杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2013-2-5 尾白川下流域・刃渡り沢

2013-02-06 09:41:57 | ガイド山行記録

早いものでもう2月。第一週目の5日、尾白川の刃渡り沢へ行ってきました。

日向山林道はところどころ残る残雪が、かなりカチカチのアイスバーン、というより氷そのもの。登りもスタックしかけましたが、くだりの方が怖かった・・・タイヤがロックしたままツーッと滑り落ちていく状態はまさに冷や汗もの!車が壊れなくてよかった・・・

さてさて日向山登山口から、林道のアプローチを1時間30分ほどで林道終点。対岸に見える刃渡り沢は結氷状態はまずまずよさそう。さっそく出合目指して河原へ下降。

今回は下降点を少しだけ下流側にとり、刃渡り沢の下流からアプローチして飛び石で尾白川を超えましたが、こちらの方が楽!難なく刃渡り沢出合へ。

ここからは先人の付けたありがたいトレースを伝い、小滝を越えていきます。

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間もなく15メートルの氷瀑。ここでロープを付け、登攀開始。アップにしてはちょっと物足りない感じでした。

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やがて目の前には双翼の滝が。今年は結構結氷が良かったのか、左右つながりそうな勢いでした。しかし右のラインはこのところの暖かい気温のせいか、すでに水流が吹き出し、ジャバジャバ。氷もかなりもろそう。

今回は左の硬そうなラインを選んで登りました。中間部は80°程度あり、結構登り応えあり。

P2050008

さらにその上の大滝は、沢の中央と右岸に見事な氷瀑を掛けていました。やはり中央はすでにシャワーが降り注ぐ感じでしたが、そのシャワーをかいくぐり、若干ラインを左にとって、水氷となった氷瀑を思いっきり大胆に登りました!

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一旦懸垂下降の後、今度は右岸の氷瀑へ。

ここもど真ん中はすでに水氷となっていたので、懸垂下降の写真でいうと下降ラインの右、スラブにへばりつくようなベルグラ状の氷にラインをとりました。

取り付いてみるとベルグラは思った以上に厚く、スクリューもばっちり入りました。氷質も硬すぎず軟らかすぎず適度で、楽しいクライミングを味わえました。

ただこのベルグラ、透明度もあってなんだか綺麗な氷。アックスで穴をあけてしまうのはちょっともったいなかったかな。

帰りの道々、その他の氷瀑も見ながらきましたが、ガンマの出合こそきれいに結氷していましたが、その他は錦滝も含めボロボロ。

そろそろ尾白も今年はシーズン終焉間近なんでしょうかね。


晴れときどき心臓バクバクのちTHE DAY!

2013-02-01 00:43:44 | プライベート山行記録

今週の火曜日に小谷へBCスキーに出かけたばかりでしたが、その舌の根も乾かないうちに今日は八方のBCへ行ってきました!

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みんなこの晴天を待ちわびていたのか、今朝の八方池山荘前は黒山の人だかり。

我先にとシールを装着し、出発していきます。

我々はというと、またまた滝本さんを筆頭に、柴田君と加藤美紀ちゃん、そして私の4人。不帰Ⅱ峰からの滑降を目指す柴田君は、どんどん先に進んでいきます。残りの3人はお気楽ムードでマイペース登高。

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私たちの目指したのは唐松岳と不帰Ⅲ峰の間にあるDルンゼ。

ちょうど私の左、三本目のリッジのさらに左にある大きな沢状地形の谷です。

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唐松の山頂で気が付けば、我々が不帰滑降隊の中ではトップの位置に!!しかし今日は本当にいい天気。山頂からはちょっと太った剱岳と、その背後には富山の街並みから富山湾まできれいに見えました。

さてさて目指すDルンゼを上から見下ろすと、思ったより傾斜はなさそう。しかも現在のところノートラック!今日はきっとギタギタになった斜面を滑るのだとばかり思っていたので、ちょっとうれしくもありしかし不安でもあり・・・

ドロップ地点までの下降で、心臓はすでにバクバク状態でした!

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とりあえず雪質をチェックし、かなり安定している感じだったので一安心。しかもルンゼに一歩踏み出してみたらそこは極上のパウダーではありませんか!

スキーカットして雪崩れないのを確認し、一気にドロップ!思いのほか快適な斜面に大胆なターンでファーストトラックを刻ませていただきました!!(んー、ちょっと図に乗りすぎかな・・・)

でも雪質はサイコーのだったのは確か。天気と良いまさに今日はTHE DAYだったのです!!

以前砂時計を滑った(とりあえず下りただけ)時は、死に死にの状態で、楽しくもなんともなかったのですが、今日はまさに楽しい!の一言!!

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さすがに下に降りてくると、雪もかなりパックされて硬くなってきました。それでもエッジのバリバリ利いた斜面は快適そのもの。

二俣にたどり着くころにはすでに満腹で今日の大イベントを締めくくりました。

いやー、初めての不帰でこの天気と上質のパウダー。ますますやめられませんね!