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京の一枚

京都 紅葉100シリーズ 貴船神社もみじ灯篭


山田郡大間々町の町並みを過ぎて、足尾街道の対岸を渡良瀬川に沿って登ると古生層の断崖の上に貴船神社が鎮座しています。


その境内に立つと、渡良瀬の渓流が崖足をかみ、その前方の山間には民家が散在し、その奥に赤城山の雄姿を仰ぐことができ、展望がすばらしい風光明媚な所にあります。


平安時代の天暦十(九五六)年、東国(関東地方)がひどい干ばつに襲われたとき、山城国(京都)の貴船神社の祭神が、古来より祈雨・止雨祈願の神として信仰されてきた高おかみ大神で、その分霊を奉り降雨と五穀豊穣を祈願したところ、それがかなえられたので、関東平野の最北端、渡良瀬川流域の山地に祭られ、現在地に建立されたのは、江戸時代の寛文8(一六六八)年といわれています。




貴船の物語


この物語は、室町末期に書き写されたお伽草子・『貴船の物語』を現代語訳したもの。


そのあらすじは、「内裏の扇合せにふと見た女房の絵姿に恋をした中将が、鞍馬の奥の岩穴から鬼国に至り、天女にも勝るかと思われる美しい鬼の姫宮と出会う。


姫の父・鬼の大王が責めるので、姫は中将を守り、命を捨てる。


そののち姫は、中将の伯母の娘と生まれ変る。




鬼は節分の夜に二人を襲うが、鞍馬の毘沙門の示現(霊言)で炒り豆を打って退け、さらに五節句を営んで鬼軍を追う。


二人は幸せに暮らすが、やがて姫は貴船の大明神となり、中将はまろうど神となって、共に衆生を守ることになった」というもの。


この物語からみると、貴船神社は鞍馬寺より後に鎮座したことになるのだが(貴船神社は千六百年昔の反正天皇の御代に創建されたと伝えられている古社。




鞍馬寺も平安期以前に開山された古寺だが、延暦十五年に貴船明神のお告げによって藤原伊勢人が堂宇を建立したと伝えられている)、それは、仏教が日本に渡来し、神仏習合して盛んになり、室町時代になると神と仏の関係を「仏が衆生を救うために、仮に日本の神々となって現われる」という、いわゆる「本地垂迹(ほんぢすいじゃく)」説が盛んに説かれた時代で、そういう時代背景の中で生れた物語だということを、まず知っていただきたい。


たくさんの写本があって、内容はほぼ同じといわれている。


ここでは節分行事と五節句は、貴船神社と鞍馬寺が始まりだと興味深い説が展開されている。


貴船・鞍馬は御所より丑寅(北東)の方角に当たる。丑寅は鬼門に当たり、常に悪魔がその方角より出入りすると考えられ、貴船神社も鞍馬寺も共に悪魔の侵入を防ぐ皇都の守護として皇室の尊敬を受けていた。


貴船山に貴船の神が降って来られたのが丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻であったと伝えられ、また鞍馬寺が鑑禎上人によって開かれたのが寅の月の寅の日の寅の刻だといわれているのも、そのことと深いかかわりがあり、当時の貴船神社と鞍馬寺の関係もうかがい知ることができる。


このような物語があったことを知る人も、今では地元にも少ない。


かつては大衆に親しまれたであろうこの物語を、このまま埋もらせておくのは勿体ない。


恋物語としてのストーリーもおもしろく、また、この物語から、古くから貴船神社が「恋を祈る神社」として信仰されていたこともうかがえる。



小説や漫画の陰陽師による人気もあり、若い女性で賑わっている。









■二ノ瀬ユリコース




ユリとは、山腹を巻く道の意味で、このコースは京都市内をはじめ、比叡山や大原などの眺望もよく初心者向けのコースとして人気があります。


出町柳駅 ++++++ 貴船口駅 ――― 貴船神社本宮 ――― 貴船神社奥宮 ――― 奥貴船橋 ―――
    30分   30分   15分   15分   50分
 
――― 滝谷峠 ――― 貴船山 ――― 二ノ瀬ユリ ――― 二ノ瀬駅 ++++++ 出町柳駅
    50分   50分   50分   27分  







■アクセス




京都駅→出町柳駅[叡山電車]→貴船口下車


阪急・近鉄・京阪→出町柳駅で乗り換え[叡山電車]→貴船口下車


叡山電車鞍馬線「貴船口駅」下車徒歩30分


京都バス「貴船」下車徒歩5分




■拝観時間


6:00~20:00(境内)


9:00~16:30(社務所受付)  紅葉時期延長あり


■拝観料


境内無料


■電話 075-741-2016




紅葉状況


まだ紅葉していない


11月上旬から下旬


過去の見ごろ


2005年 11/16~11/??頃でした


※写真は全て過去のものです。

























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