なんか疲れた

Bullshit, crap, whatever you want to call it.

必要十分条件って?

2007-04-13 | Weblog
車好きなので、Carview (http://www.carview.co.jp/) のユーザーの評価を良く読む。

すると、こんな文章をよく見かける。
「カローラは、面白みのない車だが、必要十分条件を備えている。」
言いたいことは何となくわかるが、必要十分条件って正確にはどういう意味だろう?

この問題は、高校数学の授業で、非常にわかり難かった記憶がある。

命題p⇒qが真である場合
pはqであるための十分条件
qはpであるための必要条件

命題p⇒q、命題q⇒pの両方が真である場合 
pとqはお互いの必要十分条件(p ⇔ q)

教科書にはこんな風に書いてある。綺麗にまとめた説明のつもりだろうが、ひどいものだ。これじゃあ教える側の下手さで、数学嫌いが増えてしまう。こういう定義から入ると、理解し難いし、用途がわからない手法はそもそも興味を引かない。

例を考えてみる。
命題:「カローラ」ならば「よい車」である=真 (「よい」の定義は無視してね)
・・・いかん、こういうった表現が言葉として間違っている。日本語特有の主語の過剰省略だ。

命題:「この物体がカローラ」であるならば「この物体はよい車」である=真
「この物体がカローラ」であることは、「この物体がよい車」であることの十分条件。
「この物体がよい車」であることは、「この物体がカローラ」であることの必要条件。

・・・いまいちまだわかりにくいか。定義の説明自体が例の説明になっているから良くないんだな。それから、日本語だと「は」と「が」を使い分けるから混乱するんだろうな。英語なら区別しないから問題ないんだろうけど。

もしもこの物体がカローラでなくても、よい車である可能性はある。何故なら、この物体が例えばレガシィだったとしてもよい車であるから。だから、この物体がカローラであることは、この物体がよい車であるために必要な条件ではない。つまり十分条件である。

この「十分条件」っていうネーミングが良くない。この場合一体何が十分だっていうんだ?「この物体がカローラ」であることは、「この物体がよい車」である条件を十分に満たしている?言葉として意味がわからん。この物体がカローラなら十分によい車だ?これも違うぞ。

一方で、この物体がよい車でなかったら、カローラではない(「よい」の定義は無視してね)。だから、よい車であることは、カローラであることの必要条件である。こっちは分かりやすい。「よい」を抜いて考えるとより分かりやすい。

で、カローラの必要十分条件ってなんだ?

命題:「この物体がカローラ」であるならば「この物体はよい車」である=真だが、
命題:「この物体がよい車」であるならば「この物体はカローラ」である=偽。
だから、必要十分条件は成り立たない。これは上の説明、そのまんまだな。

さて、話を戻して、「カローラは、面白みのない車だが、必要十分条件を備えている。」ってどういう意味?

おそらく言いたいことは、「カローラは、日常の足としての必要な機能は持っていて移動手段としては十分っちゃぁ十分だけど、つまらないんだよね」というところだろうか?

色々とごちゃごちゃ書いたけど、結局のところ、「必要十分」って「必要最低限」と間違って使ってませんか?



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