『露草協会』(一緒に晴らしませんか高瀬露の濡れ衣)

宮澤賢治がとても世話になった高瀬露。ところが現実は、露は〈悪女〉にされている。その濡れ衣を晴らさんとするブログである。

贔屓の引き倒し

2018-12-27 14:21:53 | 「Wikipediaの高瀬露」
《ヤマルリトラノオ》(平成30年7月19日撮影)

鈴木 では今度はこれだ。


賢治は露を追い払うため、顔に灰を塗って面会したこともあり、わざとぼろをまとって乞食のような姿で露の前に現れる、などの努力を繰り返した[10:p.153]。また「私は癩病ですから」と嘘をついたこともあるが、露はこの言葉を聞いて同情し、かえって賢治への執着心を強めた[11:p.153-154]。このことが地元で注目を集め「賢治さんのところに、近ごろ、長い髪のばけものが出る」と噂になったこともある[12:p.137]。

 では最初に、「賢治は露を追い払うため、顔に灰を塗って面会したこともあり、わざとぼろをまとって乞食のような姿で露の前に現れる、などの努力を繰り返した[10:p.153]」の部分だが、[10:p.153]に当たるのが例のリストの中では、
(24) ×賢治が奇矯にふるまっても、露はいっこうにおそれない。恋する女には効き目がないのだ。(153p)
だけだ。
吉田 たしかに、「顔に灰を塗って面会したこともあり、わざとぼろをまとって乞食のような姿で露の前に現れる」という行為は奇矯だわな。しかし、澤村氏の「ふるまっても」という表現からは、賢治のこのような一連の奇矯な行為を同氏はあまり責めてはおらず、どちらかというと好意的に見ているということが僕からは窺える。
荒木 しかも、「恋する女には効き目がないのだ」という言い方も変だべ。まるで賢治の奇矯な行為であるならばそれは別格で、露に対してならば正当だということを言いたげだじゃ。
吉田 さらには、今度もまた「Wikipediaの高瀬露」の編集者は話を膨らまして、「努力を繰り返した」と断定している。
荒木 ほんとに何言ってんだが。なんでこんな奇矯な行為を繰り返したことを「努力を繰り返した」と言えるんだべ。俺は開いた口がふさがらないね。
鈴木 たしかに、賢治が「顔に灰を塗って面会したこともあり、わざとぼろをまとって乞食のような姿で露の前に現れ」たという風聞はある。そして何人かの人がそのような証言もしている。しかしな……
荒木 ならばこの奇矯な行為を賢治が実際に為していた可能性が究めて大だべ。だったらら、まず批難されるのは普通はその奇矯な行為を為した賢治本人だろうに。
鈴木 ところが、そのような賢治を強く叱責や批難をしている人としては父の政次郎以外に私は知らない。なお、これに関しては、「Wikipediaの高瀬露」の編集者も次のように、

と述べているし、この出典は『宮澤賢治幻の恋人』の152~158pであるとも言い添えている。
吉田 ならばなおのこと、澤村氏もこの編集者も、中立性と公平さを心懸けてほしいのだが、現実にはこのお二方には中立性に欠け、公平でもないから鈴木は怒りをこめて灰色で塗りつぶしたというわけだ。尤もなことだ。
荒木 そして少なからぬ賢治研究家に対してもな。
鈴木 おいおい、私はそんなところに対してまでは思ってないぞ……でもちょっぴりは、一部の方々はアンフェアじゃないかなと思わないわけでもないけどね。
荒木 おっとっと!
鈴木 どうした。
荒木 俺気付いたんだ。冷静になって今回のことを振り返ってみると、こんな奇矯なことまでやったのは「賢治は露を追い払うため」だったということをこのお二方は強調していることになるわけで、結果的にはとんでもない贔屓の引き倒しをしていることになるということにだ。
吉田 荒木鋭いじゃないか。賢治自身はそのためにこのような奇矯な行為をしたのかどうかは僕には測りかねるが、もしこのお二方が言う通りであったとすれば、あれだけ何くれと世話になり、少なくともある一定期間は良い関係にあった女性に対して手のひらを返す行為を賢治がしていたということをこの二方は言っていることになるからな。たしかに贔屓の引き倒しだ。
荒木 はしなくも、この二方は
   賢治は男の風上にも置けぬやつだ!
と声高に言っているということなりかねないからね。
鈴木 なるほどね。ということは、お二方よもっと父政次郎の叱責を重く捉えて下さい、と私はお願いしなければならないうことか。
吉田 現実には、我々の話をこのお二方に伝えるのは無理としても、どうかこの声が伝わっていってほしいものだ。

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