吐血と入院

普段ロージーは私たちとは別の寝室で、ひとりで大人用布団に寝ている。
夜中に咳をしていたのをベビーモニターで聞き、旦那が「ちょっと様子を見てくる」と言ったのに私は「それで起きたらまた面倒だから、ただの咳でしょ？大丈夫だよ」と言って結局私たちは様子を見に行くことなく寝てしまった。

朝、旦那に起こされる。
ロージーの寝室に行くと布団の上に直径３～５cmほどの血のあとが５、６個あり、ロージー自身はいつもと変わらなく元気だけど、口の周りがまるで溶かしたチョコレートを流し込んだように血でべっとり固まりついていた。
でも本人はニコニコでいつも変わらず、楽しそうに何か話をしている。

血の量からすると、鼻血や唇または口の中を切った外傷的な血ではない感じがした。
とすると吐血？
こんなに元気でいつもと変わらないのに、本当に吐血なんだろうか？
吐血なんだとしたら、即病院へ連れて行かないと！

WSで通っているかかりつけの病院まで車で20分程度。
出血量を見てもらうためにシーツをそのまま袋に入れた。
朝はミルクをいつも飲むので飲ませたらうんちをしたので、おむつを替えたらなんと真っ黒だった！
これはおかしい！と思い、そのうんちもジップロックに入れて持っていくことにした。

かかりつけの子供病院は救急があるので、何かあってもすぐ診てもらえる。
でも一応電話をして、救急でいいかどうか確認をし、下の子供も連れて病院へ行った。
熱を測ったところ38.2度と少々高め。
脈拍を測るためのモニターをつけたが、心拍数が異常に多いことが判明する。
いつもなら救急の待合室に通されそこで結構待たされるのに、その場ですぐに奥の診察室にとおされた。
持っていったシーツとおむつを見せると「点滴をします。それと検査のために採血をしますので一度外に出ていてください」と言われ、私たちは外で待つことに。
しばらくして呼ばれたので、部屋に入ると何があったのかわからない状態で泣いているロージーがいた。
点滴をして、指には脈を計るモニターをつけられているので観察室で様子を見ることになり移動した。
観察室には子供は入れらないとのことだったので、一番出口に近いところのベッドにしてもらい、息子はベビーカーごと外に置いたままになってしまった。
幸い、息子はほとんど手のかからない子なので、スヤスヤと寝たままだった。

すぐに先生が戻って来て「胃の中からの出血かどうか調べるために鼻からチューブを入れて胃洗浄を行いたいのでまた外に出ていてください」と言われた。
外に出ようとするとロージーはまた何か痛いことをされることを察したようで、大きな声で泣いていた。
部屋の外にも聞こえるほど泣いている。
私はただ奥歯を噛みしめ、両手をぎゅーっと握り、１点を見つめて耐えることしかできなかった。
旦那は「僕はこれに絶えれるほど強くない」と言って泣いていた。
「娘ががんばっているんだから、私たちがしっかりしなきゃだめでしょ？」と言ってなだめたが、私だってそんなに強くない。
でも思っていたより、私は冷静だった。理由はわからない。

今後も胃の中の出血状況を見るために胃洗浄を行うからと、鼻から胃にかけてチューブを入れたままの状態になってしまった。
顔には鼻チューブ、腕には点滴、足の指にはモニター、胸には心電図のモニターと、あっという間に管だらけになってしまった。
ロージー本人は何が起こったのか全くわからず、先生や特に看護婦さんが来ると痛い・怖いことがあると思っているらしく、どの看護婦さんが来ても泣きながら「ばいばい！ばいばい！」と叫んでいた。
大人だってそんなことがあれば、苦しいし痛いし怖いだろう。
本当に小さい体でよくがんばったと思う。
いつもはしないお昼寝も、この日は午前と午後と２回もした。

今日は旦那が泊まることになった。
というのも、うちにはロージーのほかに生後３ヶ月の息子もいるので、３時間おきの授乳が必要な息子には私が必要なのだ。
旦那は心配で仕方ないので、自分が側にいてやりたいから毎日泊まると言っていた。

実は私、こんな状況になったにも関わらず、朝の時点では「今日一日保育園はお休みにして家で様子を見ればいいだろう」くらいにしか思ってなかった。
旦那にそう言ったら「冗談じゃない！今すぐ病院へ連れて行く！」と言われ、それで病院へ来たのだった。
母親の自分が楽観的過ぎたとものすごく後悔した。
これでロージーに何かあったりでもしたら、本当に大変なことになっていただろうに…
今回の危険なサインを察知できなかった。
子供の病気に対して、もう少し神経質にならないといけない。
そればっかりが頭の中をぐるぐるとまわっている。

１日でも早く原因が判明して、良い治療が早く受けられますように…