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「笑いについて」   ~芸人さん、お笑い番組、DVDなどについての雑感~

好きな芸人さんは、バナナマン、東京03、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、サンドウィッチマン、有吉弘行など。

「殴られ屋」としての山里亮太

2012-09-19 | 芸人
「地鳴りのようなブーイング」「 ロボットのように淡々と」。『AKBじゃんけん大会』レフェリー山里亮太の意外な苦労


さすが「ミスター炎上」。この人は、なぜか世の憎しみを引き受けやすい体質なんですよね。たぶん、ブーイングするのって
気持ち良いんだと思うんです。気持ち良くブーイングさせてくれるという意味で、山里さんは適任なのでしょう。

本人もオタク気質があり、オタクの心境が理解できるからか、決して彼らの憎しみに対して憎しみで応戦しない山里さん。
昔ちょっと話題になった「殴られ屋」に似ている部分があるかもしれません。一見、真正面から相手の攻撃を受け止めているようにも
見えるのですが、実は芯は外しているのではないかと。綺麗にパンチを避けるのではなく、あえて少し当てさせているような。

そういったディフェンスの妙に加えて、生来の打たれ強さもありますね。弱そうに見えて実は強い。生命力のしぶとさがあると言うか。
やっぱりアイドルが好きだから、完全に離れることは出来ない。自ら死地に赴き、バシバシ叩かれ、少しヘコみ、
それでもまた仕事を断らずに現場へ行ってしまう。有吉さんのラジオで「ゴキブリ系男子」という言葉が生まれましたが、
山里さんはまさにゴキブリ系男子の典型かもしれません。

それと、この記事にも出てくる「ビジネスオタク」という言葉ですが、プロなんだから当たり前だと思うんですよね。
山里さんは、極めて悪意のある言い方をすれば、しずちゃんを利用し、ブサイクを利用し、アイドルを利用している。しかしその利用の
仕方は、とても誠実だと思うのです。ちょっとデフォルメしているだけで、ブサイクなのもアイドル好きなのも事実ですからね。

それにしても、山里さんの芸人としての力量は凄いですよね。ツッコミのスピードも言葉のチョイスも絶妙です。
もちろん向いている場と向いていない場はあると思いますが、自らイベントを開催したり、オードリーの若林さんと組んでみたりして、
自分のポテンシャルを活かす努力を怠りません。以前テレビで見た、「言語遊戯王」でのMCなんかも忘れられないですね。
一つもコメントをハズさない。まるでスナイパーのように、全てのコメントが的の真ん中を捉える様は、感動的ですらありました。

これでもう少し滑舌が良かったら…面白いコメントをもっと気付いてもらえるのになあ。

スギちゃん

2012-07-01 | 芸人
上半期“ブレイク芸人”ランキング、1位は「スギちゃん」

http://www.oricon.co.jp/news/ranking/2013651/full/

スギちゃんの特徴は、誰もが消えることを確信しながら見守っているということです。
視聴者も本人も、今の輝きが花火のように儚いものだと分かっている。その上で、
いつ消えるのか、まだ大丈夫かと、ある者はハラハラしながら、ある者はニヤニヤしながら見ている。

そこに「良い人そう」「長年売れなかったベテラン」という要素も加味され、切なさを増幅させます。
これが映画だったら、どういうエンディングが相応しいのでしょうね。


森山直太朗「スギちゃんの歌」

http://youtu.be/BXDNJ4mMJQg

鈴木拓、キレる

2011-05-12 | 芸人
昨日、久しぶりに「はねとび」を見ました。
番組としてはあまり面白くなかったのですが、
鈴木拓さんが面白かったです。

自分の秘密をカミングアウトするコーナーで
奥さんと野外でセックスしたエピソードを雑に
話した上に、ゲストのアイドルが引いているのを見て
「よく聞いとけ!」とブチギレ。

昔のカンニング竹山さんのような毒づきキャラが、
ばっちりハマっていました。

レイザーラモンRG

2011-01-24 | 芸人

フットボールアワー司会の「よしもとオンライン」の
昨年12月23日の回に、レイザーラモンRGがゲスト出演
していたのですが、めちゃくちゃ面白かったです。

2010年は、ついにRGの笑いの歯車ががっちり噛み合った
観がありました。実は面白くなかったわけではないのだけど、
以前は意味不明なキャラやギャグが多く、ひたすら絡みづらい
印象だったのが、近年は「あるあるネタ」や物真似に象徴されるような
分かりやすい芸になってきた。また、周りの先輩たちが彼の扱い方を心得てきた。

先述の「オンライン」でも、後藤さんはもちろんのこと、本来はボケで
あるはずの岩尾さんにまで見事に突っ込まれて、たっぷり笑いを取っていました。

同じことが、ワッキーさんにも言えます。1~2年前のワッキーさんは
やたらとスベっていて、出てきた時点でスベることが決まっているような
雰囲気さえありましたが、昨年あたりからは周りがワッキーさんの
面白い部分を上手く拾ってくれるようになりました。

「スベり芸人」と言っても、実は力がないわけではない。
本来持っている面白い部分を、一人では上手に表現しきれないだけなのです。

アンタ柴田、1年ぶりの復帰

2011-01-11 | 芸人
アンタッチャブルの柴田さんが1年ぶりにテレビ復帰を
果たした、TBS「炎の体育会TV」を見ました。

番組では女性格闘家に挑んだ柴田さんですが、
しゃべる場面はほとんどなし。肝心の、休養の理由や
復帰の経緯については語られずじまいでした。

話せないことも色々あるのでしょうから、
極端な話、嘘でもいいんです。何らかの説明をして、
ファンをすっきりさせて欲しかった。

何より気になるのは、相方・山崎さんとの関係。
つまり、アンタッチャブルはどうなるのかということ。
すっきりしないままにしておけば、せっかく
明るいキャラで頑張っている山崎さんにも
暗い影を落としかねません。

まあ、まだ復帰したばかりですし、
今後の動向にも注目していきたいと思います。

バナナマン

2010-10-25 | 芸人
バナナマン・設楽統、相方・日村を本当のお笑い戦士と絶賛!


凄く仲が良いけど、ベタベタするわけじゃない。
お互いがお互いの実力を認め合う。
男として仕事仲間として、理想的な関係だなあと思います。

ポイントは「距離感」と「客観性」でしょうか。
普通、付き合いが長くなると、なかなか素直にお互いを褒めることが
難しくなります。また、相手とズルズルベッタリの関係になると、
そもそも相手の良い所が 見えにくくなってしまいます。

そこで一歩引いて客観的に見ると、「あーそういえばこんな良い所が
あったなあ」と思い出すことが出来るのです。

バナナマンの場合、この距離感と客観性を司っているのが設楽さんで、
特に何かのきっかけで、というわけではなく、ふとした瞬間に物事を
客観視できる能力を持っているのでしょう。


そんなことを別にしても、コメディアンとしてのバナナマンは、
本当に素晴らしいです。数々の芸人を見てきた今田耕司さんが
「コンプリート・ファイター」と絶賛したのも頷けます。

毎年行われるコントライブのクオリティはもちろん、
トークや大喜利の能力も高い。コントにおいては、設楽さんの書く
ネタの面白さ、そして2人が醸し出す空気間や絶妙な間が凄い。

トーク番組の形を取る「バナナ炎」でも、あうんの呼吸は活かされていて、
極めて自然なタイミングで即興コントや漫才が始まったりします。

瞬間瞬間のハイレベルなやり取りでお互いが高まりあい、
高度な「作品」を生み出していく様は、 達人ミュージシャン同士が
火花を散らすセッション、あるいは一流ボクサー同士の試合に
似てスリリングです。

バッファロー吾郎

2010-06-24 | 芸人
お笑いコラム【この芸人を見よ!83】バッファロー吾郎

バッファロー吾郎の特徴の一つとして、「一周回った笑い」
というのがあります。 誰が見てもつまらないことを言う、
棒読みに近いセリフ回しなど・・・。

ダウンタウンが登場した後、焼け野原となったお笑い界において、
当時の若手コンビたちは様々な試行錯誤をしていました。
あの頃は、いわゆる「正統派漫才師」なんて、
どこか鼻で笑われるような存在で、 ベタな漫才師を茶化したような
コントも多くありました。そういった中、邪道を突き詰めて
熟成されたのがバッファロー吾郎のコントだと思います。

森三中

2010-05-31 | 芸人
お笑いコラム【この芸人を見よ!79】森三中

良いお笑いグループというのは、ある種の奇跡的なバランスの上に
成り立っています。 2人でも難しいのに、3人なら更に難しい。

大島さんには、動きや表情で笑いを取るという、昔ながらの芸人の
流れを感じます。 よく「体で笑いを取るのは安易でつまらない」と
言われますが、笑いの基本はコミカルな動きですし、どんな方法であれ、
長年に渡り コンスタントに笑いが取れるのであれば、
それはプロの芸と呼べるのです。

そんなに安易に笑いが取れるなら、なぜみんながやらないのか。
脱いだら誰でも笑いが取れるわけではないからです。
引かれるリスクもあります。女芸人なら尚更です。
大島さんだって、常に脱ぐわけではありません。どの場面で脱げばウケるのか、
その辺の勘が大事なのです。「誰でも脱げばウケる、安易だ」
その考えこそが安易です。

有吉さんの毒舌や、アメトーークの「人見知り芸人」など、
ネガティビティをエネルギーとする笑いに 注目が集まる今、
黒沢さんのキャラクターも輝きを帯びてきています。

森三中は3人とも内面の毒々しさを持っています。デブでブスでネガティブ。
ただ嫌われ、アングラ芸人で終わる可能性もあったのに、
なぜか一定の好感度があります。 このバランスもまた奇跡的です。

狩野英孝

2010-05-08 | 芸人
「実はスゴい芸人かも!?」現場が絶賛する"今年消える"候補筆頭・狩野英孝

この人のピンネタって、意外と悪くないんですよね。
悪くないけど、笑い所がない。
もしかすると、笑いの作り方を知らないのかもしれません。

そもそも、彼は芸人志望ではなかったと思うんです。
それが、間違って芸人の世界に紛れ込んでしまった。
芸人からすれば、彼のようなタイプは新鮮なわけです。
だからイラつかされもするし、笑わされることもある。
まあ一言で言えば天然。ピュアなんですね。だから、
何をしてもされても、心底イヤな印象は与えない。

あと、これは出川さんとも共通することなんですが、
非常にポジティブというか、 悪いことはサッサと忘れてしまえる
能力がある。だから多少ヘコンでもすぐ立ち直るし、
また何度も似たようなドッキリに引っ掛かってしまうんでしょうね。

「スベる」というのは芸人にとってネガティブな意味しかないと
思われがちですが、 スベった後に突っ込まれたり、
自らフォローを入れたりすれば笑いになる。安定してスベるということは、
安定して笑いを取れるということでもあり、テレビ局としては使いやすい。
バラエティ番組はチームプレイの笑いなので、必ずしも単独で
ウケる必要はないのです。

ちなみに、狩野さんは天然でスベってますが、狙ってスベれるのが、
たむけんさんや、ますだおかだの岡田さん。あれも一つの技術だと思います。
特にたむけんさんは、ちょっと過小評価されてると思いますね。
司会、トーク、ボケにツッコミ、リアクション。ほとんど何でも出来る、
オールラウンドファイターでしょう。しかもハートも強いし。

西野亮廣(キングコング)

2010-04-21 | 芸人
【この芸人を見よ!74】キングコング西野亮廣


全く同意はしませんが、「西野=天才」説は斬新ですね。
僕は彼のこと、キン肉マンに出てきたジェロニモみたいだなあと
思っているのですが。人間なのに超人に憧れ、超人たちとの戦いに
飛び込んでいくジェロニモ。

彼らはアイドル的な人気があったために若くして売れましたが、
芸人としては努力型でしょう。

キングコングというコンビの問題は、むしろ梶原さんにあるのかもしれません。
西野さんはツッコミですから、別に天才である必要はない。
ツッコミの能力というものは、真摯に場数を踏んでいけば鍛えられていくと
思うからです。しかしボケというのは、努力だけではどうにも
ならない部分があるような気がしてなりません。

それに、身も蓋もない言い方をしちゃうと、漫才って結局は「人間力」が
物を言うと思うんです。 努力や鍛練である程度は上達しますが、
それだけでは足りない。 生まれ持った芸人の血というか、
その人が持つ「業」が面白さに繋がるのではないでしょうか。

ノンスタイルやキングコング、確かによく練習していると思います。
素晴らしいです。 漫才を精神修練と捉えている節のあるオール巨人さんが、
キングコングに目をかけているのも頷けます。

でも僕が芸人に求めるのは、あくまで「笑い」であり、
努力や頑張りを見たいわけではないのです。
というより、頑張りが見えると笑えなくなってしまいます。