風に吹かれて、気の向くまま

人生折り返し地点を過ぎた下町男の思いつき。

114 びくに橋雪中

2007年04月10日 | 今昔 江戸名所百景 
114 びくに橋雪中    

びくに橋は京橋川に架かる最初の橋。
この橋の近くにびくに宿があったため橋の名が付けられた。という。
安政時代の地図を見ると、尼立橋の記載が見える。
びくにとは…元々出家して一定の戒を受けた尼僧を指したが、江戸時代には尼の姿をした私娼の事もさす。


この絵は、京橋川に架かる最初のびくに橋とその脇の店を書いたもの。
この橋を越えた右側には、大岡越前で有名の南町奉行所があった。


現在は、川も橋の姿も無い。有楽町と東京駅の間の外堀通りである為
人通りも車通りも多い。
(個人的な好みだが…)グッと来る服着た女性が多いのは
銀座が近いせいだろうか。


この絵の「山くじら」とは一般に猪の肉を指した。
向かいの十三里とは薩摩芋を丸焼きにして売っている店。
その味が栗(9里)より(4里)美味いという訳で、九里と四里を足して十三里と洒落た。
また栗に近いので「八里半」とした所もあった。
(江戸時代の人達は、とんちの聞いたしゃれが本当に好きだった様だ。)

獣肉を出す店はももんじ屋と呼ばれた。
猪の肉を「牡丹」「山くじら」馬に肉を「桜」鹿の肉を「紅葉」と呼んだ。

現在も、両国橋の袂には、都内で唯一(?)「しし鍋」が食べられる店(ももんじ屋)がある。
ももんじ屋
吉田龍作さん(両国『ももんじや』)の 『しし鍋』の話←AVANTI内でのお話



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