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Toshichanの独り言

海外、国内旅行の旅日記。私の俳句手帳、などなど筆の進むままに書き連ねてまいります。

北東北に紅葉と温泉を求めて

2012年10月24日 | 自然
「万象に天意を覚ゆるものは幸いなり。国のため、自然のため」 青山士(あおやまあきら)
 10/15~10/20の日程で北東北へ紅葉狩りに出かけた。
主目的は?俳句の材料を集めに行く、水彩画材を集めに行く、写真を撮りに行く、トレッキングに行く、美味しい酒を飲みに行く、
どうも最後が一番強い動機か?
簡単に日程を述べると
10/15 伊丹空港→秋田空港、(軽のレンタカーで)→小岩井牧場→藤七温泉(八幡平)
10/16 →八幡平散策→協和温泉四季の湯(秋田)
10/17 →秋田空港(妻帰宅)→弘前→グリーンパーク もりのいずみ(白神山地)
10/18 →白神山地散策→三内丸山遺跡(青森市)→青荷温泉(八甲田)
10/19 →(ロープーウエイ)八甲田山山頂→酸ケ湯温泉付近散策→黒湯温泉(乳頭温泉)
10/20 →乳頭温泉散策、温泉めぐり→秋田空港→伊丹空港

10/15 
 今年は暖かかったためか、紅葉は1週間ほど遅れているという。
小岩井牧場、30年ほど前に妻の祖父祖母、子供たちと訪れた。施設は新しく作られたものもあるが、雰囲気、風景は何も変わっていない。
背景に大きく聳える岩手山、近景には明治時代のものであろうか、今も現役の牛舎が建っていて絵になっている。


牧場の中に宮沢賢治の碑が建っている。
「すみやかなすみやかな万法流転のなかに 小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が いかにも確かに継起するといふことが どんなに新鮮な奇蹟だろう
」(「春と修羅」より)
 宮沢賢治が信奉していた法華経の心と、小岩井そして岩手への愛情が滲み出ている。


小岩井牧場から岩手山の周りを車でぐるりと反時計回りにまわると八幡平への上りの道路に出る。八幡平は名前のごとく高原のような山で険しい、目立つようなピークは持たないが、1614mの標高であり侮れない。車で徐々に高度を上げると次第に紅葉が綺麗になっていく。青空に紅葉が生える。


山頂から少し下がったところに今日の宿「藤七温泉」がある。単純硫黄泉であり、露天湯が6箇所ほど宿の外に点在している。夜露天湯に入りに行ったが日本海側から山頂を越えてくる風と雲は厳しく、力強くそして非常に低温(多分4,5℃?)であり、冬の八幡平の厳しさの予感は十分にあった。すぐ隣の湯に移るのも体が凍えそうになる位である。


ここの宿の夕食はいわゆる「ビュッフェ」スタイルであるが、内容は山菜、岩魚、蕎麦、きりたんぽなどヘルシーなものばかりで、地の利を生かしての仕入れやすさもさることながら、中高年のお客にターゲットを当てたみごとな営業戦略である。私も大満足であった。



10/16
八幡平の山頂付近を散策する。湿地帯に池塘が点在し、また火口湖がそこかしこに静かにたたずみ、また遠く岩手山や他の山々が眺められ素晴らしいところであった。


またここから少し下ったところに「蒸けの湯」と言う温泉がある。ここの紅葉も今が盛りであった。ここも単純硫黄泉であり、露天湯が点在しているよい温泉である。


10/17
青森はりんごの産地だとは勿論知っていたし、りんごは秋にできるものだとも知っていたが・・・・
「初めて見ました、真っ赤なりんごが鈴なりになっているところを」、岩木山を背景にして真っ赤なりんごがなっている、   感激!
りんごりんごりんご笑う岩木山 京都


10/18
 白神山地は広大な原始林で覆われており、世界自然遺産に登録されている。まず車で砂利道を上り津軽峠に登る。
ここまで来るとようやく紅葉しているのがわかる。峠から5分ぐらい歩くとぶなの「マザーツリー」と言われている400年ほど経つ巨木に巡りあう事が出来る。ここからも岩木山がよく見える。


暗門の滝付近に下りると、ブナ林の散策道があり、穏やかに広がっているぶな林を歩くことが出来る。
 ぶなの木は大人の木になるまでに約100年かかると言われている。その頃になると30m以上の巨木となり、他の木々を見下ろす高さになると言う。ぶなの木の寿命は150~200年だと言われておりやがて倒れると上方が開け、細々と育ってきたぶなの若木が大きく成長すると言う。
ぶなの森は落葉した落ち葉が地面に積み重なり、腐葉土となって植物を育むとともに、降った雨を地下ダムのように涵養し徐々に放出していく。森林は多かれ少なかれそのような機能を持っているが、ぶな林は特にその機能が高いと言われている。人間もかくありたいものだ。

ぶなの木のやさしく抱く水の秋 京都


今夜の宿は八甲田山の麓にある青荷温泉である。ここはランプの宿として有名?である。
部屋にもランプ一つ、食堂もランプ、露天風呂もランプ、ランプ尽くしである。勿論電気は来ているのだが、あくまで火災時などの非常用である。普段は使えないようになっている。これもこの宿の差別化戦略なのだろう。平日なのに相当の泊まり客がいた。
風情はいいのだが、食堂までランプなので食べ物がよく見えず、これはあまりよくない。


10/19
青森市内に日本で最大級の縄文遺跡である「三内丸山遺跡」がある。今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡で、長期間にわたって定住生活が営まれていた。私が興味を持ったのは、まず縄文式土器、実物は以前にも博物館で見たが改めてみてその素晴らしさに感激した。またジオラマでどのようにして縄目模様を付けるのかを再現していて興味深かった。


またこの頃の交易圏の広さに驚いた。出土した「ひすい」は糸魚川産のものであり、「黒曜石」は北海道や長野産、接着剤として使ったアスファルトは200kmほど離れた東北、琥珀も同様に遠隔地のものだと言う。この地はそれらの原材料の加工も行っていたと言うことだが、想像以上に縄文人はダイナミックに活動していたことがわかった。正しく日本人の祖先である。


次に八甲田山、ロープーウエイに乗って山頂付近まで行く。中腹あたりは素晴らしい紅葉だ。しかし山頂はなんと気温1℃、風は吹き荒れ山頂は初冠雪している。遊歩道を歩くことも断念!

今日の宿は乳頭温泉郷の黒湯温泉である。黒湯温泉は乳頭郷でも一番奥にあるよい温泉である。ここも単純硫黄温泉で、藤七温泉より少し「薄め」の感じである。北東北の温泉は自炊棟がある場合が多く、長期に湯治をする人達が利用しているが、ここの自炊棟は藁葺屋根で趣のある風情を持っている。


夕食時に、岩魚の骨酒を頼んだ。岩魚をからからになるまで焼き、それに超熱燗の酒を注ぐとやがて岩魚のエキスが出てきてやや甘いようなえもいわれぬ味となる。また最初の酒を飲み干し、再び熱い酒を注ぐとまたエキスが出て来て2度楽しめる。


10/20
いよいよ最後の日である。朝風呂に入った後、天気がよいのでまず乳頭岳方面に1時間ほど散策に出かける。登るに従って紅葉が鮮やかになる。登って行くと乳頭温泉の源泉があり、山の斜面からはしきりに湯煙が立ち上っている。


まだ時間は十分あるので乳頭温泉のはしごをしようかと、来た道を戻り孫六温泉に向かう。黒湯温泉から直接行けば5分ほどの道のりである。早速露天湯に入る。黒湯温泉とはまたちょっと違う湯質だ。


そこを辞して次に蟹湯温泉に向かう。歩いて15分位。ここの露天風呂は森林の中にあり、森林浴と温泉が同時に楽しめる。


さあ次は・・・・・さすがに湯疲れがして今回はここで中止。いつものことだが、旅は何かしらし残し感があるほうがよい。次に繋がる。
冷えし夜に秘かに仕込む紅葉かな 京都


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