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  ALBA所属 ひよっこナレーター の 上々↑↑ライフ

『 REBORN 蘇る名刀 』

2019-01-10 09:51:10 | Go!Go! わたし ~鑑賞編~
去年「京のかたな」で京都まで遠征した。でもさすがに前期後期共行くのは諸事情によりダメだった(行きたかった)。
それぞれの期間のみ展示ってのは、どの展覧会でも当たり前にあって。
余すところなく見たければ、少なくとも2回。
そこへあの時観ることができなかった刀が二振、年明け佐野美術館で展示されるという情報。
三島まで来てくれるというのなら、私も三島まで行く。即断即決。

 『 REBORN 蘇る名刀 』

展示開始から二日目。平日午前中。の割には盛況。地元TVの取材でカメラも入ってました。
でも土日祝ほどの混雑では絶対ないので、ゆったりと、心行くまで鑑賞できました。
そりゃもうぐるぐると。

長い歴史の中で、大火に巻き込まれた日本刀。
大阪城落城、明暦の大火、日光東照宮の火災、関東大震災、秋葉山の火事。
それらの章ごとに、焼き直され再刃を施された刀。そしてそのまま伝えられた刀。
時の権力者に惜しまれ再刃された刀は、災禍を乗り越え取り戻した輝きを現在へと。
焼身のまま残された刀は、その炎の強さと被害のほどを現代に。

ある程度の覚悟はしていったつもりだったけど、ちょっと足りなかった。
何振かはもちろん観てきてはいるけれども、50も並べば凄まじいものがある。
「太刀 銘 備前国新田庄済親依造(彦根城博物館所蔵)」は、あまりの姿に涙が出たほど。

だけど。
情緒に訴えかけてくる部分は確かにあることはあるけれども、何よりすごいのは「焼直し」の技術の凄まじさ。
その焼失を嘆いた時の権力者に再刃の命を下された当時の刀工の、その確かで秀でた技術。



災禍すらその由緒に加え、刀はそこに在る。



京都で観ることが叶わず、今回初めて観ることができた刀は二振。
「脇指 銘 吉光(名物 鯰尾藤四郎)(徳川美術館所蔵)」、「重文・薙刀直シ刀 無銘 吉光(名物 骨喰藤四郎)(豊国神社所蔵)」。


去年もこちらで展示があった「短刀 銘 行光(名物 不動行光)」、初めて観ることができて嬉しかったです。
本能寺で焼失したと伝わる刀(織田信長が森蘭丸に下賜したとされる)ですが、とても再刃とは思えない。

徳川ミュージアム所蔵「刀 無銘 光忠(号 燭台切光忠)」「太刀 銘 包永/兵部大輔藤孝磨上之異名号児手柏(名物 児手柏)」も展示。
観るのは去年の3月以来ですが、やはりこの刀は観る度不思議な気持ちになります。


燭台切の展示は~1/23、鯰尾・骨喰は~1/30までとなっていますのでご注意。
後期(2/1~)には「重文・刀金象嵌銘永禄三年五月十九日/義元討捕刻彼所持刀/織田尾張守信長(名物 義元左文字)(建勲神社所蔵)」も展示されます。「宗三左文字」の方が通るかな。

個人的には「太刀 銘 備州長船盛光/応永十三年十月日(日光東照宮宝物館所蔵)」と「脇指 銘 義助(秋葉山本宮秋葉神社所蔵)」がものすごく気になりましたし気に入りました。
この二振は時期こそ違えど再刃を施した刀匠は人間国宝 隅谷正峯 氏。唸る他なかったです。

 

この展示の図録はもちろん、去年行けなかった「上杉家の名刀と三十五腰」の図録もミュージアムショップで扱ってたので購入。ご機嫌です

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