「えっと、ショーゴのお友達…かな?」
《お前》っていったことにちょっと不快な顔してるけど、母さんは友達って思ってくれてる。
よし、チャンスだ。
このまま僕の友達って言って、僕の部屋へどうにか連れていって、あとは菜乃の助けを!
「うん、ともだ「違う」」
あ…
僕の言葉をさえぎるように、マサムネの一言が。
「え…?友達じゃないって…一体?」
あぁぁぁぁなんてことを!
「何なのあなた、ショーゴと一緒なのはいいけど、友達じゃないって言ってるし…それにその着ぐるみ!」
ヤバい!母さんが怒った!
「こいつが家に泊まれっていったからいてやっただけだ」
「ってことは何?居直り強盗?それとも押し売り?」
「あぁ、あの、違うって、僕の」
「ショーゴはちょっと黙ってなさい」
だめだだめだだめだ!完全に僕の思ったことと違う方向に行っちゃってる!マサムネのバカ!
もうこうなったら最後の手段だ!
「マサムネは僕の命の恩人なんだよ!」
「え…?」
これだけは言いたくなかった。
権じいに言われたこと、蟲との戦いのこと。
きっとこれを言っちゃったら、巻き込まれるかもしれない、警察に連絡しちゃうかもしれない。
もうどうにだってなれ!絆がなんだ!
「マサムネ…?」
母さんの目が、きょとんと丸くなる。
「そう…マサムネだよ母さん、分かるでしょ?」
本当だったら、絆を持っているんだったら、ここでもう母さんは気づいているはず。
だけどマサムネの記憶喪失のせいで、僕もマサムネも絆を持っていない。
そうなんだ、今から僕が母さんを説得して、マサムネを家に置いてもらうしか方法がないんだ!
「ショーゴ…マサムネは犬でしょ、立って話が出来るわけないじゃない」
だめだ…失敗だ!
「それにマサムネはもう…」
言うしかないか…昨日のことを…
「母さん…昨日、ぼく…」
ピンポーン!
今度は家のチャイムが、誰なんだよ一体!
と同時に家のドアがいきおいよく開いた。
まさか…!?
『おっはようございまーす!』
2人の声が…菜乃とリンカ!
リンカは居間に入ってくるなり、母さんに飛んで抱きついた。
「お久しぶり~!ショーゴママさん!」
リンカは母さんのほっぺたに顔をすりすり寄せてくる。
あぁそうか…リンカ、母さんにとってもなついてたな…
「きゃ…!リンカちゃん!?リンカちゃんね」
「うん、昨日帰ってきたんだ、いろいろやることがあってね」
リンカは僕の方に顔を向け、軽くウインクしてくれた。
《大丈夫、あとはまかせてね》
一瞬、そんなことを言ってくれているような…そんな気がした。
でも…この2人が来てくれて、正直ホッとした。
僕だけじゃどうにもならなさそうな、そんな思いが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…で、帰りの最中、一緒に友達になっちゃったんだ、こいつと」
大急ぎでテーブルを片付け、お茶の用意とか色々と。
とりあえずマサムネは黙らせておいて、あとはリンカに任せる感じにした。
あんまり僕の本意じゃないけど、しょうがない。
蟲たちが攻めてきたことなんて正直言えたもんじゃないし、かと言って天国の話なんかもっと信じてくれそうにもないし。
「その時ショーゴ君たちが不良みたいなのに絡まれてて、それを私とマサムネで追い払っちゃったわけ」
「ふ~ん…命の恩人ね」母さんもイマイチ理解できない様子だ。
「だからお願い、《お母さん》…マサムネを家に置いてやってください」
リンカと菜乃が一緒にお願いする。
「うーん…いきなり言われてもね、正直こんな正体不明のコスプレしてる人連れてこられても、困っちゃうわよ」
「お母さん…僕からもお願い!マサムネを家に置いてやって!」
「でもねぇ…」
「確かに、マサムネは図体デカいし大飯食らいだし風呂嫌いでおまけに足はすっげー臭いし礼儀知らずで言葉遣い最悪だけど、でも本当はいい奴なの!」
リンカ、そこまで言うか?
「確かに微妙だわねぇ…」ますます悩む母さん。
「お願いします~っ!」僕もリンカも菜乃も、もう手を合わせて母さんにお願いするしかない。
「そこまでお願いされちゃうと…しょうがないわ…ねぇ」
「え!?じゃあ」
「まぁ、そこまで言われちゃうとね…いいわよ、マサムネ君、しばらく居候ってことで置いとこうか」
「ちょっと待て、置いとくってどういう意味だ」
マサムネの言葉に、リンカと菜乃の視線が突き刺さった。
「ご飯のしたくに洗濯お掃除、いろいろやってもらうわよ、いい?」
「おいコラ!そんなたくさんできねぇぞ!」
また2人の視線がマサムネに。
「…ぃ」ようやく気づいたのか、マサムネの顔が凍りつく。
「父さんが今入院しててね、私もこんな感じで仕事が不規則で忙しい状態だから…まぁある意味お手伝いさんってことね」
「…くっ」
「それじゃなければ即刻この家を出てもらう」
残酷な意見だけれどもしょうがない、けども絆がないからにはどうしようもない。
けどもマサムネと一緒に生活できるなら…
「…わかった…」
ちょっと悔しそうな顔をして、マサムネはうなずいてくれた。
《お前》っていったことにちょっと不快な顔してるけど、母さんは友達って思ってくれてる。
よし、チャンスだ。
このまま僕の友達って言って、僕の部屋へどうにか連れていって、あとは菜乃の助けを!
「うん、ともだ「違う」」
あ…
僕の言葉をさえぎるように、マサムネの一言が。
「え…?友達じゃないって…一体?」
あぁぁぁぁなんてことを!
「何なのあなた、ショーゴと一緒なのはいいけど、友達じゃないって言ってるし…それにその着ぐるみ!」
ヤバい!母さんが怒った!
「こいつが家に泊まれっていったからいてやっただけだ」
「ってことは何?居直り強盗?それとも押し売り?」
「あぁ、あの、違うって、僕の」
「ショーゴはちょっと黙ってなさい」
だめだだめだだめだ!完全に僕の思ったことと違う方向に行っちゃってる!マサムネのバカ!
もうこうなったら最後の手段だ!
「マサムネは僕の命の恩人なんだよ!」
「え…?」
これだけは言いたくなかった。
権じいに言われたこと、蟲との戦いのこと。
きっとこれを言っちゃったら、巻き込まれるかもしれない、警察に連絡しちゃうかもしれない。
もうどうにだってなれ!絆がなんだ!
「マサムネ…?」
母さんの目が、きょとんと丸くなる。
「そう…マサムネだよ母さん、分かるでしょ?」
本当だったら、絆を持っているんだったら、ここでもう母さんは気づいているはず。
だけどマサムネの記憶喪失のせいで、僕もマサムネも絆を持っていない。
そうなんだ、今から僕が母さんを説得して、マサムネを家に置いてもらうしか方法がないんだ!
「ショーゴ…マサムネは犬でしょ、立って話が出来るわけないじゃない」
だめだ…失敗だ!
「それにマサムネはもう…」
言うしかないか…昨日のことを…
「母さん…昨日、ぼく…」
ピンポーン!
今度は家のチャイムが、誰なんだよ一体!
と同時に家のドアがいきおいよく開いた。
まさか…!?
『おっはようございまーす!』
2人の声が…菜乃とリンカ!
リンカは居間に入ってくるなり、母さんに飛んで抱きついた。
「お久しぶり~!ショーゴママさん!」
リンカは母さんのほっぺたに顔をすりすり寄せてくる。
あぁそうか…リンカ、母さんにとってもなついてたな…
「きゃ…!リンカちゃん!?リンカちゃんね」
「うん、昨日帰ってきたんだ、いろいろやることがあってね」
リンカは僕の方に顔を向け、軽くウインクしてくれた。
《大丈夫、あとはまかせてね》
一瞬、そんなことを言ってくれているような…そんな気がした。
でも…この2人が来てくれて、正直ホッとした。
僕だけじゃどうにもならなさそうな、そんな思いが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…で、帰りの最中、一緒に友達になっちゃったんだ、こいつと」
大急ぎでテーブルを片付け、お茶の用意とか色々と。
とりあえずマサムネは黙らせておいて、あとはリンカに任せる感じにした。
あんまり僕の本意じゃないけど、しょうがない。
蟲たちが攻めてきたことなんて正直言えたもんじゃないし、かと言って天国の話なんかもっと信じてくれそうにもないし。
「その時ショーゴ君たちが不良みたいなのに絡まれてて、それを私とマサムネで追い払っちゃったわけ」
「ふ~ん…命の恩人ね」母さんもイマイチ理解できない様子だ。
「だからお願い、《お母さん》…マサムネを家に置いてやってください」
リンカと菜乃が一緒にお願いする。
「うーん…いきなり言われてもね、正直こんな正体不明のコスプレしてる人連れてこられても、困っちゃうわよ」
「お母さん…僕からもお願い!マサムネを家に置いてやって!」
「でもねぇ…」
「確かに、マサムネは図体デカいし大飯食らいだし風呂嫌いでおまけに足はすっげー臭いし礼儀知らずで言葉遣い最悪だけど、でも本当はいい奴なの!」
リンカ、そこまで言うか?
「確かに微妙だわねぇ…」ますます悩む母さん。
「お願いします~っ!」僕もリンカも菜乃も、もう手を合わせて母さんにお願いするしかない。
「そこまでお願いされちゃうと…しょうがないわ…ねぇ」
「え!?じゃあ」
「まぁ、そこまで言われちゃうとね…いいわよ、マサムネ君、しばらく居候ってことで置いとこうか」
「ちょっと待て、置いとくってどういう意味だ」
マサムネの言葉に、リンカと菜乃の視線が突き刺さった。
「ご飯のしたくに洗濯お掃除、いろいろやってもらうわよ、いい?」
「おいコラ!そんなたくさんできねぇぞ!」
また2人の視線がマサムネに。
「…ぃ」ようやく気づいたのか、マサムネの顔が凍りつく。
「父さんが今入院しててね、私もこんな感じで仕事が不規則で忙しい状態だから…まぁある意味お手伝いさんってことね」
「…くっ」
「それじゃなければ即刻この家を出てもらう」
残酷な意見だけれどもしょうがない、けども絆がないからにはどうしようもない。
けどもマサムネと一緒に生活できるなら…
「…わかった…」
ちょっと悔しそうな顔をして、マサムネはうなずいてくれた。