京の一枚

京都の道シリーズ 石塀小路[ねねの道]


雨あがりのねねの道もまたかくべつ




観光客のの散策ルートとして賑わう石塀小路は、下河原通と高台寺西側の高台寺参道[通称ねねの道]を結ぶ小路。


両側に町家建築の旅館や料亭が軒を並び、伝統的建造物保存地区に指定されている。


この家並み、製茶販売で財を築いた上村常次郎によって、明冶後期から大正期にかけて整備された事に始まる。


常次郎は高級貸家の経営を思いたち、東山山麓の高台寺下に拡がる土地を買い取って宅地開発を始めた。


もともと勾配のある土地なので、家の基礎部分を大きくとって高い石塀をめぐらし、その上に2階建て町家を建築した。


ねねの道に敷き詰めた石畳は、景観美はもちろん、雨による道路崩壊を防止する効果も有ったという。


その後、石畳は、昭和50年に廃止になった京都市電の敷石を利用して、一部が改修されている。


また、かって日本映画が全盛の時代に、河原町の喧噪を逃れて、監督や俳優らがねねの道の周辺の旅館を定宿としていた。


片泊まりの宿・田舎亭もその一軒である。


ここに出てくる田舎亭の宿


築140年以上の土塀に囲まれた2階建ての宿。


江戸末期には新撰組幹部も利用した料亭で、現在は映像関係者に常連が多いと言われる。


1階と2階に合わせて6畳から20畳までの部屋が5室ある。


ここの女将の手作り料理はとても美味しい。


片泊まりの宿は、1泊朝食付きで利用出来る宿をいう。


京都では、おばんざいの店で食事やお酒を楽しんだり、お茶屋で遊興の時間を過ごしたり、京の夜を楽しむために、片泊まりという慣習が生まれたと言う。


古都の朝は、落ち着いた雰囲気の町家で目覚め、京ならではの朝食をいただく。


場所も昔ながらの旅館街など足場もいい。


ちょっと贅沢な京都の片泊まりの宿をつまんでみたいものだ。




田舎亭は1泊朝食付き¥8500円~






バス停


東山安井下車 徒歩約5分


京都市東山区下河原町通八坂鳥居前下ル下河原町463-33


℡  075-561-3059




ちょっと寄り道




月真院「御陵衛士屯所跡」


高台寺下に南北に伸びる石畳の道は、北政所にちなみ「ねねの道」という。


今でも人力車も見かけるにぎやかな道だ。


この道沿いの中ほどに静かに佇む高台寺塔頭「月真院」がある。門前の石柱に「御陵衛士屯所跡」の文字が刻まれている。


慶応3[1867]年6月、新撰組の伊東甲子太郎は尊皇擬鋳夷論を説き、ついに隊長の近藤勇と意見が合わず、本体と分離して藤堂平助ら12名と月真院に屯所を置いた。


大議、前年12月に崩御された孝明天皇の御陵を守る衛士の任務に就くことだった。


しかし、両者の確執はつづき、慶応3年10月14日、徳川慶喜が大政奉還をしたのち、11月18日、近藤勇に呼び出された伊東は、不覚にも泥酔いしたところを謀殺された。


これを聞き、月真院に居合わせた藤堂ら3名が駆けつけたが、彼らも七条油小路で斬られ、御陵衛士の屯所は閉じることとなった。







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