京の一枚

京都 紅葉100シリーズ寺社  知恩院 NO.11



知恩院


浄土宗総本山の寺院。


山号は華頂山(かちょうざん)。


詳しくは華頂山知恩教院大谷寺(かちょうざん ちおんきょういん おおたにでら)と称する。


本尊は法然上人像(本堂)および阿弥陀如来(阿弥陀堂)、開基(創立者)は法然である。


浄土宗の宗祖・法然が後半生を過ごし、没したゆかりの地に建てられた寺院で、現在のような大規模な伽藍が建立されたのは、江戸時代以降である。


将軍家から庶民まで広く信仰を集め、今も京都の人々からは親しみを込めて「ちよいんさん」と呼ばれている。


四条天皇から下賜された寺号は「華頂山知恩教院大谷寺」という長いものであるが、この名称は、寺の歴史を説明する時などを除いて通常は使われておらず、法人としての寺院名も「宗教法人知恩院」であることから、本項では「知恩院」と表記する。


知恩院の境内は、三門や塔頭寺院のある下段、本堂(御影堂)など中心伽藍のある中段、勢至堂、法然廟などのある上段の3つに分かれている。


このうち、上段が開創当初の寺域であり、中段、下段の大伽藍は江戸時代になって徳川幕府の全面的な援助で新たに造営されたものである。


本堂へ向かう急勾配の石段の途中に西面して建つ。


元和7年(1621年)の建立(平成の大修理で同年の墨書が発見されている)。




五間三戸の二重門である。


(「五間三戸」は正面柱間が5つで、うち中央3間が通路になっているもの。


「二重門」は2階建てで、1階・2階の両方に軒の張りだしがあるものをいう。)高さ24メートルの堂々たる門で、東大寺南大門より大きく、寺院の三門(山門)としては日本最大のものと言われている。


組物(軒の出を支える構造材)を密に並べるなど、細部の様式は禅宗様であり、禅寺の三門に似た形式とする。


門の上層内部は釈迦如来像と十六羅漢像を安置し、天井には龍図を描くなど、やはり禅寺風になっている。


日本三大門のひとつとされる説がある。






本堂


三門をくぐり、急な石段を上った先の台地に南面して建つ。


寛永16年(1639年)徳川3代将軍徳川家光によって建立。


宗祖法然の像を安置することから、御影堂(みえいどう)とも呼ばれる。


入母屋造本瓦葺き、間口44.8メートル、奥行34.5メートルの壮大な建築で、江戸幕府造営の仏堂としての偉容を示している。


建築様式は外観は保守的な和様を基調としつつ、内部には禅宗様(唐様)の要素を取り入れている。


柱間は正面11間、奥行9間で、手前3間分を畳敷きの外陣とし、その奥の正面5間・奥行5間を内陣とする。


内陣の奥には四天柱(4本の柱)を立てて内々陣とし、宮殿(くうでん)形厨子を置き、宗祖法然の木像を安置する。


徳川幕府の造営になる、近世の本格的かつ大規模な仏教建築の代表例であり、日本文化に多大な影響を与えてきた浄土宗の本山寺院の建築としての文化史的意義も高いことから、2002年、三門とともに国宝に指定されている。


屋根の上、中央に屋根瓦が少し積まれているが、これは完璧な物はないことの暗喩だとされる。


2007年から屋根の修復作業が行われている。




重要文化財


経蔵


本堂の東方に建つ宝形造本瓦葺き裳階(もこし)付きの建物。


三門と同じ元和7年(1621年)に建立された建物で、徳川二代将軍・秀忠寄進による宋版大蔵経六千巻を安置する輪蔵が備えられている。






大鐘楼


宝仏殿裏の石段を上った小高い場所に建つ。


延宝6年(1678年)の建立。


ここにある梵鐘(重要文化財)は日本有数の大鐘で、寛永13年(1636年)の鋳造である。


この鐘楼で除夜の鐘を突く模様は年末のテレビ番組でたびたび紹介されている。






大方丈(おおほうじょう)


本堂の右手後方に建つ。


寛永18年(1641年)に建立された檜皮葺き・入母屋造りの華麗な書院建築で、54畳敷きの鶴の間を中心に狩野一派の筆になる豪華な襖絵に彩られた多くの部屋が続く。





小方丈(こほうじょう)


大方丈のさらに後方に建つ。


大方丈と同じ寛永18年(1641年)に建立された建物で、襖には狩野派の絵が描かれているが、大方丈に比べ淡彩で落ち着いた雰囲気に包まれる。


東側の庭園は「二十五菩薩の庭」と呼ばれ、阿弥陀如来が西方極楽浄土から25名の菩薩を従えて来迎する様を石と植込みで表現したものである。





勢至堂

境内東側、急な石段を上った先の小高い場所にあり、本地堂とも呼ばれる。


付近は法然の住房のあった地である。


入母屋造本瓦葺き。


寺内の建物では最も古く、室町時代享禄3年(1530年)の建築。


建立当初は本堂(御影堂)であった。


内陣厨子内に安置する本尊勢至菩薩坐像は鎌倉時代の作で、2003年に重要文化財に指定されている。


勢至菩薩を本尊とする堂は他にほとんど例を見ないが、浄土宗では法然を勢至菩薩の生まれ変わりとしており(法然の幼名は「勢至丸」であった)、法然の本地仏として造立されたものと思われる。


前述の山亭は勢至堂の客殿として建てられたものである。

以上の他、唐門、集會堂(しゅえどう)、大庫裏(おおぐり、「雪香殿」とも)、小庫裏(こぐり)が重要文化財に指定されている。


いずれも寛永復興期の建築である。






アクセス


JR京都駅から


市バス206系統 知恩院前下車 徒歩5分


地下鉄東西線(烏丸御池駅乗換え) 東山駅下車 徒歩5分




拝観時間 


午前9時から午後4時 (午後4時30分閉門)




庭園拝観料


方丈庭園のみ 友禅苑のみ (2庭園)共通 備考


大人 400円 300円 500円 高校生以上


小人 200円 150円 250円 小中学生

団体 360円 270円 450円 30名以上 大人のみ




三門前駐車場

乗用車 約45台(9:00~16:00の台数)


1時間以内500円、以降30分ごと200円


※9:00以前、16:00以降は約20台のみ駐車可能です。

バス 約10台


2時間ごと2,000円、泊料金5,000円


バイク 1回400円





〒605-0062


京都市東山区林下町400



















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