しゅう太郎の囲碁ブログ

主に自戦譜やプロの棋譜について思うがままにコメントするブログです

第66期本因坊戦七番勝負第6局2日目

2011年07月14日 20時49分15秒 | プロの棋譜

 

結果:279手まで羽根直樹九段の白番7目半勝ち

 

 

 

 いや~昨日激しい碁になるかもと予想はしましたが、まさかここまで激しくなるとは。それでは封じ手の局面から振り返ってみたいと思います。

封じ手は予想が全てはずれ、F15の一間トビでした。終局後の山下本因坊の感想では「一日目では苦しいと感じていたのでこの手を選んだ。」とのことでした。

 

毎日新聞の鶴山七段の解説ではF16と下辺を突きぬいて、白が良くなったとのことでした。

 

幽玄の間ではL8からK9のツケギリがうまく、白が良くなったとのことでした。

 

この白1と打ったところが本局のハイライトだと思います。シノギ勝負かと思われていたところ、羽根九段はあっさりと中央の白12子を捨ててしまいました。これには感心しきりでした。ちなみにまだ右下には手を入れていません^^;。

 

この手が山下本因坊の勝負手。

 

以下のようにコウになりました。自分はこれは黒の花見コウで白負けたかなあと思って観てたのですが、

 

実際はそうでもなく、フリカワリとの解説でした。白解消した後、下辺でさらに激しいことに。再びコウ争いが始まりました。

 

鶴山七段の解説ではこの抜きが冷静な判断で決め手とのこと。

 

S18に白が手入れしたところで、鶴山七段と幽玄の間の解説から白の勝ち確定が出ました。

 

序盤から最後まで戦い続けた一局でした。右下なんか170手まで手入れしないし^^;(結構大きいと思うんだけどなあ)

気になるのは黒がどこで形勢を損ねたかということ。山下本因坊はすでに1日目であまりよくないと思っていたそうです。私は中盤の手厚いP9が少しぬるかったんじゃないかなあと思いましたが、いかがでしょうか?

 

さあこれで星は五分。勢いからすればやや羽根九段有利かもしれません。ちなみに囲碁界では過去に3連勝から3連敗して1勝を返せたことは2回のみです。一方3連勝から4連敗は過去に6回あります。

注目の最終局は7月20日(水)21日(木)に静岡県伊豆市「東府や」で行われます。