ただ文章を書くだけのブログ

登山とか旅行とか音楽とか楽器とか

ちょっとマジでビビった話

2020-06-08 10:27:52 | 昔の話
 宮城県と山形県の境に船形山(ふながたやま)っていう山があってさ、俺は登山をやるから登ったことがあるんだ。

 この船形山には色んなトコから入れるコースがあるんだけども一番楽なのが色麻町っていう所から入る大滝コースっていうコースなんだけど、直線距離も標高差も一番小さい代わりに登山口まで「かなり酷い未舗装の林道を20㎞」移動してこなきゃならないっていう欠点があるんだ。その林道ってのは正直言って本当に酷くて、路肩に車のアンダーカバーが転がってるような酷いとこなんだ。

 2年位前の6月頃に船形に登ったんだけど、オフロードバイク(セロー250)に乗ってるだけに林道は経験があるからセローで登山口まで行って、登って降りて、登山口の無人のキャンプ場についた時に確か午後4時くらいだったんだよね。平日だったしあんまり多くの人が登る山って程有名な山じゃないしアクセスが悪いから、その時間帯にはもう誰一人もいなくて空もやや暗くなってきてて、いやはや、こっから20kmの未舗装林道走って帰るのか、気が重いなあと思ってたんだ。

 んで、腕時計とかしてないからとりあえず時間を確認しようと思ってスマホを見たら、ふっと手が画面に触れて「電話」のアイコンを押してしまって、電話番号を入力する画面になったのよ。あららと思って見てたら急にその画面のままダイヤルが無茶苦茶に押されて「78120849684024156」みたいに数字が入力されたのよ。怖いとかどうこうとかじゃなく急になったから、何だ何だと思って一回ホームボタン押したらまた電話のダイヤルキーの画面になってまた「94713872048210864」って、ぐちゃぐちゃにタップされ続けるのよ。

 なんかバグってるんだなと思って電源一回落としてもう一回起動したら、何も起こらなくなって治まったんだけど、その時までは単にスマートフォンの問題だからと思ってスマートフォンばっかり見てたから夢中になってて何とも思ってなかったんだけど、ふと自分のいる場所に気付いて周りを見たら「夕闇時の、誰一人も居ない山奥の林道終点で、1時間くらいかけて未舗装を走って帰らなきゃならない自分」がいるのに気付いて、その瞬間になんか凄くゾッとしたのよね。

 結局は怖い怖いと思いながらも無事走り切って家に帰ったんだけどさ、それ自体何だったのかは解らないながらもなんかこう幽霊的な事とかそういう事じゃなくて、あの、なんていったらいいか「本屋で立ち読みしてて夢中になって『へへっ』って笑った瞬間に周りに気付いて恥ずかしくなる」っていうのの怖いバージョンみたいな状態を経験して、なんつったらいいのか解らないけど、とにかくアレはなんか、今まで生きてきて何番目かくらいに入るくらい「怖い」と思った状態だったなあ。

 登山だけじゃなく廃道歩きをやったりするから、滑落しそうな道を歩いたり、クマと遭遇するってのもそれなりに経験あるけど、なんかそういう突発的な恐怖と違って精神やられる感じの怖さだったなあ、アレは。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。