフリー」

日比野:
「普通言えないですよね。言えば会場が沸くのは分かっていても、
 その場の空気やその人たちとの距離感もあるし、その言葉が
 傷つけるのかどうか、踏み越えちゃいけない一線がどこにあるのか、
 考えても判断できないことが多い。あの言葉は2時間の中で
 一番勇気あるインコースの直球だったと思います。
 現場で鳥肌が立ちました」

鈴木:
「あれは竹山くんが相方を亡くした経験なんかも全部ひっくるめて、
 覚悟を決めてあそこに座ったからこそ言えた言葉でしょうね」

サンドウィッチマン / 敗者復活

2009-09-19 | 本、雑誌
貧乏でも、ブサイクでも、頭が悪くても、そんなに若くなくても、
過去に過ちを犯していても、面白ければ一夜にしてスターになれる。
夢を持ちにくいと言われる現代において、M-1ほど
鮮やかに夢の実現を見せてくれる場はないと思います。

弱小事務所に所属し、熱心なお笑いファン以外にはほとんど
知られていなかったサンドウィッチマンが優勝を果たした
2007年の大会は、ことさらドラマ性が高かった。

この本は、彼らの出生から出会い、そしてM-1優勝と
その後の状況までを描いた自伝です。通常の自伝と違うのは、
彼らがコンビだということ。不遇時代やM-1優勝といった
同じ事象を、それぞれの視点から交互に書いていくというスタイルが面白い。

これは非常に上質なドキュメンタリーだ。最近熱くなってないなあ、とか、
人生について悩んでいる人にぜひ読んでいただきたいです。シビれますよ。

「アウェイでやるのは慣れている。なめるなよ」。

大島美幸 / ブスの瞳が恋されて

2009-03-09 | 本、雑誌
リアクション芸にとって一番大事なのは「見せ方」です。
悲壮感が出てしまっては笑えません。

壮絶ないじめに遭った過去を持ちながら、一点の曇りもない
リアクション芸で爆笑をさらう大島は、 まさに究極のリアクション芸人。
彼女が目指しているという「女ダチョウ倶楽部」どころか、
あのカリスマ芸人・江頭2:50の後を次ぐ素質すら感じさせます。

本書は、ブスがブスの視点からブスの生き様を語るという、
過去にあまりなかったタイプの作品です。 「ブスでも前向きに」なんて
生ぬるい文章ではなく、いじめに対するドス黒い復讐心も包み隠さない。

ブスに生まれただけでこの扱い。世の中は、ブスに対して残酷すぎる。
そんな社会への、強烈なメッセージともなっています。

だからこそ、どんなに下品な芸をしても笑ってくれる、
自分を受け入れてくれる最高の味方を得た彼女は実に輝いて見えますし、
彼がいるからこそ、迷いなく弾けて笑いを取れるのでしょう。

結局何が言いたいのかというと、これこそが優良教育図書だということです。
大した苦労も知らない教師の、嘘臭い「いじめは良くない、差別は良くない」といった
教訓なんかより、遥かにストレートに色んなことを教えてくれる本だと思います。