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バンドウユミ  Private Blog
  野良ナレーター の 上々↑↑ライフ

角川文庫『さまよう刃』

2009-10-30 07:12:30 | Go!Go! わたし ~鑑賞編~
映画を観る前に、と読み始めた。

 『 さまよう刃 』

あまりの「重さ」に、ページを進めることができない。
ハードカバーでさえ立ち読みで読み切ることができる私が、だ。・・・自慢できないけど。

東野圭吾さんの文体は、奇をてらったり、不必要な捻りがない。
その分、直接ココロに刺さるのだ。
読み終えるまでに相当の時間を要し、何度泣いたか知れない。


・・・以前、学生服を着た男子の集団に出くわしたことがある。
彼らはこう言ってた。

「んなムカつくんならさー、最悪殺しちゃえばいいじゃん。
 だってオレら 少年A だしさー。捕まってもすぐ出て来れんじゃん。」

どんなシチュエーションなのかは知らない。冗談かも知れない。
でも通りすがりでこれを聞かされた日にはたまらない。
私は、「法律で護られてる」という、彼らの「自覚」を見た気がしたのだもの。

小説はフィクションだ。
でもそこに至るまでのインスピレーションは、現実から生まれていることを、忘れてはならないと思う。

最後につけ加えるならば。
私は、現在の少年法は「現代」には即していないと思う。
悪いことは悪い。罪は罪だ。
己を保護する法律を認識した上で犯罪を犯すなら、人を殺すなら、その輩に更正の余地は果たして存在するか?
私の答えは、【否】。改めてそう思う。